ソーセージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 03:01 UTC 版)
メリット
下記のような多くのメリットがあるため、定番の人気商品となっている。
- 製造工程におけるメリット
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- ミンチにするため、肉の部位にあまり拘ることなく、肉質が多少悪くても加工できること。
- 異なる部位の肉や、豚肉と鶏肉などを混ぜることで、味に深みや個性を出したりコストを下げられること。
- 肉のうまみを逃がさず凝縮できること。
- 香辛料や燻製などで風味を加えられること。
- 使用におけるメリット
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- 冷蔵庫でも長期保存でき、肉よりも日持ちがすること。
- 一般家庭でも保管がしやすいこと。
- 短時間に調理でき、調理ミスが少なく美味しいこと。
- 肉よりも柔らかく、子供や高齢者にも食べやすいこと。
- 比較的に低価格で購入でき、どの店でも入手がしやすいこと。
- 加熱調理後に冷めても美味しいうえ、再加熱もできるためお弁当にも使えること。
歴史
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後期ラテン語のサルスス(salsus、「塩漬にした」)に由来するサルシキウス(salsicius)の単数女性形サルシキア(salsicia)から転じた古北部フランス語ソーシッシュ(saussiche)が語源[2]。
紀元前8世紀の古代ギリシアの、ホメロスによる長編叙事詩『オデュッセイア』には、山羊の胃袋に血と脂身を詰めた兵士の携行食として登場している[3]。
美食家として知られるアルピウスが書いたとされる有名なレシピ集には、ルカニカ(lucanica)と呼ばれる燻製ソーセージが含まれる。その名前は、ギリシャ人によって一部植民化されたルカニアという地域にちなむ。[4][5]
2007年にドイツのヴァイマールの研究者が、チューリンガー・ロストブラートヴルスト(Thuringer Rostbratwurst)に関する1432年の法律を発見している。[6]豚肉でつくるソーセージはつくった朝のうちに食べなければならないという法律。[5]
製法
- カッターで混ぜる
- 「ひき肉」に、香辛料、塩、氷のほか、食中毒防止のため亜硝酸ナトリウムを加えて、食品用カッターに入れる。香辛料は、ホワイトペッパーなどをベースに、オニオン、カエンペッパー、ナツメグ、キャラウェイ、コリアンダー等を好みに応じて入れる。
- 3000回転でかき混ぜてから、「ブロック肉」と塩を加えて、さらに混ぜていく。これが「粗挽きソーセージ」の歯応えになる。刃を逆回転にして練っていく。
- 空気を抜く
- 上記において完成したものを、何度か叩いて空気を抜く。
- ケーシングに詰めて成型する
- 原則として、肉・塩をケーシングに詰めて成型する(ケーシングを用いないものも存在する)。塩を入れる理由は、有害な微生物の増殖を抑制することと、筋繊維タンパクを溶解させ肉同士を結合させるためである。
- 種類によってはパン、小麦粉、米、オートミール、コーンミール、春雨など、デンプン質の素材を混ぜることもある。調理時にこれらが肉から出る水分や脂肪を吸収することで、ソーセージを縮みにくくさせるためである。
- 肉をケーシングに詰める作業には、絞り袋、もしくは専用の絞り器や「ソーセージフィラー」と呼ばれる機械を用いる。ソーセージフィラーはシリンダー状の本体に何らかの動力が組み合わされたもので、ケーシングを口金にセットして圧力をかけると挽肉が押し出される仕組みになっている。
- 加熱したときに膨張して破裂しないよう、小さい針でところどころに穴を開けておく。
- 吊るして乾燥させる
- 上記が出来上がったら、吊るして少し乾燥させてから、燻製などを行う。
- 保存処理をする
- 保存食とする場合、こののちにしかるべき保存処理を行う。保存のための加工方法は乾燥、燻製、発酵、煮沸など多岐にわたる。このように、製造過程ですべての処理を済ませ、そのまま食べられるものを調理済みソーセージと呼ぶ。これを行わず、製造後数日経って食べることを想定したものを生ソーセージと呼ぶ[7]。
- 日本のソーセージ業界では、ボツリヌス菌の繁殖を抑える目的で、亜硝酸ナトリウム(発色剤)の添加が食品衛生法により義務付けられている。
- ^ 大辞林 第三版
- ^ wiktionary:en:sausage
- ^ 宮崎正勝『知っておきたい「食」の日本史』角川ソフィア文庫・P217
- ^ Andrew Dalby and Sally Granger, A classical Cookbook(Los Angeles,CA,1996)
- ^ a b 『ホットドッグの歴史』株式会社原書房、2017年7月21日、21,22頁。
- ^ Craig Whitlock, ‘Germans Take Pride in the Wurst; 1432 Decree Shows Thuringian Sausage May Have Been Nation's First Regulated Food’, Washington Post(2 December 2007)
- ^ Harold McGee 2008, pp. 165–167.
- ^ ドイツ美食マップ ソーセージ編 (メットヴルスト) ドイツニュースダイジェスト]
- ^ 21世紀研究会『食の世界地図』116頁 文藝春秋
- ^ Peery, Susan Mahnke; Reavis, Charles G. (2002). “Vegetarian Sausages”. Home Sausage Making (3rd ed.). North Adams, Mass.: Storey Books. pp. 201–212. ISBN 978-1-58017-471-8. オリジナルの11 May 2016時点におけるアーカイブ。
- ^ Lapidos, Juliet (2011年6月8日). “Vegetarian Sausage: Which imitation pig-scrap-product is best?”. Slate. オリジナルの2013年5月27日時点におけるアーカイブ。
- ^ Godwin, Nigel (2009年2月27日). “St David's Day recipes: Glamorgan sausages”. The Daily Telegraph (London). オリジナルの2012年5月24日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Bibliografische Daten: GB131402 (A) ― 28 August 1919”. Espacenet. 2016年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月24日閲覧。
- ^ “ウインナー、フランクフルト、ボロニアの違いは何...”. お問い合わせ | 丸大食品. 2021年10月2日閲覧。
- ^ “【ソーセージとウインナーの名前の違い】フランクフルトやボロニアソーセージ!呼び名の違いを簡単に解説「羊や豚、牛の腸の太さによって区別!JASマークの特級、上級、標準、特定JASは品質の違いがある」”. BIJOH (2020年7月22日). 2021年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e f “「ソーセージ」だけでは味がわからない?種類豊富な「ソーセージ」の種”. 。オリーブオイルをひとまわし (2021年5月21日). 2023年1月31日閲覧。
- ^ “ウインナー、フランクフルト、ボロニアの違いは何ですか?”. 丸大食品. 2023年1月31日閲覧。
- ^ “日本農林規格の改正について「混合ソーセージ」” (PDF). 農林水産省 (2014年). 2023年1月31日閲覧。
- ^ a b “ドライソーセージ”. 第一三共. 2023年1月31日閲覧。
- ^ 国際がん研究機関 (26 October 2015). IARC Monographs evaluate consumption of red meat and processed meat (PDF) (Report). “WHO report says eating processed meat is carcinogenic: Understanding the findings”. ハーバード公衆衛生大学院 (2015年11月13日). 2017年5月6日閲覧。
- ^ 「3.6 肉種判別」『食品表示を裏づける分析技術: 科学の目で偽装を見破る』東京電機大学出版局、2010年。ISBN 978-4501625801。
- ^ www.urbandictionary.com "Gentleman's sausage"
ソーセージと同じ種類の言葉
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