曹国 疑惑

曹国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/30 04:10 UTC 版)

疑惑

前述の通り、あまりに多数の疑惑が浮上したことから、日本国内のマスメディアでも「疑惑のタマネギ男[53]」と報道されている。

曺国事態の際に追及された疑惑は以下の通り。

親族をめぐる疑惑

娘の不正入学疑惑
娘の高麗大学校入学にあたり、高校時代の2週間のインターンのみで研究論文の筆頭著者に挙げられ、それを利用して不正入学したとされる疑惑[54]。2023年8月10日、ソウル中央地検は娘を虚偽作成公文書行使や業務妨害などの罪で在宅起訴した[55]。2024年3月22日、ソウル中央地裁は娘に罰金1000万ウォンの判決を言い渡した[56]
娘の不正進学疑惑
娘の大学院進学にあたり、妻により偽造された東洋大学校総長の表彰状が利用された疑惑[54]。このほか別の大学でインターンをしていたとする時期とケニアで医療ボランティアをしていたとする時期が重複していることも疑惑として指摘されている[54]
2020年12月23日、ソウル中央地裁は、表彰状を偽造して提出した私文書偽造や偽造私文書行使罪などで妻に懲役4年、罰金5億ウォンの実刑判決を言い渡した[57]。2021年8月24日、釜山大学校は、娘が同大医学専門大学院に入学した際に不正があったことを認め、入学を取り消す決定を下したと明らかにした[58][59][60]。韓国メディアは、娘は医師国家試験に合格し、研修医として活動しているが、入学取り消しで医師免許も剥奪される可能性が高いと報道した[58][59][60]。2022年1月27日、大法院が上告を棄却したため、妻の懲役4年の実刑判決が確定した[61]
息子の徴兵忌避疑惑
アメリカ生まれの息子が米韓の二重国籍状態にあり、2019年8月時点で入営を5度延期していたことから、兵役逃れを試みていたとする疑惑[23]
私募ファンドの不正投資疑惑
民間投資会社(私募ファンド)に74億ウォンの投資約定をしながら実際は10億5000万ウォンしか投資しないことで財産隠しを謀ったのではないかという疑惑[23]。2019年9月16日には私募ファンドの実質的運営者であるチョ・ボムドンが逮捕された[54]
熊東学園関連疑惑
弟は2016年から約1年間、曺一家が運営していた学校法人「熊東学園」の事務局長を務めていたが、教師を採用する際に出願者2人の親から計2億1000万ウォンの賄賂を受け取り、試験問題などを渡した疑惑がある。また、弟は熊東学園から虚偽の工事を根拠に工事代金の債券を確保し、同学校法人を相手取って自ら訴訟を起こし、100億ウォン以上の債務逃れを行った疑惑もある[62][63][64]
従祖父の叙勲申請脱落
正しい未来党池尚昱朝鮮語版議員は2019年10月10日、国家報勲処への質疑で曺国の従祖父の曺孟奎の叙勲申請状況について聞いた。国家報勲処によると2006年に一回申請したことがあるが却下された。原因は提示していなかったが、池は曺孟奎が左翼団体民主主義民族戦線の中央委員を務め、光復後に南朝鮮労働党の労働部長を務めたことがあると述べた[65][66]

著作権違反疑惑

2019年9月4日には、曹が大学教授になるのに決定的な役割を果たしたソウル大法学修士論文において、実は複数の日本人学者の先行論文をそのまま出典もつけずに朝鮮語訳されている部分が33ヶ所もあり、それが論文の30%も占めることが発覚した。

曹が1989年に執筆した「ソビエト社会主義法・刑法理論の形成と展開に関する研究」は、明らかに藤田勇、上田寬、織田博、福島正夫中山研一を始めとする日本人らの論文などをただ朝鮮語訳してコピーした後、脚注などの出典や引用のための引用符使用、さらには自分の言葉で言い換えるパラフレージングも全く行わず、そのまま剽窃していたことが確認された。単独で執筆したことになっていたが、共著者レベルの剽窃を受けた日本人らから著作権違反での提訴も可能だと指摘されている。朝鮮日報は、反日を扇動していた曹が日本に依存していた実態に驚愕したと伝えている[67]

