バロック
「バロック」とは、16世紀末から18世紀にかけてヨーロッパで流行した芸術様式のことである。イタリアのローマやフィレンツェなどで誕生し、ヨーロッパで急速に広まっていった。ときに過度ともいえる装飾的な表現とダイナミックさを特徴とする。
バロックの様式はマニエリスムと入れ替わるようにして流行し、その影響は絵画だけでなく音楽や建築などの芸術領域にも波及した。バロックの後にロココ様式が流行した。
「バロック」の主な特徴
バロック絵画について
バロック絵画は総じて躍動感があり、描かれている人の動きも流動的である。明暗の対比がはっきりとしているのもバロック絵画の特徴とされる。バロック絵画ではギリシア神話の神々やキリスト教の聖人、あるいは王侯貴族の肖像などが主に描かれた。
バロック音楽について
「バロック音楽」は、おおむね17世紀初頭から18世紀半ば頃までに流行した音楽様式である。とりわけ「劇音楽の誕生からJ.S.バッハの死まで」の約150年間を「バロック音楽の時代」として扱うことが多い。バロック音楽も、絵画と同様、表現(速度や強弱など)の装飾性に富んだ劇的な表現が試みられている。
バロック建築について
「バロック建築」は、華麗かつ重厚な雰囲気を持った躍動感のある表現が取り入れられた建築様式である。とりわけ楕円形のモチーフが装飾としてよく用いられていた。バチカン市国を象徴する建物でありカトリック教会の総本山でもあるサン・ピエトロ大聖堂は、バロック建築の代表的な作例として挙げられる。
「バロック」の語源・由来
「バロック」という言葉の語源は、ポルトガル語で「いびつな形の真珠」「ゆがんだ真珠」を意味する「Barocco(バロッコ)」である、という見解が一般的である。ただし異説もある。「バロック」を含むその他の用語の解説
バロック(ゲーム)
コンピュータゲームの分野における「BAROQUE(バロック)」は、スティングが開発したアクションゲームのタイトルである。1998年に発売された。ランダムに生成されるダンジョンを探索するゲームであり、独特のグロテスクな雰囲気が一部から高い評価を得ている。バロックワークス(架空の犯罪組織)
「バロックワークス」とは、尾田栄一郎のマンガ作品「ONE PIECE」に登場する犯罪組織の名称である。略称は「B・W」。「Mr.0」こと海賊クロコダイルが率いる秘密組織であり、社員(構成員)は約2000人に上るとされる。主人公率いる「麦わらの一味」とバロックワークスとの対決、そしてクロコダイルとの決戦は、「アラバスタ編」の大きな見所といえる。
バロックパール(アクセサリー)
「バロックパール」は、きれいな球形ではないデコボコしたいびつな形の真珠の通称である。「バロック真珠」ともいう。真珠は、一般的には、アコヤ貝などの貝の中の張り込んだ異物を核として、貝の分泌物が全方位に付着して形成される。バロックパールは、真珠が成長する過程でさらに異物が付着するなどして、いびつな形に成長した真珠である。
バロックパールのゆがみ方は、涙型、楕円形、一部突起状になっているもの、一部へこんだようになっているものなど、多種多様である。
真珠は、一般的には、より球体に近ければ近いほど価値が高いとされ、装飾品として尊ばれる。他方、バロックパールの画一的でない個性的な形も、真珠の美しさの楽しみ方として注目されている。
ベンジャミン バロック(観葉植物)
「ベンジャミン バロック」は、クワ科フィカス属の観葉植物である。原産は、インドや東南アジア諸国。ベンジャミンの中でも、比較的新しい品種だとされている。くるくると下向きにカールしている葉が特徴的である。葉の表面には光沢があり、色は濃い緑。日当たりの良い明るい場所を好む一方、耐寒性はやや弱いため注意が必要である。バロック
「バロック」の基本的な意味
「バロック」はイタリアのローマ、ヴェネツィア、フィレンツェなどで誕生し、16世紀末から18世紀前半にかけて欧州で急速に広まった美術・文化の様式である。バロック様式の影響は、彫刻、絵画、文学、建築、音楽などあらゆる芸術領域に及んだ。「バロック」の語源・由来
