魚介類斃死原因微細藻とは? わかりやすく解説

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魚介類斃死(へいし)原因微細藻 [Toxic micro-algae for fish and shellfish]

 ある種微細による魚介類斃死水産業、とくに養殖業甚大な被害与える。わが国だけでも1961年から1995年の間に50件以上もおきており、被害総額300億円以上、魚類斃死数は2,600万尾以上にのぼるといわれる。これらの被害微細大量発生する際におこることが多く赤潮現象と密接に関係している。しかし、赤潮発生するときに必ず斃死がおこるものでもなく、大量に発生する微細種類問題になるので、斃死現象赤潮現象直接結びつけることには注意が必要である。これらの斃死逃げ手段がない養殖固定生活をしている水界生物集中する傾向があり、養殖業にとってはより深刻な問題になっている
これに関係する微細多種類にわたり、渦鞭毛藻ではギムノジニウム、ノクチルカ、アムフィジウム、ペリジニウム、アレキサンドリウム、コクロジニウム、セラチウム、ヘテロカプサがあり、ハプト藻ではクリソクロムリナ、プリムネシウム、ラフィド藻ではシャットネラ、ヘテロシグマなどが知られている。また、珪藻でも斃死がおこるとの報告もある。
これらの微細魚介類斃死もたらす要因には(1)微細自身がもつ毒性物質産生(2)微細分解による有毒物質発生(3)微細大量発生による酸素不足(4)微細(えら)に詰まることのよる呼吸障害などが挙げられているが、詳しく解明されているものは少ない。
神経性貝毒原因でもある渦鞭毛藻のギムノジニウム・ブレベ(Gymnodinium breve)はアメリカメキシコ湾沿岸多く被害ひきおこしており、その斃死原因物質ポリエーテル化合物であるブレベトキシン(brevetoxin)と特定されている。
また、夜光虫のノクチルカ・シンチランス(Noctiluca scintillans)については1971年1972年香川県沿岸大発生したとき、その魚毒性アンモニアによることが明らかにされた。この夜光虫大型(直径200um)の殻をもたない渦鞭毛藻で、細胞球形または亜楕円形をしている。原形質淡紅色で、光合成色素をもたず、捕食的な従属栄養営んでいる。ときには自身細胞より大きな稚魚珪藻捕食して変形することもある。この渦鞭毛藻による赤潮桃色がかった赤色(トマトケチャップ色)をしているが、熱帯域では微細共生しているので緑色をしている。
瀬戸内海中心に被害続出してきたラフィド藻のシャットネラ・マリナ(Chattonella marina)やシャットネラ・アンチクア(C.antiqua)では脂肪酸による説、ブレベトキシン説、呼吸関係する酵素の阻害説などがあるが定説はなっていない。シャットネラ属細胞球形ないし紡錘型で比較大型(細胞長: 30-130um)である。細胞壁がないため形が変化しやすく、細胞のほぼ前端に2本の鞭毛がある。わが国での最近大きな被害渦鞭毛藻のヘテロカプサ・サークラリスクアマ(Heterocapsa circularisquama)によるもので、三重県沿岸大量に発生し養殖中のアコヤガイ大量斃死もたらした。この種は小型の殻をもち、細胞長さは20-29μm、幅は14-20μmである。しかし、この種による二枚貝斃死メカニズムについては今のところ不明である。




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