河井夫妻が逮捕後から議員辞職までに受け取った歳費などの公金
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「河井夫妻選挙違反事件」の記事における「河井夫妻が逮捕後から議員辞職までに受け取った歳費などの公金」の解説
河井議員夫妻は2020年6月18日に逮捕されてから議員辞職するまで1度も国会に登院することなく、夫妻合計で4,500万円以上の歳費や期末手当などの公金が支払われた。 2021年4月8日、克行は第54回公判にて、逮捕された後に受け取った議員歳費にあたる金額を非営利団体に寄付する考えを表明した。 2021年4月22日、2019年の参院選広島選挙区の大規模買収事件で有罪が確定し当選無効となった河井案里元参院議員が得た歳費など計4942万円は不当利得だとして、案里に返還を請求するよう国に求める訴訟を近く東京地方裁判所に起こすことを広島県内の住民6人が記者会見を開き明らかにした。また、同日、立憲民主党政調会長の泉健太が記者会見で、国会議員が選挙買収で逮捕や起訴されても歳費などが支払われている現状について「国民は納得できない」と述べ、歳費支給停止や返還を可能にする歳費法改正を検討する意向を明らかにした。 2021年4月27日、有罪が確定して当選無効となった河井案里元被告が当選から辞職するまでに受け取った給与に当たる「歳費」、ボーナスに当たる「期末手当」、それに月100万円の「文書通信交通滞在費」の合わせて総額4942万6514円について、広島県の住民6人が、河井案里元被告に返還させるよう国に求める訴訟の訴状を東京地方裁判所に郵送したことを、原告の住民が広島県庁で記者会見し明らかにした。 2021年5月7日、公明党の石井啓一幹事長が記者会見で、2019年の参院選広島選挙区での河井夫妻による大規模買収事件で当選無効となった河井案里元参院議員(自民党を離党、公職選挙法違反の有罪判決確定前に議員辞職)のケースを踏まえ、「政治とカネ」を巡る事件で国会議員の有罪が確定した場合、給料に当たる議員歳費の返納を可能にするための国会議員歳費法などの改正を目指す考えを示した。公明党は今国会での法改正も視野に、自民党や野党に働きかける。 2021年5月12日、公明党幹事長の石井啓一、自民党幹事長の二階俊博、国会対策委員長は国会内で会談し、歳費法改正案の今国会への提出と成立を視野に検討することを確認した。同日、自民党広島県連会長の岸田文雄(自民党前政調会長)が自民党本部で二階俊博幹事長と会談し、「政治とカネ」をめぐる自民党本部の対応を批判する申入書を提出。自民党本部から河井案里前参院議員の陣営に提供された1億5千万円の具体的な使途に関する国民への説明を要請した。岸田文雄はこのほか、不祥事を起こした河井夫妻元議員が離党後に説明責任を果たしていないことから、その後も責任を果たすように促すことや、国会議員の有罪が確定し、当選無効となった場合に議員歳費を返還できるようにする歳費法改正も申し入れ、返還できるような仕組みに見直すべきだと要請した。 2021年5月17日、東京や大阪などの弁護士有志が、河井案里に支払われた歳費など約4900万円を国に返還させるよう会計検査院に審査要求書を提出した。 2021年5月20日、公明党は国会内で政治改革本部役員会(本部長・井上義久公明党副代表)を開き、有罪判決を受けて当選無効となった国会議員の歳費返還を可能にする仕組みの検討を本格化させた。7月の東京都議選で「政治とカネ」問題との決別をアピールするため、今国会中に法案を提出する構え。役員会終了後、佐藤茂樹事務局長は記者団に「逮捕・勾留中や当選無効後の歳費について、今国会で法改正を目指す」と改めて意欲を示した。 2021年5月25日、立憲民主党のワーキングチーム(事務局長 森本真治参議院議員)の会議で、買収事件で当選が無効になった河井案里を例に、当選無効になるなどした国会議員の歳費を返納できるようにする新しい法律案の内容を固めた。収賄や選挙買収の罪で起訴された国会議員は所属する院の政治倫理審査会に出席し説明を求められる。拒否した場合、議長の宣告により、起訴されてからの歳費と期末手当を国庫に返納しなければならない。宣告後の歳費と期末手当は支給されない。また、有罪が確定し、当選無効になった議員は、任期が始まってからの歳費・期末手当の全額返納が義務付けらる。公民権停止の場合は、起訴されてからの全額が返納義務となる。国庫への返納は、いずれも公職選挙法の寄付禁止規定の適用外とする、という内容である。立憲民主党は今の国会に提出し成立を目指す。 2021年6月3日、当選無効となった河井案里元議員が歳費やボーナスなどあわせて受け取った4942万円は不当利得だとして、広島県内の有権者が国に対して歳費の返還を請求するよう求めた訴訟で、東京地方裁判所(清水知恵子裁判長)は「住民らの具体的な権利について判断を求める訴えではないため、裁判所が審判できる対象の争いではない。納税者や国民の立場で国を相手に違法な公金の支出を是正するよう求める訴えは起こせない」として、裁判(口頭弁論)を開くことなく、訴えを却下する判決を言い渡した。原告らは「控訴を検討する」とコメントした。 2021年6月14日、河井案里元議員が受け取った歳費返還請求の却下に対して原告である広島県内の有権者(市民グループ)が東京高等裁判所に控訴したことが報じられた。 2022年3月23日付けで、最高裁判所第2小法廷 草野耕一裁判長は、河井案里元参議院議員が受け取った歳費をめぐり県の住民らが返還させるよう国に求めた住民側の上告を退ける決定をし、住民側の敗訴が確定して歳費の返還は認められなかった。広島県の住民6人は河井案里元議員が受け取った歳費約4900万円(案里元議員が当選から辞職するまでに受け取った給与に当たる「歳費」と、ボーナスに当たる「期末手当」、それに月100万円の「文書交通滞在費」の合計)を返還させるよう国に求める裁判を起こしていた。1審と2審は「公金支出の是正などを求める訴えの規定がなく裁判の対象にならない」として訴えを退けた。
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