長岡市シティホールプラザアオーレ長岡
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長岡市シティホールプラザ アオーレ長岡 | |
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建物全景
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情報 | |
用途 | 長岡市役所本庁舎、長岡市議会議場、アリーナ、ホール、屋根付き広場 |
設計者 | 隈研吾建築都市設計事務所[1] |
構造設計者 | 江尻建築構造設計事務所[1] |
施工 | 大成・福田・中越・池田シティホール建築工事特定共同事業体[1] |
建築主 | 長岡市シティホール整備室 |
管理運営 | 長岡市 |
構造形式 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、プレストレストコンクリート造 |
敷地面積 | 14,938.81 m² [1][G 1] |
建築面積 | 12,073.44 m² [1] |
延床面積 | 35,492.44 m² [1] |
階数 | 地下1階、地上4階、塔屋1階[1] |
高さ | 21.4m(軒高20.91m)[1] |
駐車台数 | 103台、公用車17台 |
着工 | 2009年(平成21年)11月 |
竣工 | 2012年(平成24年)2月 |
開館開所 | 2012年(平成24年)4月1日[G 2] |
所在地 |
〒940-0062 新潟県長岡市大手通1丁目4番地10[G 1] |
座標 | 北緯37度26分47秒 東経138度51分4秒 / 北緯37.44639度 東経138.85111度座標: 北緯37度26分47秒 東経138度51分4秒 / 北緯37.44639度 東経138.85111度 |
概要
現在アオーレ長岡が所在する地区は長岡駅大手口から至近で、過去に長岡市公会堂、長岡市厚生会館などの文化交流施設が所在した地区である。長岡市が市役所機能の中心市街地集約化と、老朽化した長岡市厚生会館の後継施設整備の2つを柱に、市民交流の拠点施設として整備を進め、2012年(平成24年)4月1日にオープンした。
施設は長岡市役所本庁舎と、アリーナ、市民交流ホールなどを擁する交流施設、屋根付き広場「ナカドマ」(#後述)の3つから成る。建設に要した総事業費は約120億円であった。
愛称「アオーレ長岡」は一般公募によって決定し、そのまま正式名称にも採用された。「アオーレ」は長岡弁で「会いましょう」を意味する「会おうれ」をもじったものである。
施設
大きく分けて長岡市役所アオーレ長岡本庁舎等が入る東棟・西棟と、アリーナ棟の3棟から構成され、3棟に面して屋根付き広場「ナカドマ」が配されている。ナカドマに掛かる大屋根は鉄骨トラス造で約9,000m2あり、融雪装置により冬でも自然光による採光を可能としたほか、3棟を免震支承とKYB社製の制震ダンパー[2][3]を介して繋ぐことで、建物全体の耐震性を高める工夫がなされている。また、屋根には太陽光発電パネル(出力10kW)が設置されているほか、雨水・融雪水を循環して使用できる雨水中水化システムを備え、環境負荷の低減を図っている。
建物空間のデザインは建築家の隈研吾が「まちの中土間」をコンセプトとして手掛け、建物の随所には長岡の歴史、産物が採りいれられている。外装部は長岡城の市松模様をモチーフとして、地元産のスギ材で作った簀子状のパネルを外壁に張り付けているのが大きな特徴である。この市松模様は、行政と市民の活動が一線を画すのではなく、より緊密に連携する施設のコンセプトの象徴でもある。また、市役所窓口のカウンター間仕切り等に栃尾紬(旧:栃尾市の特産品)を、西棟1階ホワイエの内装材として小国和紙(旧:小国町の特産品)を用いている。
東棟・西棟
市役所アオーレ長岡本庁舎は東棟と西棟の2棟から成り、東棟には市役所の部課が、西棟には市議会議場が入る。また両棟には市民交流ホールや市民協働センターなどの交流施設が設けられている。
本庁舎には、市長室や市議会議場をはじめとする市政の中枢部が置かれているほか、主に市民生活に関連する部課が配置されている。従来の本庁舎(現在の市役所幸町庁舎)では市民窓口が担当部課ごとに3フロアにわたって分散されていたが、アオーレ長岡本庁舎の市民窓口は東棟1階に集約され、且つ申請や手続きの目的・内容ごとに窓口を11種類に分類し、各種手続きをワンストップで行える配慮がなされている。また平日の窓口業務を午後8時まで延長し、加えて年末年始を除く土曜・休日も業務を行うなど利便性を高めた。
東棟1階にはこの他、実写3D映像を体感できる49席のシアターが設置されている[G 1]。通常は長岡まつり大花火大会や市内の観光情報などの映写が行われているが、イベント開催や一般利用にも対応している。
