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日本オペレーションズ・リサーチ学会日本オペレーションズ・リサーチ学会

ボロノイ図

読み方ぼろのいず
【英】:Voronoi diagram

概要

空間に, 互いに共通部分をもたない有限個の図形配置すると, それぞれ図形のまわりには他の図形より自分に近い点からなる領域定まる. この領域をその図形のボロノイ領域という. 空間のボロノイ領域への分割をボロノイ図といい, はじめに配置された図形をこのボロノイ図の生成元という. 生成元, 距離, 空間次元の選び方によってボロノイ図には多く種類がある. ボロノイ図は, 勢力圏を表すものと解釈でき, 地理的最適化などに応用されている.

詳説

空間生成元とよばれるいくつかの図形配置されているとき, 空間の各点を最も近い生成元へ割り当て構造ボロノイ図 (Voronoi diagram) という. 一つ生成元に割り当てられた点全体がなす領域を, その生成元のボロノイ領域または勢力圏という.

空間 E\,配置された生成元を g_1, g_2, \cdots , g_n\, とし, 生成元の集合G\,とする. 任意の{\rm P}\in E\, から g_i\, までの距離を d({\rm P}, g_i)\, で表す. g_i\, のボロノイ領域 R(G; g_i)\,


R(G; g_i) = \{ {\rm P} \in E \mid d({\rm P}, g_i) < d({\rm P}, g_j), j \ne i\}\,


と表すことができる. E\, は, R(G; g_1), R(G; g_2), \cdots ,R(G; g_n)\, とそれらの境界分割されるが, その分割構造がボロノイ図である. 空間 E\, と, 生成g_i \; (i=1, 2, \cdots , n)\, と距離 d\, の選び方によってさまざまなボロノイ図が定義できる.

点を生成元とし, ユークリッド距離を距離とするボロノイ図は点ボロノイ図 (Voronoi diagram for points) とよばれる. 2次元では, ボロノイ領域境界は, 両側の生成元を結ぶ線分垂直二等分線の上にあり, 3つのボロノイ領域境界共有する点はまわりの 3 個の生成元を通る円の中心である.

点ボロノイ図に対して, ボロノイ領域隣り合う生成元を線分で結ぶことによってできる図形ドロネー図 (Delaunay diagram) とよばれる.

互いに交差しない線分生成元とし, ユークリッド距離を距離とするボロノイ図は線分ボロノイ図 (Voronoi diagram for line segments) よばれる. 2 次元線分ボロノイ図境界線分放物線一部によって構成される.

中心{\rm P}_i\,, 半径r_i\, の円を c_i\, とする. 点{\rm P}\, に対して|{\rm P}-{\rm P}_i|^2-{r_i}^2\,を, 点 {\rm P}\, と円 c_i\, のラゲール (Laguerre) 距離という. ただし|{\rm P}-{\rm Q}|\, は 2 点 {\rm P}, {\rm Q}\,ユークリッド距離を表す. 円 c_1, c_2, \cdots , c_n\,生成元とし, ラゲール距離を距離とするボロノイ図をラゲールボロノイ図 (Laguere Voronoi diagram) またはパワー図 (power diagram) とよぶ. ラゲールボロノイ図境界超平面一部である. 特に2次元では直線一部であり, 3次元では平面一部である.

このほかにも \mbox{L}_p\,-距離, ハウスドルフ距離などさまざまな距離を用いてボロノイ図が定義できる. このように一般の距離に基づいて定義されるボロノイ図を一般距離ボロノイ図 (Voronoi diagram based on a general distance) とよぶ.

たとえば, 点を生成元とし, ユークリッド距離逆数を距離とみなして定義されるボロノイ図は最遠点ボロノイ図 (farthest-point Voronoi diagram) とよばれる. このボロノイ図では, 他の生成元より自分の方が離れているという領域それぞれ生成元のボロノイ領域となる. 空でないボロノイ領域をもつのは, 生成元の凸包境界上に現れ生成元のみである.

生成元がその位置や形を時間とともに変えると, 対応するボロノイ図も時間とともに変化する. このように時間関数となるボロノイ図は動的ボロノイ図 (dynamic Voronoi diagram) とよばれる. 動的ボロノイ図は, 飛行機ロボット互いに接近過ぎないよう監視するときなどに役立つ.

平面上に与えられた有限個の点の集合S\, とする. S\, を含む最小の円をS\,最小包含円 (minimum enclosing circle) という. S\,最小包含円は, S\, のちょうど 2 個の点を境界上にもつか, 3個以上の点を境界上にもつかのいずれかである. 前者場合最小包含円中心S\,生成集合とする最遠点ボロノイ図の辺上にあり, 後者場合最小包含円中心はその最遠点ボロノイ図の頂点いずれか一致する.

平面上の一つ多角形T\, とし, T\, 内に指定された有限個の点の集合S\, とする. T\, 内に中心をもち, S\,要素一つも内部含まない円を空円といい, その中で半径最大のものを最大空円 (maximum empty circle) という. 最大空円中心は, T\,頂点か, S\,生成集合とするボロノイ図の頂点か, あるいはボロノイ図の辺と T\,境界辺の交点いずれかである.

ボロノイ図の効率のよい構成法はたくさん知られている. たとえば 2次元では, 点ボロノイ図, 線分ボロノイ図, ラゲールボロノイ図{\rm O}(n\log n)\,計算量構成できる. d\, 次元空間 (d \geq 3\,) における点ボロノイ図ラゲールボロノイ図は, {\rm O}(n^{\lfloor (d+1)/2\rfloor})\,計算量構成できる. ただし \lfloor x \rfloor\,x\, 以下の最大整数である.

ボロノイ図に関する詳しい解説には [1, 2, 3] がある.



参考文献

[1] F. Aurenhammer, "Voronoi Diagrams -A Survey of a Fundamental Geometric Data Structure," ACM Computing Surveys, 23 (1991), 345-405.

[2] A. Okabe, B. Boots, K. Sugihara and S.-N. Chiu, Spatial Tessellations -Concepts and Applications of Voronoi Diagrams, 2nd Edition, John Wiley and Sons, Inc., Chichester, 2000.

[3] S. Fortune, "Voronoi Diagrams and Delaunay Triangulations," in Computing in Euclidean Geometry, 2nd Edition, D. -Z. Du and F. Hwang, eds., World Scientific, Singapore, 225-265, 1995.



ウィキペディア

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ボロノイ図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/10/21 09:32 UTC 版)

ボロノイ図の一例 個々の色分けが一つの領域を表す

ボロノイ図(ボロノイず、英語: Voronoi diagram)は、ある距離空間上の任意の位置に配置された複数個の(母点)に対して、同一距離空間上の他の点がどの母点に近いかによって領域分けされた図のことである。特に二次元ユークリッド平面の場合、領域の境界線は、各々の母点の二等分線の一部になる。




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