離陸 回転翼機の離陸

離陸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/25 05:08 UTC 版)

回転翼機の離陸

回転翼機では原理的には垂直上昇ができるが、ほとんどの場合は固定翼機同様に滑走路上で低空の滑空をしてから上昇する。着陸同様に空港の管制設備を使い、定められた経路を取るためという理由もあるが、技術的にはほとんどの回転翼機が上昇のための余剰パワーをそれほど持っていないこと、飛行回避領域に突入しないように制御することが大きな理由の一つである。

まず地上からやや浮上し(スキッドを装備した回転翼機では駐機場から滑走路端へのタキシングですでに浮上していることが多い)、機体を滑走路方向に前進させ、加速して速度が乗ってきたら機首を上げ、上昇に転じる操作を行う。

回転翼機が上昇できる余剰のパワーは、ホバリング(空中静止状態)ではエンジンの実用最大出力の数%程度である。また高度が高い・気温が高いときはこの余剰パワーはほとんどなくなる。対して移動状態では、固定翼機同様に移動のエネルギーを高度に変換することができる。上昇して移動しないのと移動して上昇しないのではパワーの使い方は同じように思えるが、地上付近では地面効果によりより少ないエネルギーで浮上したまま移動できるため、いわば空港の敷地の横方向の広さを利用して、後で上昇のエネルギーに転じるための横移動のエネルギーを蓄えるのが回転翼機の離陸操作といえる。条件によってはホバリングができないほどの高地にある空港からでも離陸できる場合がある。

脚注

関連項目


  1. ^ a b c JAPAN, Skyart (2020年1月19日). “V1、VR、V2とは? - Skyart JAPAN”. skyart-japan.tokyo. 2024年5月6日閲覧。
  2. ^ 三澤慶洋『図解・旅客機運航のメカニズム―航空機オペレーション入門』講談社ブルーバックス〉、2010年、137頁。ISBN 978-4062576895 
  3. ^ 航空環境研究センター (2007年2月5日). “大阪国際空港”. 空港環境情報. 航空環境研究センター. 2013年9月23日閲覧。
  4. ^ このスイッチはTO/GAスイッチとも呼ばれる。(en:Takeoff/Go-around switch参照)
  5. ^ 機体によっては、オートスロットルが作動している状態でも、手動でスラストレバーに力を加えれば、オートスロットルが解除されるものもある。
  6. ^ 山形和行『世界一のココロの翼を目指した“名物機長"のホスピタリティ―いつも笑顔で目指そう!完璧!感動!感謝!』ごま書房新社、2013年、91頁。ISBN 978-4341085483 
  7. ^ 内田幹樹『機長からアナウンス』新潮社新潮文庫〉、2004年、74頁。ISBN 978-4101160412 


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