GeForce FX Series
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「NVIDIA GeForce」の記事における「GeForce FX Series」の解説
「en:GeForce FX series」も参照 GeForce FX Series(ジーフォース・エフエックス・シリーズ)は、GeForceシリーズの第五世代製品である。発表は2002年の11月である。 第5世代でありながらGeForce5でなくGeForce FXとなっているのは、買収した3dfxの技術が導入されていることによる。ただし、NVIDIAのドライバダウンロードサイトでは、GeForce 5 FXという表記になっている。VLIWのプログラマブルシェーダーを搭載し、DirectX 9に対応。NVIDIA拡張として、DirectX 9.0aとOpenGL 2.1に対応する。 特徴的なデザインとして、ピクセルシェーダーは非常に高いクロックで駆動する1基のみであり、シェーダーの演算結果を出力するROPも全モデルで4本しかない(当時の表現で4ピクセルパイプ)、という点が挙げられる。高速な1機のピクセルシェーダーの演算結果を、4本のROPに順次流し込むというデザインは、シェーダーユニットの動作やバスアクセスタイミングが、全て同時に行われるわけではない点に着目している(CPUでのスーパーパイプライン処理に類似する)。したがって、最上位の5900系から最下位の5200まで、ピクセルパイプとしては全て4本である。最上位のFX 5900/5800系列は、仮想8パイプ相当と公称されているが、この数値が達成されるのは、カラー・Z圧縮が最大限に効いた場合である。 また、DirectX 9.0では、実質的にATIがリファレンスデザインであり、これら、実数バッファ、MRT、テセレータと言った機能は、ATIのGPU自身でも実用には殆ど使われなかったが、実数フォーマットに関しては、FXでもハード的にサポートしているとコメントしつつ、対応ドライバを出す事は無かった。結局、対応したのは、後継製品のGeForce 6が発売された後であり、実数テクスチャのみ対応がなされた。この時期は、NVIDIAの対応が非常に消極的だったため、商品サイクル終了まで、FXは劣勢に立たされたままだった。 商品としては、殆ど良い点が無かったFXであるが、シェーダーリソースの動的な管理、ピクセルシェーダーでのテクスチャの扱いにほぼ制限が無い点、DirectX 10で正式に導入された指数付き整数フォーマット(ERGB)をサポートした、など技術的には見るべき点もあった。 この世代より、GPUの消費電力の増大とともにその冷却手段が課題となっていった。特に、ハイエンドモデル、さらに最初に発売される製品は製造プロセスルールが1世代古いものでハイエンドとして発売されることから、発熱は巨大なものとなっている。その多大な発熱を処理するため、高性能製品には大きな冷却機構を必要とするようになった。なお、5200、5500シリーズが150 nm(0.15 μm)、それ以外の製品では130 nm(0.13 μm)の製造プロセスで生産された。集積トランジスタ数は5200、5500が4,500万、5600、5700が8,000万、5800が1億2,500万、5900、5950が1億3,000万となっている。 Windows XP用のデバイスドライバは、バージョン175.19でサポートが終了した。Windows Vistaに関しては、当初は対応が予定されていたが、RTM版(6000以降)用のバージョン96.85のβドライバが存在するのみ。なお、このVista用βドライバは、パフォーマンスが非常に低く、また細かいバグが残っているが、FXファミリのサポートが終了した為に、更新予定は無い。 また、FXファミリの派生として、PCI Expressバスに対応したGeForce PCXシリーズも2004年2月18日に発表された。これは市場に出た初めてのPCI Express対応ビデオカードであるが、AGPネイティブ対応であるGeForce FXに、PCI Express high-speed interconnect(PCX HSI)と呼ばれるブリッジチップを載せる事でPCI Expressバスに対応したものであり、PCI Expressネイティブ対応はGeForce 6シリーズからになる。 