全共闘とは? わかりやすく解説

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ぜん‐きょうとう【全共闘】

読み方:ぜんきょうとう

《「全学共闘会議」の略》昭和4344年19681969)の大学紛争の際、既成学生自治会組織とは別に無党派学生らが各大学結集してつくった運動組織。のち、新左翼党派加入


全学共闘会議

(全共闘 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/02 00:44 UTC 版)

全学共闘会議(ぜんがくきょうとうかいぎ)は、1968年昭和43年)から1969年(昭和44年)にかけて新左翼の学生らによって日本の各大学学生運動バリケードストライキ等、武力闘争として行われた際に、ブント三派全学連などが学部[注 1]セクトを超えた運動として組織した大学内の連合体、またはその総称。


注釈

  1. ^ 大規模大学になると、個々の学部が別々の地域に置かれていることもある。例として日本大学は本部が神田駿河台や御茶ノ水、農獣医学部が藤沢市、理工学部は船橋市。
  2. ^ 2005年、「本郷学生隊長」として安田講堂に立てこもった島泰三の著書、『 安田講堂 1968‐1969』(中央公論新社)が出版された。
  3. ^ 当時、東大哲学科の助手だった加藤尚武丸山眞男が学生たちから「吊るし上げられた」現場を目撃している。その回想は、加藤尚武『進歩の思想・成熟の思想―21世紀を生きるために』(講談社学術文庫 、1997)に詳しい。「吊るし上げられた」丸山眞男のその時の回想は、没後にノートの内容を出版した『自己内対話―3冊のノートから』(みすず書房、1998)に詳しい。なお当時、「吊るし上げた」学生(ポストドクター)の一人だった長谷川宏の『丸山真男をどう読むか』(講談社現代新書、2001)も参照。
  4. ^ 国立大学の学費は、1966年で入学料4,000円・授業料12,000円、1972年で入学料12,000円・授業料36,000円であり、国公立大の学生負担はさほど重くはなかった。(参考:1975年(昭和50年)以降の国立大学と私立大学の授業料等の推移[リンク切れ](アーカイブ)
  5. ^ 自民党は1955年の結党から極一時期を除いて政権を失った事はない
  6. ^ 共産党は、当時委員長の宮本顕治東大紛争に直接乗り出し、指導した。共産党は、当時「70年代の遅くない時期に民主連合政権の樹立を」というスローガンの下に、議会主義に転換していく過程であった。したがって、ゲバルト(暴力)には敏感だった。平和革命を主張し、暴力と果敢に戦った。共産党も、東大紛争時、新左翼との「抗争」の対抗上、非公然に通称「あかつき行動隊」という正当防衛のためのゲバルト学生部隊を組織していたが、1969年1月の安田行動攻防戦の前夜に、宮本の指導のもと、「ゲバ棒」一本も残さず撤収するなど、内ゲバの悪いイメージが自分たちのところに及んでくるのを避けることに成功した。当時の共産党の学生組織、民主青年同盟に所属していた当事者の回想として川上徹・大窪一志『素描・1960年代』、同時代社2007、第5章東大紛争前後、および当時「あかつき行動隊」の隊長格であった、宮崎学『突破者』が当時の共産党から見た東大紛争に詳しい。

