エムグラントフードサービス エムグラントフードサービスの概要

エムグラントフードサービス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/03 07:15 UTC 版)

株式会社エムグラント・フードサービス
M'GRANT FOOD SERVICE Co.,Ltd.
ステーキハンバーグ&サラダバー けん 川口店(閉店[1]
デニーズの撤退跡に出店していた
種類 株式会社
本社所在地 日本
150-0043
東京都渋谷区道玄坂2丁目10-10
世界堂ビル8階
設立 2006年9月21日
業種 小売業
法人番号 5011001050227
事業内容 飲食店経営、コンサルティング事業
代表者 破産管財人 成田慎治[2]
資本金 5,000万円
売上高 225億9,600万円(2012年3月期)
24億3,000万円(2018年3月期)
純利益 ▲720万3,870円(2017年3月期)[3]
純資産 2億1,079万2,980円(2017年3月期)[3]
総資産 9億5,924万8,226円(2017年3月期)[3]
従業員数 正社員75名
パート・アルバイト500名
決算期 3月末
関係する人物 井戸実(創業者)
外部リンク http://www.mgfood.co.jp/
特記事項:2020年3月16日破産手続開始決定。2021年3月4日法人格消滅。
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ステーキハウス けん 甲府前店(閉店[4]
すかいらーくの撤退跡に居抜き出店していた

概要

井戸実が株式会社まいど在籍中の2005年11月、経営破綻したチコマートより「ステーキ&ハンバーグ いわたき」と「しゃぶしゃぶ&焼肉バイキング トップラン」の経営権を得て、経営不振に陥ったレストランの再生を目的に、飲食事業とコンサルティング事業を開始したのが始まりである。

翌2006年、同社の主力業態「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」の事業展開に伴い、株式会社まいどから同事業を分離してエムグラント・フードサービスを設立。同年に1号店として南柏店を開業した[5]千葉県流山市前ケ崎、最寄り駅は南柏駅[6]

主に郊外ファミリーレストランなどが撤退した後の居抜き物件を中心に出店を続けていた新興外食産業企業で、同社前社長の井戸は「ロードサイドハイエナ」を自称していた[5][7][8]。また井戸は自身のブログTwitterなどで過激な発言を繰り返したびたび「炎上」していた[5][8]。外食チェーン店は外装や看板、インテリアなどを統一するのが一般的であるが、「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」ではコストダウンのため、居抜き出店した旧店舗の内外装や備品などをそのまま使用していたため、店舗ごとにインテリアや看板の大きさが異なっていた。加古川市別府町アリオ加古川の隣の敷地にもあった(もとはバーミヤン)。

店舗運営費のコストダウンや、また将来的に社会保険が適用される労働者の範囲が拡大されることを見越した上で、当該拡大対象から除外されることを狙い、店長への業務委託契約によるオーナー店長化を推進していた。井戸は、他社の業務委託契約の店長が過労死した事件について「自己管理の悪さが原因」として店長を批判している。また井戸は、週40時間以上の水準で時間外労働扱いとなることを否定的に挙げ、労働基準法などの労働規制について、業務や労働が多様化している現状に合致していないと批判していた[9]

2010年には100店舗を突破[5]。2012年のピーク時には直営店・FC店を合わせた店舗数(他業態を含む)は260店舗を超える規模にまで成長し、2012年3月期は約225億9600万円の売り上げを計上した[5]

しかし、それ以降はすかいらーくのステーキガスト(2010年より)、ロイヤルホストのカウボーイ家族(2012年より)、ペッパーフードサービスいきなり!ステーキ(2013年より)など大手レストランチェーンのステーキハウス業態拡大による競争激化、有力フランチャイジーだったハークスレイの離脱[10]といった要素が重なり、店舗網は減少傾向にあった。さらに2017年には、社員独立制度で独立した元社員が経営するフランチャイジーが連続倒産して店舗数は激減[5]。翌2018年3月期の売上は最盛期の約10分の1となる約24億3,000万円にまで減少した。

事業環境の悪化に伴い、2019年7月には「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」事業と「ふらんす亭」の運営をジー・テイスト(現:焼肉坂井ホールディングス)へ譲渡[8][11]。その後は「ステーキ&ハンバーグ いわたき」の運営とフランチャイズ斡旋業を主力事業としていたが、2020年1月10日に株式会社エムグラント・フードサービスから株式会社MFSへ商号変更。2020年2月28日をもって事業停止[12]。2020年3月16日に東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けた[2]。2021年3月4日に法人格が消滅した[13]

