ローマ 地理

ローマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/15 10:07 UTC 版)

地理

地勢

ティレニア海にそそぐテヴェレ川河口から25kmほどさかのぼった位置にあるイタリアの首都で、ラツィオ州の州都でありローマ県の県都。伝説によれば、ローマは紀元前753年、テヴェレ川東岸の「ローマの七丘」のひとつ、パラティーノの丘に建設されたという。七丘とは、パラティーノアヴェンティーノカピトリーノクイリナーレヴィミナーレエスクイリーノチェリオの丘をさしていた。しかし考古学的には、紀元前1000年にはすでに人が定住していたことが証明されている。歴史的に由緒のある地区は意外に狭く、そのほとんどがテヴェレ川東岸にある。ローマの過去の栄光をしめす記念建造物の大部分はこの地区にある。

気候

ケッペンの気候区分では地中海性気候に属し、夏は高温で乾燥しており、冬に降水が集中する。2023年7月18日に最高気温42.9℃を記録した[7]

ローマ(1991~2020)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 22.1
(71.8)
22.1
(71.8)
25.0
(77)
29.8
(85.6)
33.1
(91.6)
36.6
(97.9)
38.1
(100.6)
39.0
(102.2)
37.0
(98.6)
31.0
(87.8)
26.5
(79.7)
22.3
(72.1)
39
(102.2)
平均最高気温 °C°F 13.1
(55.6)
13.6
(56.5)
16.0
(60.8)
18.7
(65.7)
22.9
(73.2)
26.8
(80.2)
29.4
(84.9)
30.0
(86)
26.2
(79.2)
22.4
(72.3)
17.8
(64)
14.0
(57.2)
20.91
(69.63)
日平均気温 °C°F 8.4
(47.1)
8.8
(47.8)
11.1
(52)
13.8
(56.8)
17.8
(64)
21.9
(71.4)
24.5
(76.1)
24.9
(76.8)
21.2
(70.2)
17.4
(63.3)
13.2
(55.8)
9.4
(48.9)
16.03
(60.85)
平均最低気温 °C°F 4.4
(39.9)
4.4
(39.9)
6.3
(43.3)
8.7
(47.7)
12.5
(54.5)
16.3
(61.3)
18.7
(65.7)
19.4
(66.9)
16.4
(61.5)
13.0
(55.4)
9.3
(48.7)
5.7
(42.3)
11.26
(52.26)
最低気温記録 °C°F −7.4
(18.7)
−6.9
(19.6)
−6.5
(20.3)
−2.4
(27.7)
1.8
(35.2)
5.6
(42.1)
9.9
(49.8)
9.3
(48.7)
4.0
(39.2)
0.0
(32)
−4.8
(23.4)
−5.6
(21.9)
−7.4
(18.7)
降水量 mm (inch) 64.3
(2.531)
65.6
(2.583)
56.5
(2.224)
59.6
(2.346)
47.3
(1.862)
23.5
(0.925)
14.1
(0.555)
25.9
(1.02)
69.3
(2.728)
90.2
(3.551)
120.9
(4.76)
84.1
(3.311)
721.3
(28.396)
[要出典]

地域

ローマのムニチーピオ
ローマのリオーネ(黄色)
ローマのクアルティエーレ(黄色の外側)
アウグストゥス帝によるローマの14行政区(赤文字)とアウレリアヌス城壁(赤色線)

ローマはイタリア全土にあるコムーネのうちの一つで、都市規模・人口ともに最大である。市長および市議会がコムーネを管理しており、ローマにおける歴史的な政庁所在地であるカンピドリオに市庁舎は設置されている。また市庁舎の置かれる地名から、ローマ市政は「カンピドリオ」と通例呼ばれる。

行政区画

行政区分では19のムニチーピオという地域に区分される。この区分は中心部への集中を分散化することを目的として創設され、各ムニチーピオは区長、および5年おきに選挙で選出される4人の議員が運営する。この行政区分は、伝統的な非行政区域の境界線を越えることがある。この歴史的な区分、リオーネは22の区域に分割され、一部を除いてアウレリアヌス城壁内の地域をさす。またローマは郊外区域、および52の農業区域を公式に指定しているが、後者は開発の対象となりやすいのが実情である。

歴史

ローマに初めて行政区を創設したのはローマ帝国初代皇帝アウグストゥスで、紀元前7年のことである。それまで首都の境界線(ポメリウム)の内外程度しか区分けがなかったものを、14の行政区に分割し行政上の責任を明確にしようとした[8]。それぞれの区には任期1年の政務官(護民官、法務官と造営官)が選出された。各区はウィクス(町)に分割され、それぞれのウィクスには解放奴隷階級の中より4名の町役人(ウィコマギステル)が選出され、主に治安と防火の責任を負った。記録によれば74年時点ではローマ全市で265ウィクスあり、帝政末期のディオクレティアヌス帝の時代には304ないし306ウィクスに増えていた[8]

