伝統的キリスト教会の見解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 06:00 UTC 版)
「霊魂消滅説」の記事における「伝統的キリスト教会の見解」の解説
詳細は「地獄 (キリスト教)」を参照 伝統的キリスト教会が根拠とする聖書中の記述 ゲヘナは罪人の永遠の滅びの場所であり、地獄 (キリスト教)をさす場所として用いられる。永遠の滅びの場所の根拠とされる聖書箇所は以下の通りである。すべてゲヘナ、および永遠の滅びの場所を意味する「火の池」について記されている。 マタイ 5:22 「また、『ばか者。』と言うような者は燃えるゲヘナに投げ込まれます。」(新改訳聖書) マルコ 9:48 「地獄では蛆が尽きることも、火が消えることもない。」(新共同訳聖書) パウロは、イエス・キリストが再臨したとき、神を信じない者、イエスの教えに従わない者が、かぎりなき永遠の刑罰を受けると記している。 第二テサロニケ1:7-1:9 「それは、主イエスが炎の中で力ある天使たちを率いて天から現れる時に実現する。その時、主は神を認めない者たちや、わたしたちの主イエスの福音に聞き従わない者たちに報復し、そして、彼らは主のみ顔とその力の栄光から退けられて、永遠の滅びに至る刑罰を受けるであろう。」(口語訳聖書) 黙示録には以下の記述がある。 黙示録 20:10 「そして、彼らを惑わした悪魔は火と硫黄との池に投げ込まれた。そこは獣も、にせ預言者もいる所で、彼らは永遠に昼も夜も苦しみを受ける。」(新改訳聖書) 黙示録 20:15 「いのちの書に名のしるされていない者はみな、この火の池に投げ込まれた。」(新改訳聖書) 黙示録 21:8 「しかし、おくびょうな者、信じない者、忌むべき者、人殺し、姦淫を行う者、まじないをする者、偶像を拝む者、すべて偽りを言う者には、火と硫黄の燃えている池が、彼らの受くべき報いである。これが第二の死である』。」(新改訳聖書) 伝統的キリスト教会の見解 エル・ベルコフ著『改革派神学通論』 p374では、絶滅説(霊魂消滅説)について、"死" "壊滅" "死滅"などの名称が絶滅を指示すると推定することは恣意である、とし、反証聖句として伝道12:7、マタイ25:46、ローマ2:8-10、黙示14:11、20:10を挙げている。 ハロルド・リンゼル、チャールズ・ウッドブリッジ共著『聖書教理ハンドブック』51ページでは、地獄を否定することは非常に危険である、として以下の4点が明記されている。 聖書の明白な教えを否定し、聖書の真実性と権威に異議を唱える 主イエスの教えを偽りであるとして拒否する 天国、キリスト教信仰の主要な教理に関しての聖書の教えを損なう キリスト教会は2千年間偽りを宣べ伝えてきたことになる また同書p384では、絶滅説(霊魂消滅説)は地獄に関する誤った見解であり、地獄に関する真理を否定することは、聖書のその他の教えに対しても疑問をいだくことであると述べている。 マイヤー・パールマン著『聖書教理の研究』 p629では霊魂必滅論(霊魂消滅説)について「まちがった考え方」としている。霊的な死は神から離れることである、と解説している。 日本ルーテル教団伝道委員会の要請により執筆された轟勇一著『100の質問』222ページでは、死後の魂の状態について具体的に教団名を挙げて「決して再臨主義者たち(「エホバの証人」や「セブンスデー・アドベンチスト教会」など)の言うように、無意識の昏睡状態におちたりということはない」と記されている。
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