「バロック」の語源にはいくつかの説があるが、最も有力なのがポルトガル語で「いびつな形をした真珠」を意味する「バロコ(barroco)」が語源という説である。「バロック(ゲーム)」とは
「バロック」とは、スティング開発によるアクションゲーム。2032年5月14日に起きた大熱波という災害以降の歪んでしまった世界を舞台にしているのが特徴。ゲームの主人公は、荒廃した世界で上級天使と呼ばれる羽根の生えた男に命じられるままに神経塔を攻略することになる。神経塔には異形と呼ばれる奇妙な敵が多数いて、それを倒しながら進んでいかなければいけない。神経塔には天使や主人公を助けてくれるキャラクターもいるので、それらの協力や情報を得ながら歪んでしまった世界の謎、記憶喪失になった自分の過去を明らかにしていくことになる。「バロック」は、バロックシューティング、バロックシンドローム、バロックタイピングなど様々な派生ゲームが販売されるほどに人気を博している。「バロック」を含むその他の用語の解説
バロックワークス(架空の犯罪組織)とは
「バロックワークス」とは、マンガ「ワンピース」に登場する架空の秘密犯罪組織。王下七武海の一人とされるクロコダイルが興した組織で、その本社はアラバスタの「スパイダーズカフェ」にある。「バロックワークス」の主な仕事は、暗殺、諜報、窃盗、賞金稼ぎなど悪事に関する様々なこと。組織の最終目的はアラバスタ王国を丸ごと乗っ取ることだ。クロコダイルは4年という長い歳月をかけてアラバスタ王国の乗っ取りの詳細な計画を立てて、部下とともに最終作戦「ユートピア作戦」を発動。しかし、アラバスタ王国にルフィーをはじめとする麦わらの一味が登場し、バロックワークスの幹部たちを次々と打ち負かしていった。その結果、クロコダイルの作戦は失敗に終わって組織も崩壊した。
バロックパール(アクセサリー)とは
「バロックパール」とは、対称軸をもたない歪の形をした真珠のことである。「バロックパール」の形は他にはないほどにユニークなので、その多様な形を生かしてネックレスやピアスなど様々なアクセサリーに仕立てられることが多い。
ベンジャミン バロック(観葉植物)とは
「ベンジャミン バロック」とは、東南アジア、インドが原産のクワ科のイチジク属の観葉植物である。その最大の特徴は、葉がくるくるとカールしていて見た目がとても可愛らしい点だ。また、葉の表面は基本的に光沢のある美しい濃い緑だが、生長にあわせて色合いが微妙に変わっていく。そのため、育てながら色のコントラストを楽しめるのが魅力。「ベンジャミン バロック」は育てるのにそれほど難しくはないので、初心者におすすめの観葉植物である。
「バロック」の使い方・例文
・小学校の頃からクラシック音楽に興味を持つようになったのだが、最近の私のお気に入りはバロックの名曲だ。・個人的に、バッハはバロック音楽の巨匠の一人として心の底から尊敬している。
・バロック建築が多いヨーロッパの町並みが大好きなので、今年の夏休みはヨーロッパの様々な国を旅行したいと考えている。
・バロック音楽は情念を数多く取り入れた華麗な様式であるのが魅力だ。
・当時のヨーロッパではバロック音楽が大流行となり、宮廷の貴族や市民たちの生活を彩ったと考えられている。
・バロックの影響は大変大きく、17世紀のヨーロッパでは美術だけではなく建築や彫刻、文学や音楽などにも広がっていった。
・バロック絵画を観るために、ヨーロッパの美術館に足を運んだ。
バロック【(フランス)baroque】
エトキサゾール
バロック
【英】:BAROQUE
