6つのエチュード組曲とは? わかりやすく解説

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ヒラー:6つのエチュード組曲(24の練習曲)

英語表記/番号出版情報
ヒラー:6つのエチュード組曲(24の練習曲24 Etudes [6 SuitesOp.15出版年1834年  初版出版地/出版社Hofmeister  献呈先: Monsieur Meyerbeer

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1巻 第1番 Cha.1, No,1No Data No Image
2 第1巻 第2番 Cha.1, No.2No Data No Image
3 第1巻 第3番 Cha.1, No.3No Data No Image
4 第1巻 第4番 ホ短調 Cha.1, No.4 e-mollNo Data No Image
5 第1巻 第5番 Cha.1, No.5No Data No Image
6 第1巻 第6番 ホ長調 Cha.1, No.6 E-durNo Data No Image
7 第2巻 第7番 変ト長調 Cha.2, No.7 Ges-durNo Data No Image
8 第2巻 第8番 Cha.2, No.8No Data No Image
9 第2巻 第9番 Cha.2, No.9No Data No Image
10 第2巻 第10番 変ホ長調 Cha.2, No.10 Es-durNo Data No Image
11 第3巻 第11番 Cha.3, No.11No Data No Image
12 第3巻 第12番 Cha.3, No.12No Data No Image
13 第3巻 第13番 ハ長調 Cha.3, No.13 C-durNo Data No Image
14 第4巻 第14番 嬰ヘ長調 Cha.4, No.14 Fis-durNo Data No Image
15 第4巻 第15番 Cha.4, No.15No Data No Image
16 第4巻 第16番 変ニ長調 Cha.4, No.16 Des-durNo Data No Image
17 第4巻 第17番 Cha.4, No.17 fis-mollNo Data No Image
18 第5巻 第18番 Cha.5, No.18No Data No Image
19 第5巻 第19番 Cha.5, No.19No Data No Image
20 第5巻 第20番 ニ長調 Cha.5, No.20 D-durNo Data No Image
21 第6巻 第21番 Cha.6, No.21No Data No Image
22 第6巻 第22番 ヘ長調 Cha.6, No.22 F-durNo Data No Image
23 第6巻 第23ト短調 Cha.6, No.24 g-mollNo Data No Image
24 第6巻 第24番 変ロ長調 Cha.6, No.24 B-durNo Data No Image

作品解説

2011年5月 執筆者: 上田 泰史 

パリ滞在中の若きヒラー22歳時に出版した野心作《6つのエチュード組曲》作品15は、産業流行最先端パリヒラー授けた音のつややかさ、色彩感あふれる和声が、持ち前スケール感、古典音楽への造詣幸福に結び合った極めて個性的な大作である。

 この作品献じられたのは、当時ヨーロッパで最も影響力のあったグランド・オペラ作曲家ジャコモ・マイアベーア(1791-1864)である。若いころ、自らも優れたピアニストとして活躍したマイアベーアは、ヒラーを「ジュピター・ロッシーニ」と呼んだが、それはオリンポス山住まうギリシアローマ神話最高神喩えられたパリ楽壇最高の音楽家ロッシーニピアノ界における化身として、ヒラーを讃えた言葉であった

 この練習曲集は、タイトル示されるように6つ組曲からなるこのような構成をとる練習曲は非常に珍しい。24曲は、6つグループ分けられているが、以下に示すように曲数は組曲ごとに異なる。


第1組曲・・・第1番第6番(6曲)
第2組曲・・・第7番~第10番(4曲)
第3組曲・・・第11番~第13番(3曲)
4組曲・・・第14番第17番(4曲)
5組曲・・・第18番~第20番(3曲)
6組曲・・・第21番~第24番(4曲)


 それぞれの組曲調性様式形式の点で緩やかなまとまり成している。たとえば第2、3、4、6組曲は、各組曲冒頭曲と終曲主音が共通であり、組曲始まりと終わりが調的にづけられている(第2組曲変ホ短調変ホ長調第3組曲ハ短調ハ長調、第4組曲:嬰へ長調嬰ヘ短調、第6組曲:変ロ短調変ロ長調)。

 様式という観点からみると、例えば第1、第2、第4組曲は革新的な演奏技巧を、同時代のオペラ・アリアやピアノ音楽見られる音楽語法中にまとめ上げいる。一方第3組曲フーガ(第12曲)、古典的な舞曲であるジーグ(第13曲)といったバロック風の外観装う。第5、6組曲一見保守的なヒラー潜む狂気鮮やかな閃き実験的な響き、そしてそれを統制する冷静な手腕を示す。各組曲はいずれ異な性格をもつので、これらいずれか一つ聴いただけではヒラー想像力拡がり認識することはできないだろう。

 ヒラー練習曲にはさまざまな作曲家スタイル万華鏡のように現れる。この曲集を聴きながら、パリ著名な先輩ピアニスト作曲家カルクブレンナー同世代ショパンアルカンリストローゼンハインシューマン、あるいは33年誕生したばかりのブラームスまでもが想起されるかもしれない。だが、この多様性は単に他の作曲家からの影響という点だけから説明することはできない。なぜなら1834年という出版年代を考えると、不協和音用法はじめとする彼の発想はむしろ彼ら同時代作曲家先んじている部分少なからずあるからだ。20代前半にしてこれほど多様な作曲・演奏技術創意持ち合わせヒラーは、パリピアノ界に大きなインパクト与えたはずである。




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