正規直交系 定義

正規直交系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/11 14:43 UTC 版)

定義

直交系

内積 ⟨•, •⟩ を有するベクトル空間 内積空間)において、ベクトル の集合 が互いに直交する、すなわち内積について

が成り立つとき、直交系: orthogonal system)であるという。

正規直交系

直交系 が内積で定まるノルムについて規格化されている(||en||=1)、すなわち、

であるとき、正規直交系であるという。但し、δmnクロネッカーのデルタである。

有限個または可算個の一次独立なベクトル {xn} が存在する場合、グラム・シュミットの正規直交化法により、{xn} から正規直交系を具体的に構成することができる。

完全正規直交系

内積で定まるノルムについて完備であるヒルベルト空間を論ずる際において、正規直交系は重要な役割を果たす。ヒルベルト空間において、正規直交系 {en}完全系である、すなわち

を満たすとき、{en}完全正規直交系、または正規直交基底であるという。完全正規直交系においては、任意のベクトルx に対し、

という展開が可能となる。但し、無限列についてはノルムに関する収束を表すものとする。

任意のヒルベルト空間において、完全正規直交系は存在するが、特に可分なヒルベルト空間であれば、高々可算個からなる完全正規直交系が存在する[注釈 1]


  1. ^ 有限次元の内積空間においては、次元と等しい個数からなる完全正規直交系が存在する





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