井尻〜都府楼前間連続立体交差事業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 17:26 UTC 版)
「西鉄天神大牟田線」の記事における「井尻〜都府楼前間連続立体交差事業」の解説
2021年現在、井尻駅から都府楼前駅間において、連続立体交差事業(鉄道高架化)が進行中である。 具体的な事業区間は、井尻駅と雑餉隈駅間の鹿児島本線の頭上をオーバークロスする辺りから、大牟田方面に向かって下大利駅を過ぎた後で御笠川を渡る鉄橋の手前辺りまでである。井尻駅と雑餉隈駅間の鹿児島本線オーバークロス付近から、福岡市と春日市の市境までの約1.86kmを福岡市、同市境を境に、下大利駅手前の御笠川を渡る鉄橋までの約3.30kmを福岡県が事業を進めている。事業計画の予備調査が実施された1985年時点の段階では、春日原駅から下大利駅間までが事業計画区間だったが、後に計画変更で延伸された。本事業によって、福岡市が行う事業区間では4箇所、福岡県が行う事業区間では12箇所、合計16箇所の踏切廃止が予定されており、朝晩を中心に慢性的に発生している踏切遮断後の渋滞解消が期待されている。 建設方式として、現在線の横に本線の高架工事終了まで使用する仮線を敷いて営業する仮線方式と、現在線の直上に高架橋を建設する直上方式で建設が進められている。事業区間の起点である下大利駅手前の御笠川にかかる鉄橋の手前辺りから白木原駅までと、大牟田方面に向かって雑餉隈駅手前の区間である南八幡町から三筑辺りまでは仮線方式が採用されており、下大利駅周辺から白木原駅までの、下り線の線路沿いにあったマンションや民家などは2000年代後半から徐々に立ち退きとなった。 2014年3月22日のダイヤ改正からは、下大利駅から白木原駅までの区間が仮線での運行に切り替わり、下大利駅についても仮駅舎での営業が開始された。 また、本事業に合わせ、2021年度に雑餉隈 - 春日原間に新駅の設置を計画していた。場所は県道49号大野城二丈線との交差部分付近、西日本鉄道雑餉隈自動車営業所の隣接地に新設される予定。 しかし、春日原駅での新駅舎工事の際、旧駅舎のホーム下から地質調査で把握できなかった工事に支障をきたすコンクリートの基礎が発見され、2019年10月31日福岡県に事業計画延期に関する協議の申し出があった。これにより、福岡県が事業を担当する春日原駅 - 下大利駅間については、支障物の撤去と新駅舎の基礎工事に2年、新駅舎の整備などにさらに2年かかり、完成は計画より最大4年遅れる見込みとなっている。また、福岡市区間についても影響が出ると考えられている。これにより、高架切り替えは2020年度末から1年8か月程度の遅れとなり、新駅設置も遅れる見込みである。 井尻駅周辺(区間は九州新幹線交差部から鹿児島本線交差部まで)については福岡高速5号線(都市計画道路 福岡前原線)、国道202号福岡外環状道路(都市計画道路 井尻粕屋線)がそれぞれ立体交差化が完了しており、道路網が充実していることから実施する予定はない。この区間内のうち、井尻1号踏切が緊急対策踏切の対象で国土交通省から歩行者ボトルネック踏切に指定されている。なお、福岡市議会において、費用対効果についての検証が行われた。また、福岡高速5号線については、高架化を前提に建設されたため、高架化する運びになっても、影響はない。
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