広島広域公園陸上競技場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 13:30 UTC 版)
施設概要
立地
広島市北西部にニュータウンとして整備された西風新都エリア(旧・広島西部丘陵都市)において、広島市で開催されることになっていた1994年アジア競技大会および1996年(平成8年)の第51回国民体育大会(ひろしま国体)の主会場地区として整備された広島広域公園に1992年(平成4年)9月に建設された(アジア大会の運営リハーサル大会として、同年にここを主会場にAFCアジアカップ1992が行われ、これがこけら落しとなっている)。競技場建設工事の発注は、広島市ではなく西風新都エリア全体を整備した住宅・都市整備公団(現・都市再生機構)が行っている[1]。
トラック
日本陸上競技連盟第1種公認(旧基準)、8レーンの全天候型トラック。補助競技場は6レーンとなっている。(ホームストレートは8レーン)いずれも1周400m。
フィールド
インフィールドはサッカーおよびラグビーに対応した107m×73.3mの天然芝フィールドを有する。
サンフレッチェ広島は1992年-1993年はアジア競技大会ひろしま1994開催に備えた芝生保護のため試合数に大幅な制限をかけられた[注 2] が、1994年(Jリーグへの公式な移転届けの提出は1996年)以後は年間の主催試合の過半数を開催する本拠地に昇格した。
スタンド
フィールドをすり鉢状に囲むように一層式のスタンドが設けられている。スタンドは全周囲が連続した構造で、メインスタンド側とバックスタンド側はスタンド高さが延長されている。全席いす席で、完成当初はメインスタンドの一部を除いてすべてベンチシートとなっていたが、アジアサッカー連盟がAFCチャンピオンズリーグのスタジアム基準として「5000席以上の背もたれ付き個別席の設置」を義務づけたことから、2019年にバックスタンド中央下部を背もたれ付き個別席に改修している。サンフレッチェの試合(リーグ戦)では当初ここを指定席扱いとした(改修前は自由席扱い)が、客足が伸びなかったため、6月以後の試合においてはこの取り扱いを取りやめて、原則自由席扱いに戻した[2]。
メインスタンドには、愛称の「ビッグアーチ」の由来ともなったアーチ状の大屋根がかかっている。この大屋根は広島平和記念公園の原爆ドームをイメージしたとも言われている[3]。メインスタンド以外の座席には屋根は設けられていないため、FIFAワールドカップのスタジアム基準を満たしていない。
照明設備は、メインスタンド側はアーチ状屋根に一体化されており、バックスタンド側に鉄塔式の照明灯が2基設置されている。
大型映像装置
ホーム側バックスタンド上方に大型の電光掲示板(電球式・単色)、アウェー側バックスタンド上方にフルカラーの大型映像装置(幅9,600mm×高さ7,200mm、475インチ相当[4][5])が設けられている。
このうちフルカラーの大型ビジョンについては、1994年に広島市が9億2500万円を投じて設置したもの[4]だが、2013年2月26日開催のAFCチャンピオンズリーグ2013第1戦・広島対FCブニョドコル戦で不具合が判明[6] し、使用できなくなった。復旧に時間を要していることからサンフレッチェは暫定的に車載型大型映像装置を調達してしのいできたが、Jリーグから改善勧告を受けたことで広島市に本格的な対処を要請した[7]。この大型ビジョンはメーカーの製造終了から相当期間が経過しており、部品の調達等も困難となっていることから広島市では既存映像装置の復旧を事実上断念し[8]、当面は引き続き車載型大型映像装置を使用(但しこれまでに映像装置の使用実績がある大会〈サンフレッチェ主管試合、織田記念陸上など〉に用途を限定)し、7月に仮設の大型映像装置をリースにより調達の上、故障した映像装置の前に設置することとした。
この仮設大型映像装置は幅7,680mm×高さ5,760mm(380インチ相当)のパナソニックアストロビジョンで設置費用は1,417万5,000円(2014年3月末までのリース代込み)[5]、25台のモニターを組み合わせたものとなっている[9]。2013年7月10日開催のJ1第15節・広島対川崎の試合より使われることになり、映像装置が設置される付近の最上段を立ち入り禁止(横断幕の設置も禁止)とする措置を執ることになった[10]。