ローマのムニチーピオ

ムニチーピオ(it)は、19の行政区に分けられる。

ローマのリオーネ

リオーネ(it)は、以下の22の行政区に分けられる。

ローマのクアルティエーレ(近隣住区)

クアルティエーレ(it)は、以下の35に分けられる。

隣接コムーネ

隣接するコムーネおよびそれに相当する区域は以下の通り。


  1. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Total Resident Population on 1st January 2019 by sex and marital status” (英語). 2019年10月6日閲覧。
  2. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Popolazione residente - Roma(dettaglio loc. abitate) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2013年11月25日閲覧。
  3. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Superficie territoriale(Kmq) - Roma(dettaglio comunale) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2013年11月25日閲覧。
  4. ^ Demographia: World Urban Areas & Population Projections
  5. ^ 2014 Global Cities Index and Emerging Cities Outlook (2014年4月公表)
  6. ^ 2枚目(PDFのページ表記では1ページ)にある『Chart 1.』の12位。MasterCard Global Destination Cities Index” (PDF). MasterCard. p. 2 (2012年). 2013年2月16日閲覧。 “Rome 7.8mn”
  7. ^ 森さやか (2023年7月19日). “ローマで史上最高気温も 地球は過去もっとも暑い2週間”. news.yahoo.co.jp. 2023年7月24日閲覧。
  8. ^ a b 青木正規著 皇帝たちの都ローマ ISBN 4-12-101100-7 1992年発行第1版 p162-p164
  9. ^ Popolazione straniera residente nel Comune di Roma al 01/01/2022 per sesso e nazionalità”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  10. ^ a b 考古学 - MSN エンカルタ 百科事典 ダイジェスト
  11. ^ a b ニュートン2003年9月号、pp.30-31、丘の上に数千人の集落を構えていたローマ
  12. ^ a b ニュートン2003年9月号、pp.32-33、先端技術を導入し、カピトリーノの丘の上に神殿をつくる
  13. ^ ニュートン2003年9月号、pp.34-35、滅亡の危機に追い込まれたローマは、七つの丘を囲う城壁をつくった
  14. ^ ニュートン2003年9月号、pp.36-37、共和制期、ローマの街は七つの丘一帯に広がっていた
  15. ^ ニュートン2003年9月号、pp.38-39、ローマから四方八方にのびる街道づくりにとりかかる
  16. ^ ニュートン2003年9月号、pp.40-41、山間部のきれいなわき水がローマの街を潤した
  17. ^ ニュートン2003年9月号、pp.42-43、地中海世界の政治的中心地となったフォロ・ロマーノ
  18. ^ ニュートン2003年9月号、pp.44-45、ローマ炎上!街の3分の1が灰と化す大惨事にみまわれた
  19. ^ ニュートン2003年9月号、pp.46-47、5万人が入れるコロッセオや巨大な神殿パンテオンが登場
  20. ^ a b ニュートン2003年9月号、pp.48-49、大帝国の本拠地ローマの街は、かくして完成した
  21. ^ 独軍、ローマを撤収(昭和18年6月6日 朝日新聞『昭和ニュース辞典第8巻 昭和17年/昭和20年』p408 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
  22. ^ イタリア・ローマの「劣化」に抗議、市民が大規模デモ - CNN
  23. ^ ローマのインフラ老朽化に抗議、数千人がデモ 写真11枚 国際ニュース - AFPBB
  24. ^ Xinhua-Dow Jones International Financial Centers Development Index(2013) 2013年9月15日閲覧。
  25. ^ 前掲 (昭文社 2012, 別冊2、p.3)
  26. ^ Diocese of Roma – Statistics”. 2020年8月26日閲覧。
  27. ^ Luoghi di incontro e di preghiera degli immigrati a Roma”. 2020年8月26日閲覧。
  28. ^ Roma prima città italiana per presenza Musulmana”. 2020年8月26日閲覧。
  29. ^ La comunità ebraica di Roma oggi al voto”. 2020年8月26日閲覧。
  30. ^ 昭文社『イタリア 2013』昭文社7、2012年、44頁。ISBN 978-4398269591。"ヴァチカン市国"。 
  31. ^ History 1980-2011: three decades of Compeed Golden Gala Archived 2012年6月17日, at the Wayback Machine. Diamond League-Rome.com. 2011年7月31日閲覧
  32. ^ ローマダービーを前にまた衝突 8名刺傷”. Goal.com (2013年4月9日). 2013年4月11日閲覧。






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