広義では16世紀末から18世紀初めまでの美術、文学、音楽等の様式や、時代精神を指す。美術においてはルネサンスの後にくるマニエリスムと、18世紀のロココの間にあたる。狭義ではベルニーニをその代表とする1630年頃のイタリアの建築、彫刻、絵画のことを指す。ルネサンスの成果である新しい科学技術によって、交通手段や情報伝達が発達したこの時代、人々の世界観は大きくゆらぎ始めた。古代ギリシア,ローマを模範とする考えはそのバランスを失っていく。しかし、なおかつ新たな統一を目指そうという傾向が生まれた。装飾過多であったり、形をゆがめたり、特定の瞬間に焦点をあてたり、線よりも面や光を重視したりする手法がとられるようになる。それらはおおむね、迫真性をもった劇的な表現を見せているが、この時代の精神の多岐にわたる現われ方は、けっしてひとまとめにできるものではない。この時代の作家たちとして、ベルニーニのほかに、カラヴァジオ、ルーベンス、レンブラント、フランス・ハルス、エル・グレコ、ベラスケスらがいる。
バロック[baroque]
バロック
バロック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/07 21:57 UTC 版)
バロック(伊: barocco, 仏: baroque 英: Baroque, 独: Barock)とは、16世紀末から17世紀初頭にかけイタリアのローマ、マントヴァ、ヴェネツィア、フィレンツェで誕生し、ヨーロッパの大部分へと急速に広まった美術・文化の様式である。バロック芸術は秩序と運動の矛盾を超越するための大胆な試みとしてルネサンスの芸術運動の後に始まった。カトリック教会の対抗改革(反宗教改革運動)や、ヨーロッパ諸国の絶対王政を背景に、影響は彫刻、絵画、文学、建築、音楽などあらゆる芸術領域に及び、誇張された動き、凝った装飾の多用、強烈な光の対比のような劇的な効果、緊張、時として仰々しいまでの豊饒さや壮大さなどによって特徴づけられる。18世紀後半には新古典主義(文学、音楽は古典主義)へと移行した。
注釈
出典
- ^ Olívio da Costa Carvalho, Dicionário de português-francês, Porto Editora, 1996 ISBN 972-0-05011-X
- ^ Helen Hills Rethinking the Baroque
- ^ Albert Dauzat & al., Dictionnaire étymologique Larousse, 1989 ISBN 2-03-710006-X
- ^ Dictionnaire de L’Académie française, 1re édition. (オンライン版)
- ^ Dictionnaire de L’Académie française, 4e édition. (オンライン版)
- ^ Source : Claude Lebédel, Histoire et splendeurs du baroque en France, édition Ouest-France, Rennes, 2003.
- ^ Dictionnaire de L’Académie française, 7e édition. F. Didot, Paris, 1878 (オンライン版)
- ^ Heinrich Wölfflin, Renaissance und Barock: Eine Untersuchung über Wesen und Entstehung der Barockstils in Italien, 1888
- ^ Helen Gardner, Fred S. Kleiner, and Christin J. Mamiya, Gardner's Art Through the Ages (Belmont, CA: Thomson/Wadsworth, 2005), p. 516.
- ^ The Life of Marie de' Medici Archived 2003年9月14日, at the Wayback Machine.
