リケッチア【rickettsia】
リケッチア [Rickettsia]
リケッチアはリケッチア目の3科、12属に分類される微小な偏性病原菌である。ヒトやその他の脊椎動物が保菌するが、ダニなどの節足動物が媒介者となってヒトに種々のリケッチア症をひきおこす原因となる。リケッチアはグラム陰性菌で球桿状(0.2-0.5×0.4-1.0μm)であるが、ほとんどのリケッチアは宿主の細胞外では培養ができない。ただし、ロシャリメア属(Rochalimaea)とバルトネラ属(Bartonella)のリケッチアは人工培地で培養できる。一般には宿主の細胞質内ときには核内で増殖する。12属の中でリケッチア属(Rickettsia)、ロシャリメア属、コキシエラ属(Coxiella)、エールリヒア属(Ehrlichia)、バルトネラ属がヒトに病原性がある。 リッケチア属には発疹チフス、発疹熱、ロッキー山紅斑熱、リケッチア痘およびつつが虫病の病原体が知られている。ロシャリメア属は暫壕熱病原体、コキシエラ属はQ熱病原体である。エールリヒア属とバルトネラ属のリケッチアはおもに脊椎動物の赤血球などの有核細胞に寄生するが、ときにはヒトにも感染する。リケッチアは独自にタンパク質を合成しエネルギー代謝も行う。なお、リッケチア症の治療にはテトラサイクリン系の抗生物質が最も有効とされている。
リケッチア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/06 00:46 UTC 版)
リケッチア (Rickettsia、リケッツィア、リケッチャ、リッケットシアとも表記。) は、狭義ではRickettsia 属、広義では Rickettsiaceae 科の微生物の総称。ダニ等の節足動物を媒介とし、ヒトに発疹チフスあるいは各種リケッチア症を引き起こす。ウイルスと同じように細胞外で増殖できない。偏性細胞内寄生体とも呼ばれる。
- 1 リケッチアとは
- 2 リケッチアの概要
「リケッチア」の例文・使い方・用例・文例
- 鳥と哺乳類に寄生する球状リケッチア
- リケッチアによって起きる、またはそれに関する
- バクテリア性のまたリケッチア性の病気の治療に用いられる黄色の結晶性の抗生物質(商標名オーレオマイシン)
- いくつかの細菌性の、またリケッチア性や他の感染症の治療に有効なテトラサイクリン抗菌剤(商標名デクロマイシン)
- 様々なバクテリアおよびリケッチア感染症の治療に使われるテトラサイクリンから誘導された抗生物質(商標名ミノシン)
- (インドと地中海地方で一般的)犬などの哺乳動物に住む赤茶ダニ(マダニ)が運ぶリケッチアの感染によって発症する病気
- リケッチアの性のバクテリアに感染しているダニ、ダニ類あるいはヒトジラミによってもたらされる伝染病
- ジラミによって移されて、吹き出物発疹と高熱によって特徴付けられたリケッチア症
- リケッチアにより引き起こされ、感染したノミの咬合によって伝染する急性感染症
- 病原体リケッチアによって引き起こされ、森林ダニによって感染する
- リケッチア属のバクテリアに起因する軽い伝染性リケッチア性疾患は、噛むことによって、齧歯動物を常食とするダニを人間に伝染させた
- 鳥を媒介して人に感染する病原体リケッチアによる非定型肺炎
- リケッチア症という病気
- リケッチアという微生物
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