沿革

  • 1984年(昭和59年)-「いわたき」1号店(野菊野店[14])が千葉県松戸市野菊野に開店。
  • 2005年(平成17年)11月 - 株式会社まいどが「いわたき」など6店舗の経営権を取得。
  • 2006年(平成18年)
    • 1月 - 井戸実が株式会社まいどの代表取締役社長に就任。
    • 7月 - ステーキ店「けん」1号店(南柏店)を千葉県流山市前ケ崎に開店。
    • 9月 - 株式会社エムグラント・フードサービス設立、井戸実が同社の代表取締役社長に就任。
    • 12月 - エムグラント、株式会社まいどより飲食事業の譲渡を受ける。
  • 2007年(平成19年)4月 - アリオ川口に「けん」を居抜き出店、ショッピングセンターへ初出店[15]
  • 2010年(平成22年)4月 - 「ふらんす亭」の営業を受託。
  • 2011年(平成23年)7月 - 「とんかつ&サラダバー よしかつ」の経営権を株式会社あどばるへ売却。
  • 2019年令和元年)7月 - 「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」事業を株式会社ジー・テイストへ、「ふらんす亭」事業をふらんす亭の創業者松尾満治が設立した「株式会社ふらんす亭」へそれぞれ譲渡[8]
  • 2020年(令和2年)
    • 1月 - 株式会社エムグラント・フードサービスから、株式会社MFSに商号変更。
    • 2月28日 - この日をもって全事業を停止[12]
    • 3月 - 東京地方裁判所から破産手続開始決定を受ける[2]
  • 2021年(令和3年)3月 - 法人格消滅。

  1. ^ 【閉店】ステーキハンバーグKEN 川口青木店 (【旧店名】ステーキ・ハンバーグ&サラダバー けん) 食べログ
  2. ^ a b c TSR速報 (株)MFS(旧:(株)エムグラント・フードサービス)東京商工リサーチ 2020年3月25日
  3. ^ a b c 官報 2017年9月19日付 2023年8月15日閲覧
  4. ^ 【閉店】ステーキハンバーグ&サラダバーけん 甲府駅前店 食べログ
  5. ^ a b c d e f 「ステーキのけん」の親密加盟店が連続倒産 FACTA ONLINE、2017年9月号、ファクタ出版株式会社
  6. ^ 【閉店】ステーキハンバーグ&サラダバー けん 南柏店 食べログ
  7. ^ 2010年6月10日放送 テレビ東京ルビコンの決断
  8. ^ a b c d “「ステーキけん」を事業譲渡 「ロードサイドのハイエナ」井戸社長のエムグラント”. ITmedia (ねとらぼ). (2019年9月4日). https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1909/04/news094.html 
  9. ^ “今後10年間は僕が独走する――34歳でぶっちぎりの外食成長株、ステーキ「けん」井戸実社長に聞く”. 東洋経済オンライン. (2012年4月17日). p. 4. http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/3fc35ce7d89afe3a899df17e9b4e2444/page/4/ 
  10. ^ “ハークスレイグループが『ステーキ・ハンバーグ&サラダバー けん』と約1年で契約解消!”. FRANJA. (2012年5月1日). オリジナルの2014年12月23日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/B0XdG 
  11. ^ ステーキハンバーグ&サラダバーけん及びふらんす亭事業 事業譲渡のご報告 井戸実Amebaブログ「ロードサイドのハイエナなんて呼ばれてた人のブログ」、2019年8月22日
  12. ^ a b “「ステーキけん」の元運営 MFS(旧:エムグラント・フードサービス)が事業停止、破産へ”. 帝国データバンク (Ýahoo!ニュース). (2020年2月28日). オリジナルの2020年2月28日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/rZZ4q 
  13. ^ 株式会社MFS 国税庁法人番号公表サイト
  14. ^ ステーキ&ハンバーグの店 いわたき 野菊野店 食べログ
  15. ^ 沿革 株式会社エムグラント・フードサービス
  16. ^ けん 鵜野森店 食べログ
  17. ^ “飲食店で食中毒、ステーキ食べた4人が発症”. 相模原]: 神奈川新聞社. (2011年11月8日). https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-95956.html 


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