バロック(1600年 - 1720年頃)
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「ドイツ文学」の記事における「バロック(1600年 - 1720年頃)」の解説
バロック期になるとドイツ語によって文学作品を制作する傾向が強まってくる。この時代は、政治的には三十年戦争と宗教対立で特徴づけられている。バロック文学のジャンルは多様で、宮廷文学から大衆小説まで、古典を範とした擬古典的文学から個人的な体験文学まで、生の肯定から厭世的なヴァニタスのモチーフまでさまざまである。 バロック時代には、文学の促進とドイツ語の統一を目的として多くの詩人協会・国語協会が設立されたが、最も有名なのは結実結社である。マルティン・オーピツは、『ドイツ詩学の書』を著し、ギリシア語詩に由来するアレクサンドラン詩形をドイツ語の詩に当てはめたが、この詩形は長い期間にわたってドイツ詩の最も重要な詩形となった。少し遅れてペトラルカ的恋愛詩や牧歌などもドイツ文学に導入された。このオーピツ門下で有名なのはパウル・フレーミングとジーモン・ダッハである。 その他に、この時代の抒情詩の形式として重要なのはソネット・頌歌・エピグラムなどがある。これら抒情詩は主にプロテスタント的な宗教詩と世俗的な詩とに大別できる。宗教的な抒情詩作者として重要なのは、フリードリヒ・シュペー・フォン・ランゲンフェルトと、神秘主義者ヤーコプ・ベーメである。主に世俗的な詩を制作した詩人、特にソネットの形式で制作した詩人に、アンドレアス・グリューフィウスがおり、またクリスティアン・ホフマン・フォン・ホフマンスヴァルダウも挙げることができる。 バロック期の演劇もまた多岐にわたる。イエズス会劇は南部のカトリックが盛んな地域で主に上演されたが、これはラテン語で演じられたため大衆にはセリフの意味は分からなかった。しかしその分視覚的な面には注意が集中された。これは外国人、主にイギリス人による放浪劇団についても同じことが言えるだろう。この他にバロックオペラや宮廷演劇などがあり、総合芸術として珍重された。宮廷演劇には古代ギリシア演劇に定められているように、悲劇の主人公は貴族、喜劇の主人公は平民、というような身分規則があった。この分野の作者としては、ダニエル・カスパー・フォン・ローエンシュタインがいる。グリューフィウスもまた喜劇や悲劇を制作している。 バロック小説には牧人小説・国家小説・宮廷恋愛小説などのジャンルがあった。またスペインに由来する悪漢小説ではハンス・ヤーコプ・クリストッフェル・フォン・グリンメルスハウゼンによる『阿呆物語』(『ジンプリツィシムス』)が非常に有名である。三十年戦争の時代をめぐるこのジンプリツィシムスの冒険物語はスペイン以外で最も重要な悪漢小説であり、多くの模倣作が追随した。
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「バロック」の例文・使い方・用例・文例
- クラビコードはバロック音楽でしばしば用いられた。
- バロック建築の不自然で、気取っている様子
- 彼女は静かな音楽を好むー例えばバロック音楽を。
- 19 世紀にバロック音楽の短いリバイバルがあった.
- 教会の豊富にバロック式の装飾
- バロックと現代音楽の混合プログラム
- 数字付低音で示される調和を与えることにより、拡張するまたは完成させる(バロック音楽との関係)
- バロックの多音の伝統
- オーケストラとソロの楽器のグループが合奏するバロック音楽
- 完全な和音と急速で精巧な音階のパッセージを伴う、リズミカルで自由な形式の、(通常鍵盤楽器のための)バロック様式の音楽作品
- ドイツ人のバロック様式のオルガン奏者と対位法の作曲家
- イタリアバロック時代のイタリア人の彫刻家で建築家
- 多作であった英国のバロック時代の作曲家(ドイツ生まれ)で、聖譚曲メサイアが最も知られる(1685年−1759年)
- 多産なフランダースのバロック画家
- ドイツのバロック作曲家(1681年−1767年)
- イタリアのバロックの作曲家でバイオリン奏者(1675年−1741年)
- バロック様式の美術様式、構造、および音楽がヨーロッパで栄えた1600年頃から1750年までの歴史的な期間
- バロック音楽という音楽
- バロックという芸術様式
- 17世紀や18世紀には,この街にあるロマネスク様式やゴシック様式の建物の多くが,当時の流行様式であるバロック様式に改築された。
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