福州市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/28 07:58 UTC 版)
地理
武夷山に源を発する閩江下流に位置する港湾都市である。中国語で榕樹というガジュマロの大木が市域に多数有ることから榕城とも呼ばれている。
歴史
新石器時代からこの地に住む閩人の領域で、戦国時代中期に越が楚に滅ぼされ、越人が多く閩地に流入し、閩越と呼ばれるようになった。紀元前220年に閩越を征服した秦の始皇帝はこの地に閩中郡を設置した。秦末、群雄が割拠すると、閩越王騶無諸が反乱を起こし、後に劉邦に属した。このため、騶無諸は漢によって閩越王に封じられ、東冶(福州の古名)はその都となった。
晋には建安郡の郡城となり、唐の開元13年(725年)に福州都督府が設置されて、福州の名が固まった。唐末には王審知が閩国(909年-945年)を建国して、福州に都した。五代十国のひとつである。この国は海外貿易などで大いに発展し、王延鈞の時期には大閩国と号し、福州を長楽府と改称した。925年に王審知が死んだ後は内紛が続いた。
宋には福州に復し、刺史が置かれた。元(1271年-1368年)に福建行中書省が設置され、最初は泉州、まもなく福州に長官が駐在した。
明(1368年-1644年)には福州に市舶司が置かれ、朝貢国である琉球王国の指定入港地となり、琉球館が置かれている。明末には南明の都が置かれたこともある。明清時代には福州は福州府治として福建の中心であった。アヘン戦争後の南京条約で福州は対外開港し、茶の輸出などで発展した。倉山には多くの外国領事館が置かれた。近代の福建は、左宗棠によって福州船政局・船政学堂が置かれたこともあって北洋艦隊・福建艦隊に人材や艦船を多数送り込んだ。清仏戦争の馬江海戦ではフランス海軍の攻撃を受けたが、再建された馬尾造船が近代造船業の発祥地となり、中華民国海軍や中国人民解放軍海軍にも大きな役割をになった。
1984年対外開放地区に指定され、同時に国家歴史文化名城にも指定された。2006年現在では経済開発区に指定されている。
行政区画
6市轄区・1県級市・6県を管轄する。
福州市の地図 |
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年表
福州市
- 1949年10月1日 - 中華人民共和国福建省福州市が発足。(1市)
- 1949年12月25日 - 閩侯専区林森県の一部を編入。(1市)
- 1951年8月28日 - 鼓楼区・大根区・小橋区・台江区・倉山区・水上区・蓋山区・鼓山区・洪山区を設置。(9区)
- 1952年2月23日 - 洪山区の一部が分立し、新店区が発足。(10区)
- 1955年3月4日 - 蓋山区・鼓山区・洪山区・新店区が鼓楼区に編入。(6区)
- 1956年5月3日 (3区)
- 大根区が鼓楼区に編入。
- 小橋区が台江区に編入。
- 水上区が倉山区に編入。
- 1958年8月8日 - 閩侯県を編入。(3区1県)
- 1959年8月1日 - 閩侯県が閩侯専区に編入。(3区)
- 1960年11月3日 - 閩侯専区閩侯県の一部が分立し、馬尾区が発足。(4区)
- 1962年5月22日 (4区2県)
- 1963年6月10日 - 馬尾区が台江区に編入。(3区2県)
- 1963年9月11日 - 羅源県・連江県が閩侯専区に編入。(3区)
- 1968年8月18日 (3区)
- 鼓楼区が紅衛区に改称。
- 台江区が赤衛区に改称。
- 倉山区が朝陽区に改称。
- 1968年10月26日 - 紅衛区・赤衛区の各一部が合併し、郊区が発足。(4区)
- 1970年2月17日 (4区)
- 閩侯専区閩侯県の一部が郊区に編入。
- 郊区の一部が福安専区連江県に編入。
- 1970年6月18日 - 郊区が分割され、馬江区・北峰区が発足。(5区)
- 1973年6月5日 - 莆田地区閩侯県を編入。(5区1県)
- 1975年7月10日 - 北峰区が寧徳地区連江県の一部と合併し、郊区が発足。(5区1県)
- 1978年4月27日 (5区1県)
- 1978年5月24日 (5区1県)
- 郊区の一部が分立し、環城区が発足。
- 馬江区が郊区に編入。
- 1982年8月19日 (5区1県)
- 郊区の一部が分立し、馬尾区が発足。
- 環城区が郊区に編入。
- 1983年4月28日 - 莆田地区閩清県・永泰県・長楽県・福清県・平潭県、寧徳地区連江県・羅源県を編入。(5区8県)
- 1990年12月26日 - 福清県が市制施行し、福清市となる。(5区1市7県)
- 1994年2月18日 - 長楽県が市制施行し、長楽市となる。(5区2市6県)
- 1995年10月27日 (5区2市6県)
- 台江区の一部が鼓楼区に編入。
- 郊区の一部が鼓楼区・台江区・倉山区・馬尾区に分割編入。
- 郊区の残部および鼓楼区・台江区の各一部が合併し、晋安区が発足。
- 2017年7月18日 - 長楽市が区制施行し、長楽区となる。(6区1市6県)
閩侯専区(1949年-1956年)
- 1949年10月1日 - 中華人民共和国福建省閩侯専区が成立。林森県・閩清県・永泰県・長楽県・福清県・平潭県・連江県・羅源県が発足。(8県)
- 1949年12月25日 - 林森県の一部が福州市に編入。(8県)
- 1950年4月19日 - 林森県が閩侯県に改称。(8県)
- 1956年3月26日
- 閩侯県が省直轄県級行政区となる。
- 閩清県が南平専区に編入。
- 長楽県・連江県・羅源県が福安専区に編入。
- 永泰県・福清県・平潭県が晋江専区に編入。
閩侯専区(1959年-1971年)
- 1959年8月1日 - 福州市閩侯県、福安専区長楽県・連江県、晋江専区永泰県・平潭県・福清県、南平専区閩清県を編入。閩侯専区が成立。(7県)
- 1960年11月3日 - 閩侯県の一部が分立し、福州市馬尾区となる。(7県)
- 1962年5月22日 (6県)
- 連江県が福州市に編入。
- 閩侯県の一部が福州市鼓楼区・馬尾区に分割編入。
- 1963年9月11日 - 福州市羅源県・連江県、南平専区古田県・屏南県を編入。(10県)
- 1970年2月17日 (8県)
- 1971年4月13日 - 閩侯専区が莆田専区に改称。
- ^ “福州:真抓实干建“福地”奋发迈向新征程”. 人民网. (2018年10月19日) 2023年1月3日閲覧. "福州,作为八闽首府、五朝古都"
- ^ 县级以上行政区划变更情况 - 中華人民共和国民政部
- ^ 福建省 - 区划地名网
- ^ “CMA台站气候标准值(1991-2020)”. 2023年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月14日閲覧。
- ^ “中国地面国际交换站气候标准值月值数据集(1991-2020年)” (中国語). China Meteorological Administration. 2013年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年1月22日閲覧。
- ^ “Index”. 中国气象数据网 – WeatherBk Data. China Meteorological Administration. 2018年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月9日閲覧。
- ^ 「歴史ある街並み中国保護へ本腰」、『毎日新聞』2010年3月15日、12版、14 - 15 面。
- ^ 福州市公式サイト内「友好城市」、および、福建省外事弁公室サイト内「福建省與国外友城関係一覧表」
固有名詞の分類
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