マラカイトグリーンとは? わかりやすく解説

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マラカイト‐グリーン【malachite green】

読み方:まらかいとぐりーん

塩基性染料の一。金属光沢のある青緑色結晶。絹・羊毛皮革直接染色するが、日光アルカリに弱い。

マラカイト‐グリーンの画像
#009854/R:0 G:152 B:84/C:90 M:0 Y:85 K:10

マラカイトグリーン

分子式C23H25N2 Cl
その他の名称Malachite GreenBenzaldehyde greenMalachite green、ベンズアルデヒドグリーン、マラカイトグリーン、C.I.42000、C.I.Basic Green 4、C.I.ベーシックグリーン4、N-[4-[Phenyl 4-(dimethylamino)phenylmethylene]-2,5-cyclohexadienylidene]dimethylaminium・chlorideマラカイトグリーン塩酸塩Malachite Green hydrochloride、[4-[[4-(ジメチルアミノ)フェニル](フェニル)メチリデン]シクロヘキサ-2,5-ジエン-1-イリデン](ジメチル)アンモニウム=クロリド
体系名:N-[4-[[4-(ジメチルアミノ)フェニル]フェニルメチレン]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン]-N-メチルメタンアミニウム・クロリド、N-[4-[フェニル4-(ジメチルアミノ)フェニルメチレン]-2,5-シクロヘキサジエニリデン]ジメチルアミニウム・クロリド


マラカイトグリーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 04:23 UTC 版)

マラカイトグリーン
識別情報
CAS登録番号 569-64-2
特性
化学式 C23H25ClN2(塩酸塩)
モル質量 364.911 g/mol(塩酸塩)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

マラカイトグリーン (malachite green) は青緑色の塩基性有機色素である。CAS登録番号は[569-64-2]。

名称はマラカイト(孔雀石 CuCO3・Cu(OH)2)に色調が似ていることによる。主にシュウ酸塩や塩酸塩として流通している。

性質

結晶は光沢があり、エタノールに溶け、酸性では黄色を呈する。

マラカイトグリーン
pHによる色の変化
2.0以下 2.0 - 11.6 11.6以上

用途

染料

マラカイトグリーンを用いた細菌芽胞の染色(Wirtzの芽胞染色法)
緑色の部分がマラカイトグリーンで染まった枯草菌の芽胞。赤色の部分はサフラニンで染まった通常の菌体

着色力が強く安価であることからよく用いられるが、光により分解する。繊維の他に、紙やプラスチック製品などにも用いられる。

また細菌学では芽胞の染色や、ヒメネス染色(レジオネラ抗酸菌リケッチアの染色法)などに用いられる。グラム染色用の色素としてクリスタルバイオレットの代わりに用いられることもある。

殺菌消毒能

還元作用があることから、活性酸素を発生し殺菌消毒作用を示すと考えられている。作用機序は酸化還元作用によるもので、細菌の細胞壁の特異的な合成阻害作用などがあるわけではなく、抗生物質、合成抗菌剤とは根本的に作用機序がことなる。医学生物学的にはオキシドール液、イソジン液などと同属の、消毒剤・消毒殺菌剤に分類される。観賞魚白点病水カビ病などの治療に用いられる。毒性のため、食用の養殖魚に用いることは2005年8月1日から禁止となった[注釈 1]

培地

マラカイトグリーンは大部分の細菌に対して殺菌的に働く。特にブドウ球菌などのグラム陽性球菌に有効であるが、グラム陽性桿菌、グラム陰性菌に対しても有効である。一方、サルモネラや抗酸菌などは比較的マラカイトグリーンに対する抵抗性が高いため、これらを選択的に増殖、培養するための培地に添加される。 サルモネラの選択増菌培地であるラパポート培地やラパポート・バシリアディス培地、抗酸菌用の小川培地などに利用されている。小川培地では、抗酸菌のコロニーを培地の色との違いで目立たせる役割も果たしている。

試薬

遊離リン酸の測定試薬として用いられる。

毒性

核酸塩基と親和性を示すことから発癌性が示唆されているが、毒性評価はされていない。

アメリカでは1981年に、EUでは2002年に食品への使用が禁止された。ウナギへの残留が問題になった中華人民共和国でも、2002年に食用動物への使用が禁止された。日本では、食品衛生法により食品中から検出されてはならないと規定している。しかしながら2007年7月に中国産の切り身サバから、2008年7月に中国産の養殖ウナギから検出された。

脚注

注釈

  1. ^ 薬事法及び薬事法関係省令改正により、未承認医薬品を食用に供するために養殖されている水産動物への使用が禁止された[1]

出典

  1. ^ 園芸特産課 守谷明宏 (2003年12月). “水産用医薬品の使用に関して、薬事法及び薬事法関係省令が大幅に改正されました”. 長野県水産試験場 水産だより 第23号. 2009年7月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月21日閲覧。

マラカイトグリーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:31 UTC 版)

染色 (生物学)」の記事における「マラカイトグリーン」の解説

マラカイトグリーン(malachite green, diamond green Bまたはvictoria green Bとしても知られる)は細菌へのヒメネス染色において青緑対比染色サフラニンに対して使えるまた、これは芽胞直接染色するのにも用いられる

※この「マラカイトグリーン」の解説は、「染色 (生物学)」の解説の一部です。
「マラカイトグリーン」を含む「染色 (生物学)」の記事については、「染色 (生物学)」の概要を参照ください。

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