『ウルトラマン』に登場するケムラー
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「ケムラー (ウルトラ怪獣)」の記事における「『ウルトラマン』に登場するケムラー」の解説
『ウルトラマン』第21話「噴煙突破せよ」に登場。 数千年前から死火山と思われていた大武山が火山活動を再開したことにより、突如噴火口から出現した怪獣。爬虫類的な外観を持ち、同様の外耳がない耳を持つ。ダイヤモンドの10倍の硬さを持つ背面の甲羅は打撃時に開閉し、内側の極彩色の部分を盾のように見せる。口から喉奥の発光とともに吐き出す猛毒が最大の武器で、その成分は火山ガスと同じく高濃度の亜硫酸ガスであり、微粒な粒子で構成されていることから、どこにでも浸透する。また、サソリのような形状の尻尾の先から二条の破壊光線を発射する。見た目以上に強敵で、スペシウム光線が効かないほどの頑丈な皮膚を持つ。 当初は山頂付近の野鳥や魚を死滅させ、やがて観光客を襲うようになり、麓の街に出現して毒ガスをまき散らしたため、防衛軍が出動するも撤退に追い込まれる。 急所は展開する甲羅に隠れた発光する心臓で、最後はここをイデ隊員が開発したマッド・バズーカで攻撃され、火口へ落下して爆死する。 第35話では怪獣墓場を漂っている姿が描かれている。 スーツアクター:鈴木邦夫 名前の由来は煙から。 成田亨のデザイン画では、下顎が左右2つに分かれて開くように描かれており、デザイン画どおりに造型された。着ぐるみの下顎にある割れ目はその名残。成田は背中の甲羅についてガボラと同様の発想であるとしている。 高山良策の日記には、当初はガマクジラの着ぐるみを改造する予定だったが、改造怪獣は手間がかかるので新造することにしたと記述されている。ケムラーの体の型自体は、ガマクジラと同じものを使用している。 脚本の時点では背中の甲羅が開く描写はなく、尾をクジャクの羽のように広げると記述されていた。 デザイン画の時点では甲羅は顔の部分まで覆っていたが、高山によってアレンジされた。弱点は、台本の時点では口内の発光器官だったが、造形の時点で背中に変更された。ガスを吐くときに口内が光るのは、その名残である。この変更のため、口内が光るのを見たホシノがそこが弱点だと気づく展開が削除され、本編では特に理由のないまま背中が弱点だと気づくという、不自然な展開になっている。 一峰大二による漫画版では、尻尾が無い。大武山からトンネルを掘ってふもとの町に出現し、好物の毒ガスを摂取するために工場地帯を襲う。科学特捜隊にマッド・バズーカをのど元に打ち込まれるが不発に終わり、現れたウルトラマンをも毒ガスと噛みつきで苦しめる。この毒ガスは建造物を浮かせたり、スペシウム光線を拡散させたりするという効果があることも、漫画版では追加されている。最後は2つの八つ裂き光輪を空中でぶつけ合わせて炸裂させるというウルトラマンの奇策で毒ガスを打ち払われ、スペシウム光線で不発弾を起爆させられて木端微塵に吹き飛んでいる。 本放送当時、講談社の『ぼくら』に連載されていた一峰大二による漫画作品『ウルトラマン』と、現代芸術社『現代コミクス』に掲載された井上英沖による漫画作品『ウルトラマン』のいずれにも、初戦でケムラーと対峙したウルトラマンが、大武山の地中に埋まってしまう描写がある[要ページ番号]。 書籍『ウルトラマン ベストブック』(竹書房・1993年)では、岩本博士の言葉として最終話に登場するゼットンの甲羅はケムラーのものを参考にしているとの推測を記述している。 『ウルトラファイト』では、ウルトラマンに無理な体勢に持ち上げられて急所の瘤(こぶ)を破壊され、倒される。
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