小田急4000形電車 (2代)
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沿革
2007年9月22日から小田急線内で運行を開始[29]、同年9月29日からは千代田線直通列車での運用も開始された[29]。
4000形の投入が進められ、千代田線直通列車は全て10両固定編成化されたため[39]、それまで千代田線直通列車に使用されていた1000形のうち、4両固定編成と6両固定編成を連結して10両編成を組成していた車両はATC装置を撤去[39]の上で地上線運用に転用され、初代5000形・5200形の淘汰が進められた[40][注釈 6]。その後も増備は進められ、2010年までには1000形の10両固定編成運用は千代田線直通列車から外れ[41]、直通列車は4000形のみの運用となった[41]。
千代田線直通以外にも、小田原線・江ノ島線で急行や快速急行、多摩線の快速急行、通勤急行、急行、各駅停車など他の10両固定編成と一緒に幅広く運用されている[4]。なお、有効長の関係で小田原駅発着の各駅停車、小田急箱根鉄道線直通列車、江ノ島線の各駅停車には充当されない。2019年3月15日までは新宿駅 - 代々木上原駅間各駅の有効長も10両未対応であったが、翌3月16日より対応するようになり新宿駅発着の各駅停車にも充当されるようになった。
常磐緩行線直通では緩行線の終点である取手駅にも乗り入れる。また、小田急の車両が茨城県・千葉県に乗り入れるのはこれが初である。
2007年時点では、小田急での優先席設置位置は各車両の新宿側車端部であり、車両概説の節で述べた優先席付近の色分けもそのようになっていた。しかし、2009年3月に優先席の位置を各車両の小田原側車端部に変更した[3]が、内装材はそのまま存置された[3]。
初年度となる2007年度には1次車として7編成(4051×10 - 4057×10)が製造された。このうち4056×10はJR東日本新津車両製作所が製造を担当した[42]。
2009年度には2次車[43] となる4編成(4058×10 - 4061×10)が製造された[44]。この2009年度以降の増備車では、優先席付近の色分けも当初より小田原側車端部で設定されている[3]。
2010年度には3次車となる[43]2編成(4062×10・4063×10)が製造された[45]。このうち4063×10の5 - 10号車はJR東日本新津車両製作所が製造を担当している[46]。
2011年度には1編成(4064×10)が製造された[47]。この編成も3次車に分類されている[43]。
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4065×10のLCD
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常磐緩行線に直通する4000形(2016年4月18日)
2012年度には4次車[43]となる1編成(4065×10)が製造された[48][28]。この年度からは、鉄道車両では初となる調光機能付きのLED照明が導入され[48][28][49]、車内LCDが横長の2画面に変更されている[28]。また、優先席部に位置するLED照明は電球色として、一般席との区別がされている[43]。「ぶつかりやすい」との声が出たため、1,630mmと1,580mmの2種類あったつり革の長さが、1,630mmの1種類に統一されている[43][27]。そのほか、連結面寄り座席部の荷棚端に落下防止板を取り付けた[43]。4065×10は総合車両製作所横浜事業所から小田急に納入された最初の車両である[50]。なお、初期の編成も順次、車内LCDが4065×10に準じたものに変更されている[51]。
2013年4月から常磐緩行線乗入れにそなえた改造工事が順次実施された[52]。2015(平成27)年9月27日には4064×10が松戸車両センターへ回送され、9月29日に常磐緩行線我孫子までの試運転が実施された[53]。その後、2016年3月26日から常磐緩行線での営業運転を開始した。
上記の常磐線乗り入れに合わせ、2016年2月頃から順次前面のLED表示方法が変更されている。日本語と英語が3秒ごとの交互に表示されるものから、日本語の下に英語が表示される方法へ変更されている。
2016年度の鉄道事業設備投資計画において、2012年度以来4年ぶりとなる増備(10両×1編成)が発表された[54]。2016年12月20日に増備車である4066×10がJ-TREC横浜事業所から出場、海老名まで輸送された。登場当初は小田急線内限定にして運用されていた。2017年11月1日にハイアットリージェンシー東京で行われた2018年3月17日の新ダイヤ発表記者会見において、当編成はダイヤ改正に伴う輸送力増強用と発表された[55]。
2016年9月10日には、乗り入れ先の常磐線松戸車両センターにて長岡車両センター所属のEF64形1032号機(双頭連結器・ブレーキ読替指令装置を搭載しており、ベースであるE233系との連結機能付き)との併結試験が行われ[56]、11月4日には、4060×10がEF64形1031号機牽引で、千代田線で導入予定のホームドア関連および常磐緩行線におけるCBTC導入関連の改造などを行うため、事前に回送してあった松戸車両センターから大宮総合車両センターへ配給輸送され[57]、2017年1月12日に大宮総合車両センターから出場した[58]。大手私鉄の通勤型車両がJRの工場へ入場するのは極めて珍しく、その後も大宮総合車両センターへの入場は2018年まで行われた[59]。
注釈
- ^ 4065×10以降が該当する。
- ^ 新宿側が6両・小田原側が4両となった10両編成を、趣味者がこのように呼ぶことがある(『鉄道ピクトリアル』通巻546号 p.109)。
- ^ ■マンセル記号「5B 4/6」(鉄道ピクトリアル 通巻829号 中山嘉彦『小田急車両 -音と色-』 (2010) p.191)。
- ^ ■マンセル記号「2.14PB 4.22/8.48」(鉄道ピクトリアル 通巻829号 中山嘉彦『小田急車両 -音と色-』 (2010) p.191)。
- ^ 出力を190kWとするため、放熱性能の向上および狭軌台車に搭載するための小型軽量化のために、内機循環経路から外気への放熱効率を従来よりも向上させ、内部の循環空気を冷却する放熱システムとしている。さらに、ローターバーの材質にクロム銅合金を採用して損失を抑制し、発熱量を低減している。主電動機の極数は従来の4極から6極に変更して、コイルエンドのコンパクト化を図ったことで小型軽量化している。
- ^ 地上線に転用した1000形によって、5000形・5200形を置き換えた。
出典
- ^ 鉄道ピクトリアル 通巻829号 岸上明彦『小田急電鉄 車歴表』 (2010) p.305
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