製品名コア名 (プロセス)コアクロックメモリクロック (バス幅)PP数VS数消費電力DirectXGeForce FX 5100NV34 (150 nm) 200 MHz DDR 333 MHz (64bit) 4 2 9.0a GeForce FX 5200 LE250 MHz GeForce FX 5200NV34 / NV34B (150 nm) DDR 400 MHz (128bit/64bit) GeForce FX 5200 UltraNV34 (150 nm) 325 MHz DDR 650 MHz (128bit) GeForce PCX 5300NV37 (150 nm) 250 MHz DDR 400 MHz (128bit) GeForce FX 5500NV34B (150 nm) 270 MHz DDR 333 MHz - 400 MHz (128bit) GeForce FX 5600 XTNV31 (130 nm) 235 MHz DDR 400 MHz (128bit) GeForce FX 5600325 MHz DDR 500 MHz (128bit) 37W GeForce FX 5600 Ultra400 MHz DDR 800 MHz (128bit) GeForce FX 5700 LENV36 (130 nm) 250 MHz DDR 400 MHz (64bit) 3 GeForce FX 5700 VEDDR 400 MHz (128bit) GeForce FX 5700425 MHz DDR 500 MHz (128bit) 25W GeForce FX 5700 Ultra475 MHz GDDR2 900 MHz (128bit) 46W GeForce PCX 5750NV39 (130 nm) 425 MHz DDR 550 MHz (128bit) 50W GeForce FX 5800NV30 (130 nm) 400 MHz GDDR2 800 MHz (128bit) 2 44W GeForce FX 5800 Ultra500 MHz GDDR2 1000 MHz (128bit) GeForce FX 5900 ZTNV35 (130 nm) 325 MHz DDR 700 MHz (256bit) 3 GeForce FX 5900 XT400 MHz 35W GeForce FX 5900DDR 850 MHz (256bit) GeForce FX 5900 Ultra450 MHz 59W GeForce PCX 5900350 MHz DDR 550 MHz (256bit) GeForce FX 5950 UltraNV38 (130 nm) 475 MHz DDR 950 MHz (256bit) 74W GeForce FX Series の製品 GeForce FX 5200 GeForce FXシリーズのローエンド向けモデル。開発コードネームは NV34。新世代GPUであるが、プログラマブルシェーダーを用いない場面での性能の面では前世代のGeForce 4 Ti 4200に劣る。 GeForce FX 5500 FX 5200の後継で、高クロック化されている。開発コードネームは NV34。 GeForce FX 5600 GeForce FXシリーズのメインストリーム向けモデル。開発コードネームは NV31。 GeForce FX 5700 GeForce FX 5600シリーズの後継モデル。実装されている付加機能の関係から、設計そのものは、FX 5900系を下敷きにしているとされる。開発コードネームは NV36。 GeForce FX 5800 GeForce FXシリーズの最初の製品でハイエンド向けモデル。開発コードネームは NV30。 これまでにない冷却機構 FX Flow(エフエックス・フロー)を搭載していたが、動作音の大きさから不評を買った(アメリカなどではダストバスターと呼ばれていた)。FX Flowは、拡張ブラケットスペースを2個占有し、シロッコファンを用いて機外より外気を吸入して機外に排出するというもの。ちなみに、FX 5900の発表会ではNVIDIAのスタッフ自らがFX 5800をドライヤー代わりに使ったり、FX 5800の熱をコーヒーやバーベキューに利用したりといった、自虐的なジョークビデオが流された。なお、FX 5900発表後は、NVIDIAのWebからも存在が抹消された。しかしその後、高性能グラフィックスカードで大型ファンを搭載した製品が大半を占めるようになっている。 GeForce FX 5900 GeForce FX 5800シリーズの後継モデル。開発コードネームは NV35。 FX Flowではなく、5900シリーズではコアクロックとメモリクロックを下げ、従来の冷却機構に戻している。ただし、GPUの設計がリファインされ、メモリバスの幅が2倍になった事もあり、トータルでの性能は変わらない(ベンチマークでは若干性能が改善されている)。しかし冷却に余裕を持たせる為に隣の拡張スロットにはみ出すような形状のものが多かった。 GeForce FX 5950 FX 5900の後継。実質的には、FX 5900の高クロック選別品。開発コードネームは NV38。 GeForce PCX PCI Expressに対応したFXファミリ製品。PCX 5300はNV37、PCX 5750はNV39、PCX 5900はFX 5900と同じNV35チップを使用している。
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