渡部昇一との論争とは? わかりやすく解説

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渡部昇一との論争

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:48 UTC 版)

秦郁彦」の記事における「渡部昇一との論争」の解説

南京虐殺4万人説を取る秦は、南京虐殺ゼロ説を主張する田中正明座談会でやり合ったことがあり、雑誌正論』の連載の中で、渡部昇一田中正明の『”南京大虐殺”の虚構』に推薦文寄せていることに触れた際に、渡部あまりに田中誉めていることを不快に感じてこの人出世作の『ドイツ参謀本部』で、写真ぐるみワルター・ゲルリッツのHistory of German General Staff大幅借用したぐらいだから、盗用改ざんには理解があるのかもしれないと書いた。秦自身は、大幅借用とは書いたが、盗用剽窃とは一線を画し表現自制したという。渡部は、その8年後に秦の『昭和史の謎を追う』でこの件を知ったとして、反論論文書いた。これに対し、秦は、本が出た直後ゲルリッツ種本だと気づいていた、自分だけでなく、その頃何人かのドイツ近現代史研究者の間で半ば公然とそう語られていたとした。 秦によれば渡部反論は、秦は歴史専門家として失格という主張内容半分占め肝腎ゲルリッツ利用実情全体の一割だったとする。秦は、渡辺著述について借用した思われる箇所をあげて、「大幅無断借用」と断じ渡辺自身はこの著書素人ダンナ芸としているのでアラ探しするのもバカバカしいしながら素人だからといってマナー悪くなりがちだが、著作権をまもる責任プロアマ区別はない、写真制約はさらに厳しく出所の明示だけでなく著作権者許諾が必要と主張した。 (実際に写真場合は、1956年までに発行または制作のものは日本では全て著作権切れている。) 田中正明との論争松井大陣中日記改ざん問題 なお、秦によれば田中正明犯した松井大陣中日記改ざん問題について、渡部1989年刊行した日本史から見た日本人昭和編』で田中正明弁護し、さらに「田中氏のもののほかでは、阿羅健一氏や板倉由明氏らの調査活動共感を持つ」(p.389)と渡部誉めていたので、秦は、田中改竄調べ上げ最初に雑誌発表したのは板倉であり、渡部田中板倉叩き合い知らないのかと失笑したとしたとする実際には、この改竄発見自体は、他ならぬ秦郁彦本人が、南京虐殺有無めぐって田中正明対立していたために、中央公論社の『歴史人物編集部田中正明出した松井大陣中日記調べてみないかと話を持ち込み横山編集長が話に乗って編集部関係者調べたところ、松井石根大将南京攻略戦総司令官)の陣中日誌等の改竄発見発覚したのである。この事件はしばし板倉改竄発見したかのように語られることがあるが、旧陸軍士官らの親交団体である偕行社での南京事件に関する証言収集板倉携わっていたことを理由に、中央公論社からその鑑定確認というべきか)を板倉依頼したもので、板倉改竄発見したわけではない内容見た結果板倉改竄があることを認めざるをえず、本件特集する雑誌歴史人物』に論考寄せることを(歴史家洞富雄表現によれば敢えて買って出たのである。(なお、この論考上で板倉はかつての仲間であった田中正明校訂ミス等では言い訳きかない書換え・加え犯した厳しく批判していた。ところが、田中あらたに本を刊行し、その推薦文東大教授小堀桂一郎寄せたときには小堀自身田中改竄を単に校訂ミスとしているからという論法で、板倉はこれを擁護しており、洞富雄はこのことで板倉田中結局は同穴の士と批判した。) 中村粲との論争 また、秦郁彦は、日清戦争時の旅順虐殺事件乃木旅団長関与巡って対談中村粲論争になり、秦によれば1990年雑誌『自由』の6月号で中村は秦が京大全共闘出身左翼論客アメリカ人学者誘って自分を叩く陰謀企てた実現しなかったと書き対して秦は10月号で両人について心当たりがないから名前を出せ白昼夢をみたのではないか反論12月号で中村は、第三者巻き込みたくないので名前を出すのは遠慮する、こんな具体的で複雑な白昼夢を見ることなどあるかと躱して、この件は終わったという。

※この「渡部昇一との論争」の解説は、「秦郁彦」の解説の一部です。
「渡部昇一との論争」を含む「秦郁彦」の記事については、「秦郁彦」の概要を参照ください。

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