土木一式工事(建設業許可の一種)
土木一式工事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/10 07:41 UTC 版)
土木一式工事(どぼくいっしきこうじ)とは、建設業法における29工種のうちのひとつで、土木一式工事の構成部分をなす各専門工事(一式工事以外の工事)を総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事。建設工事としての通称は、土木工事。補修、改造又は解体する工事を含む。 総合的な企画、指導、調整とは、土木工事業の許可を有する建設業者が土木一式工事の構成部分をなす各専門工事を総合的に管理するものであって、土木一式工事の構成部分である各専門工事の施工についての技術上の管理とは別個のものである。(工事の施工についての技術上の管理は、元請負人が設置する専門技術者または、下請負人の主任技術者または専門技術者が実施する。) 下請負人が総合的な企画、指導、調整のもとに行う工事を請け負う場合は、合法的なものを除き一括下請負(丸投げ)の禁止に当たる。 施工の対象が土木工作物の工事であっても、土木工事業の建設業の許可は万能ではないため、総合的な管理を要しない各専門工事を土木工事業の建設業の許可のみによって請け負うことはできない。従って、請負金額が500万以上の専門工事を請負う場合は、各専門工事(とび・土工工事業や舗装工事業など)の施工に必要な建設業の許可の取得が必要である。 とくに一般土木は「とび・土工工事(及びコンクリート工事)」に該当する工事が多く、通常の盛土工事、掘削工事、ガードレールや標識等道路付属物の設置工事は「とび・土工工事業」にあたる。 2つ以上の専門工事を有機的に組み合わせて、社会通念上独立した使用目的がある「土木工作物」を作る場合を一式工事としているが、2つ以上の専門工事が組み合わさっていなくとも、工事の規模や複雑性等の観点から「総合的な企画・指導・調整」を必要とし、各個別の専門工事として施工することが困難であると認められる場合も一式工事に該当している。 元請業者の立場で、施工計画の総合的な企画、工事全体の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理、下請負人間の施工の調整、下請負人に対する技術指導、監督等といった元請業者の立場で総合的にマネジメントするゼネコンのような事業者による許可業種で、民間工事における一括下請負、発注者から書面による適正な承諾を得た場合や、個別の専門工事として施工することが困難な建設工事など一部の例外を除き、原則として下請工事を請け負う場合に関しては一式工事には該当しない。 一般土木は大規模かつ複雑で、専門工事では施工管理困難な建設工事であって小規模な建設工事は含まれない。なお、面積や請負金額など明確な基準はないために、大規模か小規模かの判断は許可行政庁に委ねられている。さらに、複数の専門工事を組み合わせて施工する建設工事であることとして、主体となる工事を施工するために必要となった附帯工事を行ったとしても、複数の専門工事を組み合わせて施工したとはみなされない。
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