はつ‐こえ〔‐こゑ〕【初声】
ハングル
(初声 から転送)
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ハングル(韓: 한글)およびチョソングル(朝: 조선글)は、朝鮮語を表記するための表音文字(素性文字)である。
注釈
出典
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初声
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音節頭の位置にある子音を初声と呼ぶ。19種類の子音全てが初声の位置に来ることができる。 両唇音歯茎音硬口蓋音軟口蓋音声門音閉鎖音摩擦音阻害音平音/b/ ㅂ[p/b] /d/ ㄷ[t/d] /s/ ㅅ[s~ɕ/z~ʑ] /j/ ㅈ[ʨ/ʥ] /g/ ㄱ[k/ɡ] 激音/p/ ㅍ[pʰ/bʱ] /t/ ㅌ[tʰ/dʱ] /c/ ㅊ[ʨʰ/ʥʱ] /k/ ㅋ[kʰ/gʱ] /h/ ㅎ[h/ɦ] 濃音/β/ ㅃ[pʼ] /δ/ ㄸ[tʼ] /σ/ ㅆ[sʼ~ɕʼ] /ζ/ ㅉ[ʨʼ] /γ/ ㄲ[kʼ] 鼻音/m/ ㅁ[m] /n/ ㄴ[n] /ŋ/ ㅇ[ŋ] 流音 /r/ ㄹ[ɾ~l] 朝鮮語の阻害音は無声音/有声音の対立が音韻論的意味を持たない。すなわち朝鮮語話者は無声音/有声音の区別がなく、ともに同一の音と認識する(それゆえに、例えば、日本語の「きんかくじ」と「ぎんかくじ」は朝鮮語話者にとっては同一の単語に聞こえ、その区別が極めて困難である[要出典])。その一方で、朝鮮語には平音/激音/濃音という対立がある。これらの音は呼気の強さや喉の緊張の度合いによって相互に異なる音と認識される。 平音は気音を伴わず、また喉の緊張も伴わない音である。/s/ を除く平音 /b,d,j,g/ は有声音間(すなわち母音―母音間、鼻音―母音間、流音―母音間のいずれか)で有声無気音、それ以外の環境(具体的には語頭)で無声無気音(話者によっては弱い気音を伴いうる)として現れる。 /binu/ 비누 [pinu] (石鹸) ― /nabi/ 나비 [nabi] (蝶) /s/ は有声音間にあっても常に無声音として現れる。また、/s/ は母音 /i/(/y/ を含む)の直前では [ɕ] (日本語のシャ行子音と同じ)で現れる。なお、/s/ は一般的に平音に分類されるが、これを激音(下述)に分類する研究者もある。 /gasu/ 가수 [kasu] (歌手) /gasi/ 가시 [kaɕi] (とげ) 激音 /p,t,c,k/ は強い気音を伴った音であり、いかなる位置においても無声有気音として現れる。中国語における有気音と同じ性質の音である。 /dotori/ 도토리 [totʰoɾi] (どんぐり) 激音 /h/ は有声音間にある場合には有声音化し [ɦ] と現れ、場合によっては無音のように聞こえることもある。有声音化するという特性から、これを平音に分類する研究者もある。 /jiha/ 지하 [ʨiɦa] (地下) 濃音は喉頭の緊張を伴った無声無気音である。国際音声記号ではこの音を表示する記号がなく、声門閉鎖音を表す [ʔ] を子音記号の左肩に附したり、放出音を表す [ʼ] を用いたりといった形で記号を代用する場合が多い。また、音声学の論文等では [p#] や [p*] などの表記も散見される。 /γori/ 꼬리 [kʼoɾi] (しっぽ) 濃音 /σ/ は平音 /s/ の場合と同様に、母音 /i/(/y/ を含む)の直前で [ɕʼ] で現れる。 /gimσi/ 김씨 [kimɕʼi] (金氏) 鼻音は /m,n,ŋ/ 3種類があるが、/ŋ/ は語頭に立たない。 流音 /r/ は音節頭の位置では通常はじき音 [ɾ] で現れるが、音節末音 /r/ の直後に現れる音節頭の /r/ は [l] として現れる。 /murri/ 물리 [mulli] (物理) 平壌方言では /j,c,ζ/ が歯茎硬口蓋音 [ʨ/ʥ], [ʨʰ],[ʨʼ] ではなく歯茎破擦音 [ʦ/ʣ], [ʦʰ],[ʦʼ] で現れることがある。また、このような発音はソウル方言でも見られるが、朝鮮語話者の大部分はこの2つの音声を弁別的にとらえないため、個人差が非常に大きい。
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初声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/02 09:47 UTC 版)
朝鮮語の初声(音節頭子音)の種類は以下の19種類である。このうち、漢字音の初声として用いられるのは15種類である。表中において《 》で示された音は漢字音に現れない音である。なお、以降においてローマ字は福井玲式の翻字(詳細は朝鮮語のローマ字表記法を参照)である。 両唇音歯茎音硬口蓋音軟口蓋音声門音閉鎖音摩擦音阻害音平音b ㅂ d ㄷ s ㅅ j ㅈ g ㄱ ’ㅇ 激音p ㅍ t ㅌ c ㅊ k ㅋ h ㅎ 濃音《bb ㅃ》 《dd ㄸ》 ss ㅆ 《jj ㅉ》 gg ㄲ 鼻音m ㅁ n ㄴ 流音 r ㄹ 朝鮮漢字音の初声において、阻害音はそのほとんどが平音か激音である。初声に濃音を持つ漢字音は以下の3字の字音と極めて限られている。しかしながら、これらも中期朝鮮語では平音で現れ、現代語に至る過程で濃音化したものである。従って、朝鮮漢字音にはもともと初声に濃音を持つ漢字音がなかった。 ss(ㅆ):双 ssaq(쌍),氏 ssi(씨) gg(ㄲ):喫 ggig(끽) 「d,t(ㄷ,ㅌ)」は母音「i(ㅣ;ie ㅕ などの半母音を含む)」と結合しない。また、「s,j,c(ㅅ,ㅈ,ㅊ)」は半母音「i-(ㅕ,ㅠ など)」と結合しない。ただし、中期朝鮮語においてはそれらの結合がありえた。前者の場合、例えば「田」の字音は「dien(뎐)」であったが、近世朝鮮語期に口蓋音化が起こり「jien(젼)」となり、さらに現代朝鮮語に至る過程で「jen(전)」となったものである。
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