リーマン・ロッホの定理の一般化
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「リーマン・ロッホの定理」の記事における「リーマン・ロッホの定理の一般化」の解説
「ガウス・ボネの定理」および「en:Cohn-Vossen's inequality」も参照 曲線に対するリーマン・ロッホの定理は、1850年にリーマンとロッホにより証明され、代数曲線に対しては、フリードリッヒ・シュミット(英語版)により1931年に有限標数の完全体についての仕事として証明された。カール・ロケット(英語版)(Peter Roquette)の書いた に、下記のような記載がある。 F. K. シュミットの第一の重要な結果は、閉リーマン面に対するリーマン・ロッホの定理が、基礎体が有限体の時の関数体への翻訳の辞書として結果とみることができる。実際、任意の完全体(有限体であってもよい)を基礎体とするリーマン・ロッホの定理の証明がなされている。 曲線論の結果は、(例えば、ブリル・ネター理論(英語版)の中に)この主張の内容を整備しようと試みるという意味では、基本的である。 高次元のバージョンも存在する(適当な因子や直線束の考え方)。これらの定式化は2つの部分へと分解することが可能となる。ひとつは、現在はセール双対性と呼ばれる部分であり、 l ( K − D ) {\displaystyle l(K-D)} を一次の層コホモロジー群の次元と解釈することであり、あるいは l ( D ) {\displaystyle l(D)} を層コホモロジーの零次の次元、切断の空間の次元と考えると、左辺はオイラー標数となり、右辺はオイラー標数の次数(degree)としてのリーマン面のトポロジーにしたがって修正する計算となる。 代数幾何学での次元が 2 のときのそのような公式は、代数幾何学のイタリア学派(英語版)により基礎づけられ、曲面のリーマン・ロッホの定理が証明された(いくつかのバージョンがあり、最初のバージョンはマックス・ネター(英語版)よる)。そのような扱いが1950年以前に行われている。 詳細は「曲面のリーマン・ロッホの定理」を参照 n-次元への一般化であるヒルツェブルフ・リーマン・ロッホの定理は、フリードリッヒ・ヒルツェブルフにより、代数トポロジーの特性類の応用として発見され証明された。彼の仕事は小平邦彦の仕事に大きな影響を与えた。同時期に、ジャン・ピエール・セールは、現在では知られているようなセール双対性に一般的な形を与えた。 アレクサンドル・グロタンディークは、1957年に現在はグロタンディーク・リーマン・ロッホの定理(英語版)(Grothendieck–Riemann–Roch theorem)として知られている遠大な一般化を行った。彼の仕事は多様体に対するリーマン・ロッホの定理であるばかりでなく、2つの多様体の間の射に対するリーマン・ロッホの定理でもある。この証明の詳細は、1958年にボレルとセールにより出版された。 最終的には、(もっとも)一般化されたバージョンは代数トポロジーの中にもある。これらの発展は、本質的には1950年から1960年の間にすべて推し進められた。その後、アティヤ=シンガーの指数定理が一般化の別の道を切り開いた。 (連接層の)オイラー標数はどのようなものとなるかは、ある程度合理的に計算が可能である。普通の場合に注目すると、交代和をとることで考えることができ、さらなる議論には消滅定理を使わねばならない。
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