2019年に始まった日本政府主導の「キャッシュレス」化政策にも影響を与えたと言われる韓国のキャッシュレス比率の高さ(96%と言われる)には、歴代の韓国の左翼政権による政策と深い関係があり、それを引き継ぐ文大統領の理論的な支柱になっている曺国が藤田勇らの業績を学習した結果でもあり、そういった方面にまで日本との韓国との関係が存在する、との櫻井澄夫による指摘がある[68]

年齢詐称疑惑

2019年9月、韓国元野党議員で弁護士の康容碩が、YouTubeで曹は(自らが主張している1965年ではなく)1963年生まれであると、「1963年4月6日」生れと記された軍隊所属時代の名簿(写真)を証拠として告発した[9]。これが事実であれば「ソウル大学に16歳で飛び級入学した」という逸話も(1963年生まれならば入学は18歳で普通であるため)虚偽であった事になる。

息子の大学の試験を自ら解答して合格させる不正

2022年9月、曹が、妻の鄭慶心と共謀して、米国のジョージ・ワシントン大学に在学中の息子の試験問題を代わりに解くという不正行為を行っていたと報じられた。

内容は、息子のチョ・ウォンのオンライン試験問題を撮影して家族のチャットルームに載せ、曹夫妻がこれを解答するという不正手法を使っていたというもので、チョ・ウォンは歴史学関連科目の試験で満点を受けた。ソウル中央地裁の審理で開かれた不正入試と不正試験の裁判で、検察の証拠調査内容が公開された。検察は「大学の規定では落第する行為」「ある教授は、発覚していれば0点処理していたと陳述した」「偽計業務妨害罪に該当する」と指摘した。また、検察は曹夫婦が、息子の大学入試に直接関与しただけでなく、在学中だった期間全般で、オンライン試験の代理解答と課題の代理作成の不正行為を行ってきたと主張した。これに対して曹国側は「チョ・ウォンは2011年に校内暴力にあい、それ以後ずっと後遺症があった」「そのためにいろいろとケアの必要性があった」と述べた[69]


注釈

  1. ^ 曹国の法的年齢は1965年生まれとなっているが、ソウル大学に17歳の1982年に入学し、通常19歳で大学に進学する韓国社会で極めて異例の部分と評価されてきたが、文在寅政府の法務部次官を歴任したイ・ヨングが1964年生まれだが、曹国に向かって兄と称し、曹国の軍服務当時の人事記録が記載された書類に1965年生まれではなく1963年生まれと記載された事項を勘案して、実際には1965年生まれではなく1963年生まれではないかという疑惑が提起されている。 韓国では赤ちゃんが生まれて出生届を出す際に病院の出生証明書を添付する義務があるが、事情がある場合、2016年まで家族がこれを省略して代理申告をすることができるようになっていたが、この過程で特別な証明書類なしに任意で出生届を出すことができた状況だった。(2023年現在は出生証明書省略出生届不可)そのため、彼の娘であるチョ・ミンも戸籍上、生年月日を裁判所の許可を受けながら訂正した前歴までマスコミに知らされ、曹国も実際の年齢は違うのではないかという疑惑がさらに増幅した。
  2. ^ 」の字は朝鮮で専ら姓氏で用いられ、「法曹」の「曹」とは別個の正字体として扱われるが、日本では「曹」の異字体として扱われる。また、「國」の字はかつて日朝双方で正字体だったが、当用漢字導入後の日本では「国」の旧字体という扱いに変わった。
  3. ^ 韓国では1980年代半ばからマスメディアにおける漢字の使用頻度が減少しており、基本的には固有名詞であってもハングルのみの表記となる。韓国における漢字の扱いについては朝鮮における漢字またはハングル専用文と漢字ハングル混じり文を参照の事。
  4. ^ 가 하면 맨스 이 하면 륜」の略語。
  5. ^ 曹の配偶者が同一事件の公訴事実で有罪判決が宣告され服役中だという事実で家族が同時拘束されれば控訴審で防御権行使に支障がありうるという理由を挙げて曹の1審裁判部は曹に対して実刑を宣告したが法廷で拘束することはなかった。 上級審で懲役刑の判決が確定宣告されれば拘束執行が行われることになる。 曹は1審の実刑宣告に無罪趣旨で不服および控訴し、検察も1審で公訴事実の中で一部無罪判決が出た部分に対して不服および控訴したため2023年9月18日現在控訴審裁判進行中だ。

出典

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