出典

  1. ^ a b “人の死”が時代を動かす……学生運動を過激化させた「ある事件」(池上彰×佐藤優) | 現代新書 | 講談社(2/5)
  2. ^ 朝日新聞2009.06.22 『(ニッポン人脈記)反逆の時を生きて:2 勝ったと思った、風雲児』秋田明大インタビュー
  3. ^ a b 神津陽 『極私的全共闘史―中大―1965-68』彩流社、2007年、p23
  4. ^ a b c d e f g 宮崎学『突破者』南風社、1996、p151・p152・p99・p162・p180
  5. ^ 小阪修平 『思想としての全共闘世代』 筑摩書房(ちくま新書)、2006年
  6. ^ 府川充男「この本で小熊英二の「学者生命」は終わった」、『悍』3号
  7. ^ a b c d e f g h i j すが秀実 『革命的な、あまりに革命的な-1968年の革命」史論』 国文社、p315・p229・p263・p224・p262・p292・p230・p7・p8・p161
  8. ^ その内容は、「一つは紛争が起こった場合の学長は、その紛争の解決に努力しなければならないという、まあ、規定があって、それに伴って、学長がかなり大きな権限を持つことができるように規定されている。そしてさらには、その紛争解決のために、平常は置かれていない、特別な副学長であるとか、あるいは特別な運営機関であるとかを、設置することができる、しかも、その特別な運営機関等などには学外者が加わることができるということでさらにいわゆる紛争が起こったと認定されてから6ヶ月間、その紛争解決のために大学の業務を停止する権限が学長に与えられます。そしてさらには、6ヶ月を過ぎてもまだ、紛争が解決できない場合は、あと三ヶ月に限ってそれを延長して、業務を停止することができる。で、合計つまり9ヶ月の間、大学側の判断で業務を停止することができるということになっていて、それでもなお収拾できても収拾された以後、一年のうちに紛争が再発した場合には、再発して6ヶ月を経過した場合では、今度は文部省からの命令で、大学の当該の学部ないし、紛争が起こっていると認定されている学部、ないしはその大学全体の業務を休止することができることになっています。それでしかもその業務が止まっている間は、教職員については休職扱い、そして学生については育英会の奨学金はストップする、そういうふうな規定が盛り込まれていた。で、当然学外者も含む管理機関を作ると、あるいは文部大臣が指導するとか、そういうふうな学外からの力を導入する方向でのそういう法律に対しては、京大だけではなくて、全国の大学、様々な大学から様々な教授会や、評議会や、学長なんかが、反対ないしは、批判のアピールを出しました」(池田浩士『似而非物語』、「証言・京大闘争ー「時計台裁判」弁護側証人として」pp286-287、2005、インパクト出版)
  9. ^ ミシェル・フーコー 「年譜」『ミシェル・フーコー思考集成I』 筑摩書房
  10. ^ 竹内洋 左翼キャスター・コメンテーター 進歩的文化人の後裔は限りなく軽い
  11. ^ a b 友常勉 『「あの時代」の脱神話化」』、図書新聞2009,9,5
  12. ^ 津村喬 「<逃走>する者の<知>-全共闘世代から浅田彰氏へ」『中央公論』99巻9号、1984年9月
  13. ^ 外山恒一「学生運動入門 2.歴史篇
  14. ^ 『ゲンロン4』 「平成批評の諸問題 2001-2016」を読む|外山恒一|note
  15. ^ 『全共闘以後』刊行記念トークライブ@京大熊野寮(絓秀実氏との対談:2018.10.1)その2|外山恒一|note
  16. ^ 学生運動に関する世論調査(昭和43年11月29日〜12月5日実施)
  17. ^ 篠原資明『ドゥルーズ』、講談社、1997、p96
  18. ^ 長崎浩「自由のつけ」p23『情況』8・9月号「なぜ今、全共闘か」特集、2009年
  19. ^ 座談会「ルソーの不在、ルソーの可能性」における王寺賢太の発言p13、『思想』2009年11月、岩波書店
  20. ^ 村上信一郎、「日本社会党とイタリア社会党」、p178、山口二郎、石川真澄編、『日本社会党』、日本経済評論社、2003
  21. ^ 石川真澄 『データ戦後政治史』 岩波書店〈岩波新書〉、1984年10月、p153〜157
  22. ^ 1968年1月、第30回党大会における中央執行委員会統一見解
  23. ^ 『月刊VIEWS』 講談社 、1993年
  24. ^ 千坂恭二 「一九六八年の戦争と可能性」『悍 (HAN)』1号、白順社 、2008年
  25. ^ 「“安田講堂”が分岐点 闘士たちの「世代間闘争」」 さらば革命的世代第3部(6) 『産経新聞』2009年1月24日
  26. ^ 千坂恭二 「もう一つの全共闘(年少世代」)」『情況』8・9月号「なぜ今、全共闘か」特集、2009年
  27. ^ 世界最過激思想家・千坂恭二氏との対談2015.11.21「ファシズムと民主主義」(その2)|外山恒一|note
  28. ^ 小阪修平 『思想としての全共闘世代の全共闘論』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2006年
  29. ^ 一般社団法人中央競馬振興会『日本近代競馬総合年表』中央競馬ピーアール・センター、2018年 p169
  30. ^ 【さらば革命的世代】第3部(5)山本義隆氏沈黙の訳 女性カメラマンがみた東大“落城”40年 産経新聞2009年1月17日(ウェブアーカイブ)題名は「我々は全学友に無期限スト解除を強く訴える」。
  31. ^ 臼井敏男 『叛逆の時を生きて』 朝日新聞出版、2010年、143-146頁。
  32. ^ a b 平井玄『愛と憎しみの新宿 半径一キロの日本近代史』ちくま新書、2010年、15頁。
  33. ^ 臼井敏男 『叛逆の時を生きて』 朝日新聞出版、2010年、199-201頁。
  34. ^ 小熊英二『1968 上』新曜社、2009年、81頁。
  35. ^ 本人ツイート2022年9月4日
  36. ^ 臼井敏男 『叛逆の時を生きて』 朝日新聞出版、2010年、123-129頁。
  37. ^ 産経新聞取材班 『総括せよ! さらば革命的世代』 産経新聞出版、2009年、27頁。
  38. ^ 小熊英二『1968 上』新曜社、2009年、74頁。
  39. ^ 小熊英二『1968 上』新曜社、2009年、262頁。





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