絨毯爆撃とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 絨毯爆撃の意味・解説 

じゅうたん‐ばくげき【××毯爆撃】

読み方:じゅうたんばくげき

ある地域絨毯敷きつめるように、すきまなく一面爆撃すること。カーペットボミング


絨毯爆撃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/09 09:09 UTC 版)

爆撃を行うB-29 スーパーフォートレス東京大空襲

絨毯爆撃(じゅうたんばくげき、英語: carpet bombing)は、地域一帯に対して無差別に行う爆撃無差別爆撃都市爆撃地域爆撃恐怖爆撃とも呼ばれ、一般には住宅地商業地を破壊して敵国民士気の喪失を目的とした戦略爆撃である。これに対して、工場油田などの施設の破壊を目的にした爆撃は「精密爆撃」と呼ばれ、区別される[1]。絨毯爆撃という表現は、床に敷かれた絨毯のように、爆弾が一面を覆う印象から想起されたものである。

歴史

ロッテルダム爆撃(1940年5月14日)

1921年イタリア軍将軍ジュリオ・ドゥーエは著書『制空』において、これからの戦争兵士民間人の区別がない総力戦であること、空爆により民衆はパニックを起こし、自己保存の本能に突き動かされ戦争を終わらせろと要求するようになるであろうことから、空爆のテロ効果を強調して無差別爆撃論を提唱し、最小限の基盤である民間人に決定的な攻撃を向けられれば戦争は長続きせず、長期的に見れば流血が少なくなるのでこのような未来戦は遥かに人道的であると主張し、さらに人口密集地の住民への攻撃手段として高性能爆弾・焼夷弾毒ガス弾を挙げた[2]

1937年4月26日スペイン内戦下でスペイン北部・バスク州小都市ゲルニカフランコ将軍を支援するナチスコンドル軍団によって空爆された。このゲルニカ爆撃こそが、焼夷弾を本格的に使用した最初の空襲であり、世界初の無差別爆撃でもある。ピカソの『ゲルニカ』は、同名の都市への無差別絨毯爆撃に際し描かれたものとして著名である。1938年から1943年まで日本によって継続的に行われた重慶爆撃も、後期には市街地への絨毯爆撃となった[3]

第二次世界大戦では、1944年北フランスで行われた連合国軍の「コブラ作戦」において、珍しい例として軍事目標への戦術爆撃としての絨毯爆撃が行われている。戦争末期の1945年には、アメリカドレスデン爆撃で無差別爆撃を行い、日本本土空襲では精密爆撃から無差別爆撃まで、焼夷弾、核兵器の使用も含む爆撃を継続的に実施した[4]

国際法において

絨毯爆撃による攻撃方法は、国際法の観点ではハーグ陸戦条約付属書第一章の「軍事目的主義」に違反する。またジュネーブ諸条約第一追加議定書52条2項[注 1][注 2] において攻撃の軍事目標主義が再度確認されており、「目的区域爆撃」や「絨毯爆撃」方式は国際的に禁止される形勢にある。現代ではレーダーサイトなどの軍事施設攻撃にせよ部隊集積地攻撃にせよ、精密爆撃なり誘導弾攻撃が中心であり絨毯爆撃方式は放棄される傾向にある。但しこれらは攻撃方法の研究や武器の開発、無差別爆撃機の保有を禁止するものではない(使用の違法化)。

派生表現

Appleにより開発されているウェブブラウザであるSafariWindows版に「Safari Carpet Bomb(Safari絨毯爆撃)」と呼ばれる脆弱性が存在していた(バージョン3.1.2以降は修正されている[6])。デスクトップにユーザーの意図しないファイルが自動でダウンロードされ続けるというもので、悪用された場合、デスクトップが絨毯爆撃を受けたがごとく破壊的に混乱することが呼称の由来とされる[7]

脚注

注釈

  1. ^ 52条2項「攻撃は、厳格に軍事目標に対するものに限定する。軍事目標は、物については、その性質、位置、用途又は使用が軍事活動に効果的に資する物であってその全面的又は部分的な破壊、奪取又は無効化がその時点における状況において明確な軍事的利益をもたらすものに限る。」
  2. ^ この議定書にアメリカ、インドインドネシアイランイスラエルマレーシアパキスタンフィリピントルコなど24カ国は参加していない[5]

出典

参考文献

関連項目


絨毯爆撃

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:56 UTC 版)

風の聖痕」の記事における「絨毯爆撃」の解説

サトリ戦で使用40発にも及ぶ火球放つ。心を読むサトリ攻撃回避されいために使用したが、熱も爆発効果範囲内でしか機能しなかったので微細な隙間生まれ、そこを掻い潜って逃げられてしまった。

※この「絨毯爆撃」の解説は、「風の聖痕」の解説の一部です。
「絨毯爆撃」を含む「風の聖痕」の記事については、「風の聖痕」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「絨毯爆撃」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

絨毯爆撃

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 01:31 UTC 版)

名詞

絨 毯 (じゅうたんばくげき)

  1. ある地域絨毯じゅうたん敷き詰めるかのように徹底的に爆撃すること。

翻訳

動詞

活用

サ行変格活用
絨毯爆撃-する


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「絨毯爆撃」の関連用語

絨毯爆撃のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



絨毯爆撃のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの絨毯爆撃 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの風の聖痕 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの絨毯爆撃 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS