麦食縮小以降、脚気が増加する海軍とは? わかりやすく解説

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麦食縮小以降、脚気が増加する海軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 22:20 UTC 版)

日本の脚気史」の記事における「麦食縮小以降、脚気が増加する海軍」の解説

高木思い反して兵員には、「銀しゃり」という俗語のある白米飯に比べて麦飯不評であり、1890年明治23年2月12日、「海軍糧食条例」の公布によって糧食品給制度確立され1945年昭和20年)まで継続)、以後主食パン米飯白米飯ないし麦飯)の混用となった1917年大正6年以降海軍では麦の割合が2割5分まで低下した学問上疑問点解消できなかったものの、日露戦争時海軍は、87名の脚気患者発生しただけであり、後述する陸軍脚気惨害対照的であった当時、「脚気問題に関してつねに引きあいに出されるのは、陸軍脚気患者多数なのに反して海軍はなはだ少数なことである。したがって海軍はつねに称賛嘆美され、陸軍はつねに攻撃非難焦点になっているとされるような状況であった。ただし日露戦争の頃から海軍は、「脚気」をほかの病名にかえて脚気患者数減らしている、という風評があった。実際に海軍統計をみると、脚気入院率が50%〜70%と異常に高いことが指摘されている(通常脚気入院率は数%)。その後高木その後任者たちのような薩摩閥のイギリス医学系軍医ではなく栃木県出身東京帝国大学医学部卒の医学博士本多忠夫が海軍省医務局になった1915年大正4年12月以後海軍脚気発生率急に上昇した脚気患者増加受けて海軍省では、1921年大正10年)に「兵食研究調査委員会」を設置し1930年昭和5年)まで海軍兵食根本的な調査行った兵員人気のない麦飯で麦の比率上げることも、生鮮食品長期鮮度保持難しい中、苦心結果島薗順次郎奨励していた胚芽米着目した1927年昭和2年)から試験研究をして良好な成績を得ることができたため、海軍省1933年昭和8年9月に「給与細則」で胚芽米食を指令した。島薗の胚芽米の提唱には、脚気対す胚芽米研究行っていた香川昇三と香川綾らの研究役に立っていた。しかし、胚芽米作る機械十分に設置できなかったことと、腐敗しやすい胚芽米脚気多発する夏に供給するのが困難であったことから、現場で研究の成果十分に現れず、脚気患者数は、1928年昭和3年)1,153人、日中戦争勃発した1937年昭和12年)から1941年昭和16年)まで1,000人を下回ることがなく、12月太平洋戦争勃発した1941年昭和16年)は3,079人(うち入院605人)であったまた、現場で炊事を行う主計科では、兵員不人気な麦の比率意図的に下げ余った帳簿外」の麦を秘密裏海へ投棄する(「レッコ」(船乗りジャーゴンで「海面let's go」の意という))ことも戦前戦中通して日常的に行われ脚気増加拍車を掛けた。 戦前、「海軍脚気増加した原因一つは、脚気診断進歩して不全型まで統計上るようになった事」(それ以前神経疾患混入していた可能性がある)と指摘されていた。また、その他の原因として、兵食そのもの問題(実は航海食がビタミン欠乏状態)、艦船行動範囲拡大高木脚気原因説(タンパク質の不足説)が医学界否定されていたにもかかわらず高木説の影響残りタンパク質考慮した航海になっていたこと、「海軍脚気根絶した」という信仰崩れたこととの指摘もある。

※この「麦食縮小以降、脚気が増加する海軍」の解説は、「日本の脚気史」の解説の一部です。
「麦食縮小以降、脚気が増加する海軍」を含む「日本の脚気史」の記事については、「日本の脚気史」の概要を参照ください。

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