【PS-1】(ぴーえすいち)
新明和・PS-1。
1960年代に新明和工業が開発・生産し、海上自衛隊が対潜哨戒機として運用していた飛行艇。
1967年に初飛行した本機は、強力なBLC(動力境界層制御)システムと新設計の艇体により高いSTOL性能と凌波性能を示し、飛行艇としては世界最高水準の能力を誇った機体であった。
しかし、本来の用途である対潜哨戒機としての能力は、潜水艦の探知手段が「着水してディッピングソナーを海中に垂らす」という旧態依然とした方式であったことから、(仮想敵であった)ソ連潜水艦の能力向上に対応できたとは言えず、陸上機であるP-2やP-3の後塵を拝することになった。
また、機体やエンジンのトラブルが多発し、1989年の退役までに6機が事故で失われ、合計30名もの死者を出すなど、必ずしも成功したとはいえなかった。
結局本機は、1980年に調達打ち切りとなるまでに23機が生産されたのみに留まったが、その後、派生型として捜索救難型のUS-1が開発され、更にこれをベースとして2000年代にはUS-2へ発展していくことになる。
スペックデータ
用途 | 対潜哨戒飛行艇 |
乗員 | 12名 |
全長 | 33.46m |
全高 | 9.95m |
全幅 | 33.15m |
主翼面積 | 135.82㎡ |
自重 | 25,500kg |
全備重量 | 43,000kg(水上) |
発動機 | GE/IHI T64-IHI-10Jターボプロップエンジン(3,400馬力)×4基 |
速力(水平最高) | 265kt |
航続距離 | 3,820km |
実用上昇限度 | 8,660m |
海面上昇率 | 713m/min |
武装 | 対潜爆雷および短魚雷を搭載可能 |
派生型
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