西棟1階ではナカドマに面して市議会議場があり、文字通り市民に近い目線での、ガラス張りの市政を象徴するほか、傍聴席では県内で初めて親子席を設置した[G 2]。また、天井には長岡の花火をモチーフに木のパネルがらせん状に配置されている。
また、同じく西棟1階の市民交流ホールAは、旧厚生会館の中ホールに相当する約314m2[G 1]、200人規模の多目的ホールで、各種発表会、演奏会に対応する。
アリーナ
アリーナは旧厚生会館の大ホールと同様、各種屋内スポーツをはじめ講演会、集会、展示会、コンサートなど多目的に利用できる。最大床面積約2,123m2[G 1]で、バスケットボールコート3面分を確保できる[G 1]。観客席は1階のロールバック式可動席のほか、2・3階はスタンドとなっており、常設の固定席が計2,172席設置されている[G 1]。またナカドマに面した幅18mの大開口部を開くことにより、マエニワ・ナカドマ・アリーナに至る一体的な利活用も可能である。
コンサート会場としてのこけら落としは、2012年4月14日に開催された3人組音楽グループ「いきものがかり」のライブツアー『いきものがかりの みなさん、こんにつあー!! 2012 〜NEWTRAL〜』の初日公演だった[注釈 1]。
施設概要
- 面積:2,123m2[G 1]
- 収容人数:合計2,172人(常設。2階955席、3階1,217席)[G 1]。シアター形式(式典等)では約4,400席、センターステージ形式(プロレス・ボクシング等)では約5,100席、スクール形式(各種試験等)では約1,200席の設置が可能である。
- 使用種目:バスケットボール3面、バレーボール4面、バドミントン14面、テニス3面、卓球16台、フットサル1面[G 1]、その他
ナカドマ・マエニワ
東棟・西棟・アリーナ棟に面した広さ約2,250m2[G 1]の屋根付き広場空間「ナカドマ」は日本建築の土間の概念を取り入れ、市民のためのボイド(公共空間)とすることを意図している。路面舗装は三和土調で、仮設ステージや移動販売車、屋台などの設営が可能で各種イベントに対応している。ナカドマ中央部に設置されたフルカラーLED方式の大型映像装置は300インチ相当で、普段は長岡市の広報映像や市内観光地の紹介映像などが放映されている他、スポーツイベントのパブリックビューイングなど、イベントと連動した利用も可能となっている。
隈曰く「べつに市役所に用がない人も、あそこの広場に遊びに来ればいい」という考えで作られている[4]。このナカドマに続く屋外広場「マエニワ」は新潟県道36号長岡停車場線(大手通り)の自転車歩行者道に面しており、中心市街地から施設全体へのエントランスとしての役割を果たしている。
店舗
館内には下記の店舗がテナントとして出店している[G 1]。
- 福祉のカフェ りらん(西棟1階 ホワイエ内)
- 長岡市社会福祉協議会が運営する軽食喫茶。市内5箇所の福祉施設が日替わりで店舗運営を担当する。
その他
マエニワに面した敷地内には長岡城以来の城内稲荷神社が存置され、稲荷神が祀られている。
注釈
- ^ これは、いきものがかりの所属事務所(CUBE Group)の社長である北牧裕幸が長岡市出身で、市長の森民夫とは新潟県立長岡高等学校の同窓生という縁から実現したものである。
- ^ 旧北越銀行店舗。
- ^ この9地域の編入合併以降、2010年(平成22年)3月31日には川口町を編入合併し、編入市域は計10地域となっている。
- ^ 厚生会館の他、隣接する宝田公園と長岡セントラルパークも、2008年を以って用途廃止となった。
出典(市)
出典(その他)
- ^ a b c d e f g h 『新建築』第87巻11号 p.125-134
- ^ “問題の免震装置 アオーレ長岡などでも KYBデータ改ざん問題|社会|新潟県内のニュース|新潟日報モア”. archive.is. (2018年10月18日) 2018年10月18日閲覧。
- ^ INC., SANKEI DIGITAL (2018年10月17日). “免震データ改竄 新潟県でもアオーレ長岡など10件” (日本語). 産経ニュース 2018年10月18日閲覧。
- ^ 21世紀は“インスタ映え”建築 隈研吾が“求められる建築”を語る(2/4)〈週刊朝日〉 | AERA dot. (アエラドット)
- ^ “新リーグ1部参入へ向けた状況のご報告”. 新潟アルビレックスBB. 2015年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月27日閲覧。
- ^ “新リーグ1部参入決定のご報告”. 新潟アルビレックスBB (2015年8月29日). 2018年9月27日閲覧。
- 1 長岡市シティホールプラザアオーレ長岡とは
- 2 長岡市シティホールプラザアオーレ長岡の概要
- 3 バスケによるまちおこしの拠点
- 4 歴史
- 5 交通アクセス
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