球面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/15 03:30 UTC 版)
半球面
球面の中心を含む任意の平面は、球面をふたつの合同な半球面 (hemisphere) に分割する。球面の中心を通り交わる任意のふたつの平面は、四つの球面楔形または球面二角形に細分割する(これら図形の頂点は、平面の交線上にある対蹠点に一致する)。
球面の対蹠点を同一視する商は実射影平面と呼ばれる曲面で、これを赤道にある対蹠点を同一視した北半球と見ることもできる。
この半球面はリーマン円によって最適(面積最小)等長充填となると予想されている。[訳語疑問点]
一般化
任意次元
球面の概念を、任意の次元に対して一般化することができる。自然数 n に対して「n-次元(ユークリッド)球面」("n-sphere") をしばしば Sn と書いて、中心となる定点から半径となる決まった距離 r の位置にある (n + 1)-次元ユークリッド空間内の点からなる軌跡として定義できる。特に
- 零次元球面 S0 は実数直線内の閉区間 [−r, r] の両端点である。
- 一次元球面 S1 は半径 r の円周である。
- 二次元球面 S2 は通常の球面
- 三次元球面 S3 は四次元ユークリッド空間内の超球面を表す
n > 2 のとき、超球面ともいう[注釈 2]。文献によっては余次元が 1 のときに限って超球面と呼ぶ[注釈 3]場合も稀にあるので文脈に注意すべきである。
Sn は、特に「単位球面」(原点を中心とする単位半径の球面)を表すために用いられることもある。
(n − 1)-次元単位超球面の表面積は、ガンマ函数 Γ(z) を用いて
ユークリッドの平面幾何学の基本要素は点と直線である。球面上でも、点は通常の意味で定義できる。「直線」に相当するものは測地線で、いまの場合具体的には大円である。大円を定義づける特徴は、その上にある点すべてを含む平面が球の中心を通ることである。弧長によって距離を測ることにすれば、球面上の任意の二点を結ぶ最短経路が、それらの点を含む大円がそれら点で切り取られる円弧のうちの短いほうによって与えられることが証明できる。
古典幾何学における多くの定理が球面幾何学においても真となるが、球面上では古典幾何の公準がすべて満足されるわけではない(平行線公準などは成立しない)から、真とはならない定理も存在する。球面三角法において、角は大円の間で定義される。球面三角法は通常の三角法とは様々な点で異なる。例えば、球面三角形の内角の和は常に 180° より大きい。あるいはまた、任意の互いに相似なふたつの球面三角形は合同である。
注釈
出典
- ^ a b Albert 2016, p. 54.
- ^ a b c Woods 1961, p. 266.
- ^ Kreyszig 1972, p. 342.
- ^ Albert 2016, p. 60.
- ^ Steinhaus 1969, p. 223.
- ^ Weisstein, Eric W. "Sphere". mathworld.wolfram.com (英語).
- ^ Steinhaus 1969, p. 221.
- ^ Albert 2016, p. 55.
- ^ Albert 2016, p. 57.
- ^ a b c d Woods 1961, p. 267.
- ^ Albert 2016, p. 58.
- ^ Weisstein, Eric W. "Spheric section". mathworld.wolfram.com (英語).
- ^ Hilbert, David; Cohn-Vossen, Stephan (1952). Geometry and the Imagination (2nd ed.). Chelsea. ISBN 0-8284-1087-9
- ^ New Scientist | Technology | Roundest objects in the world created
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