シューベルト:ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューベルト:ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 | Sonate für Klavier Nr.20 A-Dur D 959 | 作曲年: 1828年 出版年: 1839年 初版出版地/出版社: Diabelli |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 15分30秒 | |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andantino | 8分30秒 | |
3 | 第3楽章 Mov.3 Scherzo: Allegro vivace | 5分30秒 | |
4 | 第4楽章 Mov.4 Rondo: Allegretto | 12分30秒 |
作品解説
シューベルトのピアノ・ソナタの中でも1,2を争う人気の作品。死のわずか2ヶ月前、シューベルトが体調をくずしながらも一気に書き上げた3つのピアノ・ソナタの2作目にあたる。10年後の1838年に、ディアベリ社から「シューベルト最後の作品。3つの大ソナタ」として、第19、21番と共に出版された。献呈はシューマン(第19番の解説参照)。
随所に朗々とした歌のような主題が散りばめられた非常に美しい作品である一方で、死期を悟っているかのような感情的な激しさをも内包している。こうした危ういバランスがこの作品の魅力のひとつとなっているのかもしれない。
第1楽章:アレグロ、イ長調、4/4拍子。ソナタ形式。力強い和音と躍動感のある付点リズムで堂々と始まる。展開部は素朴な第2主題を素材として、急き込むような切迫感のある展開をみせる。
第2楽章:アンダンティーノ、嬰ヘ短調、3/8拍子。三部形式。第2部の経過的な激しいパッセージを、バルカローレの主題から成る緩やかな部分が挟み込んでいる。
第3楽章:スケルツォ。アレグロ・ヴィヴァーチェ、イ長調、3/4拍子。スタッカートのリズムが活きた刺激的なスケルツォ楽章。
第4楽章:ロンド。アレグレット、イ長調、4/4拍子。ロンド・ソナタ形式。非常に親しみやすい冒頭主題は、シューベルト自身のピアノ・ソナタ第4番の緩徐楽章から転用されたもの。ロンドではあるが、エピソードの挿入よりも、むしろこの主題を中心的に提示することに主眼が置かれている。シューベルトにとって、それだけの価値をもった主題であったのだろう。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第20番 ト長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第20番 ト長調 | Sonate für Klavier Nr.20 G-Dur Op.49-2 | 作曲年: 1795-96年 出版年: 1805年 |
作品解説
Op.49-1と同様「やさしいソナタLeichte Sonate」の名がつけられており、出版順につけられたソナタの番号は「第20番」であるが、推定される成立時期は第3番と第4番の間である。なお自筆譜は消失しており、初版譜に記されたデュナーミクは、第2楽章における2箇所の“pp”のみである。
第1楽章 ト長調 2分の2拍子 ソナタ形式
主和音とその分散和音による決然とした開始は、Op.49-2のそれとはかなり対照的である。分散和音の8分3連音は、後の推移とコーダにおいても重要な役割を果たす。
8分3連音の分散和音による推移(第15小節~)を経て、8分音符3つのアウフタクトによって印象づけられる副次主題(第21小節~)が、属調のニ長調であらわれる。8分3連音の音階パッセージによる推移(第36小節~)を経て、コーダ(第49小節~)では主要主題からの推移部を回想する。
展開部(第53小節~)はニ短調の主要主題によって開始され、イ短調を経てホ短調へ向かう。属音(ロ音)の保続連打と3度の重音による経過的なパッセージを挟み、主調での主題再現を迎える。ソナタ形式の再現部直前では、主調の回復を確立するために主調の属音が保続音としてあらわれることが頻繁に見られるが(ベートーヴェンのソナタにおいても同様で、例えばOp.2-1, 2-3, 10-1のそれぞれ第1楽章を参照されたい)、このように平行短調の属音を保続することは、このソナタが「やさしいソナタ」という学習向けと考えられる楽曲であることも踏まえれば、革新的な一面といえよう。
再現部(第67小節~)では、両主題ともが主調で再現され、コーダの拡大もなく楽章を閉じる。
第2楽章 ト長調 4分の3拍子
七重奏曲Op.20、第3楽章の主題と、この楽章のメヌエット主題は同じ素材によっている。リピート記号は持たず、楽曲の構成はロンド形式的である。
付点リズムのアウフタクトによって特徴づけられたメヌエット主題の後、音階パッセージによる推移を経て属調(ニ長調)の優美な主題(第28小節~)があらわれる。付点リズムの連なりに導かれて、メヌエット主題が回帰する(第48小節~)。
ファンファーレ風の主題が下属調(ハ長調)であらわれた後、再びメヌエット主題が回帰し、主題の付点リズムと2度下行の要素の反復がコーダを形成し、楽曲を閉じる。
ピアノソナタ第20番
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