じっこう‐せんりょう〔ジツカウセンリヤウ〕【実効線量】
実効線量
英語表記:effective dose
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HE =ΣWT×HT
ここで、WTは組織・臓器Tの組織荷重係数、HTは組織・臓器Tの等価線量
この実効線量は、放射線防護の目的にのみ使用されるもので、臓器または組織が放射線照射を受けたとき、これらに及ぼす影響の全身的な共通尺度を実効的な線量(生物的な効果を考慮した値:単位はSv)に換算して健康障害を評価する尺度の1つ。
また実効線量は
=体外被ばくの実効線量+体内被ばくの実効線量
で評価され、実用的には何れも実測することは困難である。
従って、体内被ばくの実効線量は、放射性物質の体内動態モデル、人体ファントムを用いて、放射能の摂取量が判ればそれぞれの線量換算係数(Sv/Bq)を掛けて計算で求める。
一方、体外被ばくの実効線量は、個人モニター(フイルムバッジ等)の測定値から1センチメートル線量当量を用いこれを利用している。
実効線量
実効線量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 14:40 UTC 版)
実効線量(じっこうせんりょう、英: effective dose)とは、放射線被曝による個人の確率的影響(がん、遺伝的影響)のリスクの程度を表す線量概念である[注釈 1]。各臓器の受けた放射線の等価線量にその臓器の組織加重係数[注釈 2]を掛けた値の総和量として定義される[3]。単位はシーベルト(記号:Sv)が用いられる。
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- ^ 1990年勧告にてそれまで使用されていた「実効線量当量(effective dose equivalent)」に代わって用いられるようになった[1]。
- ^ weighting factorの日本語訳は、1990年勧告では"荷重係数"とされたが、weightは"加重"であり、"荷重"はloadであることから、2007年勧告にて"加重係数"に変更された[2]。この記事では"加重係数"に統一する。
- ^ 外部被曝と内部被曝の線量を足し算したり、全身被曝と部分被曝の線量を足し算することができるのが実効線量の特徴である[4]。
- ^ 例えば赤色骨髄と肝臓で同じ等価線量であっても、それぞれの臓器の放射線誘発ガンの生じる可能性は異なる。すなわち、同量の等価線量であっても、被曝を受けた部位によって、その人が抱える放射線による確率的影響(主にガン)の発生リスク(発生する確率)は異なってしまう。
- ^ 放射線防護上は確定的影響の発生は0に抑えることが目標の一つであり、また日常的な被曝で確定的影響が問題となることは基本的に無い[6]。
- ^ すなわち、実効線量によって被曝状況が示されているのであれば、気にするべき放射線障害は原則ほぼ確率的影響(ガン及び遺伝的影響)だけである。
- ^ ICRP 1991.
- ^ ICRP 2007.
- ^ 草間 1995.
- ^ 草間 1995, p. 45.
- ^ 草間 2007, p. 24.
- ^ 草間 2005, p. 21.
- ^ SOURCES AND EFFECTS OF IONIZING RADIATION, Annex A, UNSCEAR Report 200840頁表A1 閲覧2011-7-20
- ^ ICRP 2007年基本勧告に基づく外部被ばく線量換算係数の計算 RISTニュース No.47、財団法人高度情報科学技術研究機構、2009年
- ^ a b 外部被ばく及び内部被ばくの評価法に係る技術的指針 I.外部被ばく 3.不均等被ばくの評価方法について(2002年3月7日時点のアーカイブ) 科学技術庁放射線審議会、1999年
- ^ ICRP 2007, B.4.
- ^ 個人線量計 原子力百科事典ATOMICA
- ^ 「サーベイメータ(α線、β線、γ線、中性子等)」の用語解説 原子力百科事典ATOMICA
- ^ 1センチメートル線量当量 原子力百科事典ATOMICA
- ^ “放射性同位元素等の規制に関する法律施行規則(昭和三十五年総理府令第五十六号)第二十条第2項第一号”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2019年7月1日). 2019年12月27日閲覧。 “2019年9月1日施行分”
- ^ 粟井一夫, 川越康充, 菊地透, 諸澄邦彦, 山口一郎, 渡辺浩, 富樫厚彦「関係法令等検討小委員会報告 (学術交流委員会報告)」『日本放射線技術学会雑誌』第57巻第4号、日本放射線技術学会、2001年、 393-410頁、 doi:10.6009/jjrt.KJ00001357556、 ISSN 0369-4305、 NAID 110003439442。
- ^ 国際放射線防護委員会の勧告(ICRP Pub.60)の取り入れ等による放射線障害防止法関係法令の改正について 別紙3 科学技術庁原子力安全局放射線安全課長通知、2000年10月23日
- ^ 「預託線量」原子力百科事典(アトミカ)
- ^ 放射線を放出する同位元素の数量等を定める件(平成十二年科学技術庁告示第五号) 別表第2
- ^ 用語・略語集日本放射線腫瘍学会
- ^ 頭部血管肉腫診療ガイドライン (PDF)
- ^ ケロイド再発予防における術後照射の生物学的効果線量:線量効果関係日本放射線腫瘍学会
実効線量と同じ種類の言葉
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