尋常性白斑
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尋常性白斑(じんじょうせいはくはん、英: vitiligo vulgaris)は、皮膚の色素メラニンを生成する部位(メラニン細胞)の損失を不規則に引き起こす、慢性的な皮膚疾患である。先天性の遺伝子疾患であるアルビノと異なり、後天性疾患である。別名はしろなまず(白癜)。
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- 1 尋常性白斑とは
- 2 尋常性白斑の概要
- 3 出典
尋常性白斑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/07 15:57 UTC 版)
尋常性白斑は、皮膚の一部で色素の喪失が引き起こされる疾患である。ケリンの局所的な塗布とUVA照射によって、毛包のメラノサイト(メラニン産生細胞)を刺激して尋常性白斑の治療を行うことができる。こうした手法の1つが、尋常性白斑の影響を受けていない領域で水疱を形成し、尋常性白斑の領域へ移植する、blister roof transplantationである。ケリンを局所的に塗布し紫外線を照射ことで、治療部位に色素が回復する。ケリンの全身投与は肝酵素値の上昇や広範囲の光線過敏症を引き起こすが、外用ではこうした副作用は軽減される。尋常性白斑の治療には一般的にはソラレンが用いられるが、ソラレンは光毒性やDNA変異原性が高い。ケリンと紫外線の併用は有効であるが、光老化の促進や皮膚がんのリスクの増加が懸念されている。
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尋常性白斑
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「マイケル・ジャクソンの外観」の記事における「尋常性白斑」の解説
「スリラー」の発売頃から肌が白くなり初め、「デンジャラス」の頃完全に白くなった。これについては長年真相が語られることはなかったが、ついに1993年のオプラ・ウィンフリー・トークショーで、話題にしたくないと悲痛な表情を見せながらもマイケル本人が病気によるものであると告白した。また死後の検死報告では尋常性白斑という名の病気であったということが証明されている。 2003年には狼瘡(ろうそう)患者支援団体および研究機関へのチャリティーイベントに出席したこともある。死亡した時のマイケルは爪に色素が残っているのみであった。 彼の亡くなる直前の皮膚の色は、明らかに白人とは異なる「純白」「蒼白」と呼ばれる類のものであり、明らかに異質な白さである。 マイケルが患っているとされる病気は、尋常性白斑(vitiligo,vulgaris,しろなまず(白癜)、白皮)という父方の病気で、皮膚の色素の一部分がぬけて、それが徐々に広がっていく(全身に広がってしまう事もある)自己免疫疾患である。彼の父親はアフリカン・アメリカンではあるが、目が青いなど多少白人の血が混じっている。マイケルは天気の良い日には肌を守るため黒い傘をさしており、マスクを付けたりサングラスをかけることもしばしばである(ただしサングラスは症状が酷くなる前から愛用しており、シャイなマイケルが顔を隠すためという理由も大きい)。 ボビー・テイラーは、マイケルが子供の頃シャワーを浴びる姿を見たとき、体中に白い斑点があったと語っている[要出典]。当時はまだ体の一部だけだったようである。初めのうちは黒いファンデーションで隠せる程度であったが、やがて隠せなくなりやむを得ず白いファンデーションを使うようになったという。「Dangerous」を歌っている最中にズボンに白いファンデーションが付いてしまった映像もある。疑う声もあるが、マイケル・ジャクソンの1993年の性的虐待疑惑では性器の白斑が問題となっている。なお、この疑惑では結果的に少年の証言と実際にマイケルの性器にある白斑は一致しなかった。また、英デイリーメール紙がマイケルの足に尋常性白斑の患者にできる斑点・シミのようなものがある写真を掲載したことは、マイケルが皮膚病を患っている可能性を示すものとなった。 マイケル自身が「色素を破壊する肌の病気なんだ。父によると父方の遺伝らしい。僕だって悩んでいるけど自分ではコントロールできない。むしろ抑えようとしている。肌の色を均一にするメークも大変なんだ。」と訴えたこともある。 また「僕はアフリカン・アメリカンである事に誇りを持っている。」とも発言している。進行し続ける白斑の問題は彼を悩ませ続けた。 マイケル・ジャクソン裁判の際も「彼は少なくとも1984年には尋常性白斑および全身性エリテマトーデスを患っていると診断されていた」と主張した。 尋常性白斑は一般的に顔面と手などに著しくその症状が出る。唇にもその症状が発生し、顔面と手の治療は困難だと言われている。マイケルがメークをしていた理由は紫外線によって発生する斑や皮膚がんから肌を守るためであった。マイケルの写真集などでも指先に白斑があることが分かる物がある。マイケルが右手に手袋等をしていたのは白斑を隠す為であったとも言われている。マイケル・ジャクソン裁判でマイケルの弁護をしたトーマス・メゼロウは「彼はシャツを脱いで私に背中を見せてくれた。彼の背中には茶色い斑点のような物があった。」と語っている。 この病気の全世界での罹患率はおよそ0.5%であり、男性より女性での発症率が高いことが疫学的に知られている。日本ではほとんど知られていないが、罹患率は人種・民族を問わず1~2%である。原因としては免疫障害、自律神経障害、ストレスなどの説がある。本来免疫というのは体の外部から侵入してくる非自己(ウイルスなど)と自己を区別して、非自己を排除する働きをするのが一般的なのだが、自己であるはずのメラニン細胞を攻撃、破壊または機能が低下してメラニンを作れなくしてしまい、その結果、皮膚が色抜けして白くなるというもの。メラニンを作れなくなった細胞は紫外線に対し無防備になり、皮膚癌などを防ぐため日焼け止めを塗布する等の処置をしなければならない。治療法は、レーザー治療(白斑付近のメラノサイトを刺激し白皮膚に色を甦らせる)、ドライアイス凍結療法、紫外線療法、外用薬などがある。また、体の50パーセント以上に白斑がみられる患者の場合、モノベンゾンなどの塗り薬を正常な皮膚に塗布し残りの正常な皮膚から色素をぬく方法(体の色を均一化)が取られる事もある。
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