罹患者数の推移とは? わかりやすく解説

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罹患者数の推移

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 05:54 UTC 版)

地方病 (日本住血吸虫症)」の記事における「罹患者数の推移」の解説

1910年明治43年)から翌年にかけ、山梨県医師会主体となって健康診断および臨床検査が行われ、甲府盆地全体における地方病発生状況罹患者実数初め統計的医学的に調査された。この健康診断は主に肝臓脾臓の肥大腹水有無など臨床症状主眼点をおいたもので、調査対象甲府盆地の有病地と想定され45市町村住民総計69,157名である。そのうち明らかに地方病罹患者診断され患者数は7,884名で、平均罹患率は11.4%であった1911年明治44年)の甲府盆地における郡部別日住血吸虫症検診成績表下記に示すが、患者数総合計)と肝臓脾臓肥大腹水患者人員合計数が一致しないのは、肝臓脾臓肥大患者中に日本住血吸虫症とは確実に診断できないものが含まれているためである。 明治44年1911年)の甲府盆地における、郡部別日住血吸虫症検診成績表対象町村1911年当時検診人員患者数罹患率肝臓肥大患者脾臓肥大患者腹水患者東山梨郡1 2,430 32 1.3% 32 10 3 西山梨郡9 15,507 1,436 9.3% 1,425 349 25 東八代郡5町村 11,281 156 3.8% 156 17 0 西八代郡1 1,800 0 0% 0 0 0 中巨摩郡22 30,086 3,786 12.6% 3,332 826 70 北巨摩郡7 8,053 2,474 30.8% 2,138 124 12 合計45 69,157 7,884 11.4% 7,083(89.8%) 1,326(16.8%) 110(1.4%) 初め行われたこの調査により、罹患率の高い地域偏りがあることも分かった罹患率異常に高かったのは、竜地団子へ嫁に行くなら…、と歌われ登美村(とみむら)の55%という驚異的な数値をはじめ、中の割に嫁へ行くなら…、と歌われ旭村35%、および大草村34%、嫁にはいやよ野牛島は…、と歌われ御影村(みかげむら)の40%など、古くから人々の間で歌われていた特定の地域での流行実証するものであったまた、塩山勝沼(現:甲州市)など甲府盆地の最東部では病気一切なく、春日居、石和へと盆地西へ向かうにつれ徐々に病気現れ甲府過ぎた甲府盆地中央部西側から一気罹患率上がり、特に韮崎から下流釜無川両岸地域罹患率が高いことも改め実証された。この甲府盆地内での西高東低ともいえる有病地の偏り流行末期まで続いたその後住民感染調査診断定期的に行われ当初は虫検査により、昭和30年代中盤からは皮内反応検査によって行われた。 以下に流行末期20年間にわたる市町村患者数を示すが、これは山梨県内の各医療機関において地方病診断された各年度ごと患者実数で、新規感染者の数ではない。また、昭和30年代以降流行末期には腹水がたまる等の重症患者はまれになり、同40年代になると罹患者感染したセルカリア匹数も少数になり、便中に卵を見つけることが困難になったため、より精密な皮内検査等によって罹患者確認が行われた。1973年昭和48年)から患者数が一旦増加しているのはそのためである。 流行末期20年間の、甲府盆地における年度別日本住血吸虫症患者数1956年度 - 1975年度の市町村患者数。注、市町村名1975年当時のもの。年度甲府市中道町韮崎市敷島町双葉町竜王町八田村白根町櫛形町若草町甲西町増穂町昭和町田富町玉穂町豊富村三珠町山梨市春日居町石和町一宮町御坂町八代町境川村中富町合計1956年度220 9 70 60 135 213 54 126 - 35 135 - 218 200 81 19 0 2 1 50 0 0 8 0 22 1,658 1957年度121 33 179 61 132 388 60 95 - 29 130 - 173 148 72 0 0 0 0 58 0 0 29 10 37 1,755 1958年度82 7 307 75 111 276 242 43 - 32 26 - 139 121 60 0 2 0 0 18 5 0 13 0 16 1,575 1959年度36 9 132 36 156 190 61 53 - 47 33 - 73 105 29 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 962 1960年度78 0 74 36 74 130 55 54 - 40 31 - 82 106 21 0 3 0 0 2 0 6 0 0 1 793 1961年度46 6 101 30 131 128 59 36 - 41 10 - 50 59 13 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 713 1962年度0 5 44 13 114 102 62 14 - 42 7 - 36 45 4 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 490 1963年度9 0 51 60 83 85 55 8 - 24 5 - 37 28 11 0 4 0 0 3 0 0 0 0 1 462 1964年12 0 99 3 85 17 10 4 - 20 3 - 10 15 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 280 1965年0 0 62 13 21 60 8 2 - 20 0 - 5 8 6 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 206 1966年0 0 70 1 22 108 14 4 - 19 3 - 3 8 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 252 1967年0 0 46 1 12 53 21 7 - 13 0 - 0 5 11 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 169 1968年1 0 71 1 26 76 27 12 - 13 0 - 15 6 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 252 1969年0 0 18 1 15 38 12 16 - 16 0 - 1 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 124 1970年0 5 14 0 10 54 8 5 - 4 0 - 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 100 1971年1 1 10 11 4 8 10 1 - 4 0 - 0 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 57 1972年0 1 13 0 4 1 2 8 - 6 9 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 46 1973年1 1 27 10 14 1 13 7 2 8 2 0 5 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 93 1974年0 2 58 22 0 0 21 24 0 29 2 0 3 3 2 0 0 0 0 2 0 0 0 1 0 169 1975年5 0 23 0 10 13 28 13 0 18 4 0 7 6 1 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 130 現在の市町甲府市 韮崎市 甲斐市 南アルプス市 富士川町 昭和町 中央市 市川三郷町 山梨市 笛吹市 身延町

※この「罹患者数の推移」の解説は、「地方病 (日本住血吸虫症)」の解説の一部です。
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