2014年度以降の対応については予算編成時までに改めて検討するとしていたが、同年6月から7月にかけて、広島市によって再改修が行われた。これまで設置されていた仮設大型映像装置、及び故障後放置されていた既設の大型映像装置の表示パネルを撤去、撤去後の既設装置の表示部に幅9,600mm×高さ6,912mm(465.7インチ相当)のパナソニックアストロビジョンを設置することとなった。設置費用は2,214万円(撤去・処分費、設置費と2015年3月末までのリース代)[11][12]。2014年7月15日開催のJ1第12節・広島対横浜FM戦より使用されている。前年に続き名目上は仮設装置という形での対応となったが、市が『多額の費用が掛かる全面的な改修についてはサッカースタジアムの議論が進行している中で慎重を期する必要がある』としているためである[4][8]。
- ^ a b c 広島広域公園陸上競技場メインスタンド|実績の紹介 - 大林組公式サイト
- ^ “バック指定席の廃止(一部を除く)についてのお知らせ”. サンフレッチェ広島公式サイト (2019年5月20日). 2019年9月25日閲覧。
- ^ a b c d インターナショナル・ヘラルド・トリビューン (1997年1月3日). “Soccer Needs Hiroshima As a World Cup Symbol”. 2011年9月25日閲覧。
- ^ a b c “エディスタに仮設の映像装置”. 中国新聞 (47NEWS). (2013年4月5日) 2013年7月6日閲覧。
- ^ a b 『エディオンスタジアム広島(広島広域公園陸上競技場)の仮設大型映像装置の使用開始について』(プレスリリース)広島市都市整備局緑化推進部緑政課、2013年7月2日 。2013年7月6日閲覧。
- ^ 『広島広域公園陸上競技場大型映像装置の不具合について』(プレスリリース)サンフレッチェ広島、2013年2月27日 。2013年7月6日閲覧。
- ^ 『「エディオンスタジアム広島の大型映像装置改善の勧告」について』(プレスリリース)サンフレッチェ広島、2013年3月19日 。2013年7月6日閲覧。
- ^ a b 『広島広域公園陸上競技場「エディオンスタジアム広島」の大型映像装置不具合への対応について』(プレスリリース)広島市都市整備局緑化推進部緑政課、2013年4月5日 。2013年7月6日閲覧。
- ^ “エディスタに仮設ビジョン”. 中国新聞. (2013年7月4日) 2013年7月6日閲覧。
- ^ 『エディオンスタジアム広島 仮設大型映像装置の設置に関して』(プレスリリース)サンフレッチェ広島、2013年7月5日 。2013年7月6日閲覧。
- ^ 『エディオンスタジアム広島(広島広域公園陸上競技場)の仮設大型映像装置について』(プレスリリース)広島市都市整備局緑化推進部緑政課、2014年6月17日 。2014年8月6日閲覧。
- ^ 『エディオンスタジアム広島の大型映像装置について』(プレスリリース)サンフレッチェ広島、2014年7月11日 。2014年8月6日閲覧。
- ^ 中国新聞 (2009年10月28日). “W杯屋根架け 新球場建設にらみ断念”. 2011年9月25日閲覧。
- ^ 中国新聞 (1998年1月3日). “自治体クライシス、ア大会投資が財政圧迫-活性化の手法曲がり角”. 2006年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月19日閲覧。
- ^ 47NEWS (2009年11月4日). “W杯への立候補見送り、広島市 五輪招致に専念”. 2009年11月4日閲覧。
- ^ 中国新聞 (2009年10月31日). “W杯招致を広島市が検討”. 2009年11月4日閲覧。
- ^ “広島広域公園陸上競技場の命名権取得と呼称の決定について”. エディオンプレスリリース (2012年11月21日). 2012年11月21日閲覧。
- ^ “広島広域公園陸上競技場の命名権取得者と呼称の決定について”. 広島市・報道資料 (2012年11月21日). 2012年11月21日閲覧。
- ^ “広島広域公園陸上競技場(エディオンスタジアム広島) の命名権契約の更新について”. 広島市・報道資料 (2022−12−23). 2023年4月25日閲覧。
- ^ 「エディスタの「次」は? 命名権料500万円以上に大幅値下げして契約募集」『中国新聞』、2023年10月9日。2023年10月9日閲覧。
- ^ “広島広域公園陸上競技場、ホットスタッフが命名権取得”. 日本経済新聞 (2023年11月22日). 2023年11月22日閲覧。
- ^ a b “交通・周辺案内”. サンフレッチェ広島. 2016年3月7日閲覧。
- ^ a b c d “アクセス”. 公益財団法人広島市スポーツ協会. 2016年3月7日閲覧。
固有名詞の分類
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