国際連合安全保障理事会 特徴

国際連合安全保障理事会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 15:04 UTC 版)

特徴

日本語では安全保障理事会国連安保理安保理(あんぽり)[2]とも略称される。

安保理が機能しなくなった場合、国連総会が「平和のための結集」決議に基づき、軍事的措置を含む行動を加盟国に対し勧告することができる。

構成

5ヶ国の常任理事国Permanent members 5, P5)と、加盟国の中から総会で選ばれる10ヶ国の「非常任理事国(Non-Permanent members)」の計15ヶ国から構成されている(国連憲章第23条1項)。1965年の改革以前は、非常任理事国は6ヶ国で、計11ヶ国であった[3]

非常任理事国の任期は2年(国連憲章第23条2項)。現在は地域グループによって西欧その他2、東欧1、アジア太平洋2、中南米2、アフリカ3の配分になっている。

非常任理事国の選出は総会における選挙で行われる。毎年半数を改選し、投票は国連加盟国の無記名投票による。選出には2/3の賛成が必要で(国連憲章第18条2項)、どの国々も条件を満たさない場合は何度でも再投票を行う。日本は非常任理事国として11期務め、延べ22年間に渡って非常任理事国を務めたことになり、世界最多である。

各理事国の代表は、国連本部に常駐することが国連憲章で義務づけられている(国連憲章第28条1項)。これは緊急事態に際して迅速に集まって会合を開くことができるようにするためである。国際連盟がしばしば緊急時に素早い対応ができず、結果的に第二次世界大戦の勃発を防げなかったことへの反省からであった。

理事国

  安保理常任理事国
  2023年の非常任理事国

常任理事国

安保理常任理事国は、中国フランスロシアイギリス[注釈 1]アメリカの5ヶ国である[4]。1945年10月24日の国際連合設立当時の安保理常任理事国はアメリカフランスイギリス中華民国ソ連[注釈 2]で、いずれも第二次世界大戦に勝利した連合国である。その後1971年10月25日にそれまで中華民国(台湾)が持っていた代表権が中華人民共和国(中国)に与えられたこと(アルバニア決議)により安保理常任理事国に移動が発生した。

1991年12月25日にソ連崩壊に伴って同国が持っていた国連代表権がロシアへと引き継がれた。ただし、常任理事国の国名が明記されている国連憲章第5章第23条そのものは2022年現在も改正されていない[5]。英語の「Permanent members」から「P5」と呼ばれる。


注釈

  1. ^ 正式名称はグレート・ブリテン及び北アイルランド連合王国である
  2. ^ 正式名称はソヴィエト社会主義共和国連邦である
  3. ^ バングラデシュが当選。

出典

  1. ^ a b Security Council Presidency” (英語). 国際連合. 2024年4月2日閲覧。
  2. ^ 安保理(あんぽり)の意味”. goo国語辞書. 2020年10月20日閲覧。
  3. ^ Weiss, Thomas G. The Illusion of UN Security Council Reform (PDF) , Washington Quarterly, Autumn 2003
  4. ^ 安全保障理事会”. 2021年2月20日閲覧。
  5. ^ 高橋洋一 (2022年3月18日). “国連安保理、常任理事国からロシアを外すだけでは不十分…改革に限界も G7中心の〝世界平和〟体制を”. 夕刊フジ. https://www.zakzak.co.jp/article/20220318-4DMC4RCJFJLILJULEZ54HHQLNQ/ 2022年7月14日閲覧。 
  6. ^ 我が国の過去の選挙結果 (PDF) - 外務省
  7. ^ 日本の国連安保理非常任理事国への選出について(外務大臣談話)”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2022年6月9日閲覧。
  8. ^ a b 日本、問われる外交手腕 12回目の非常任理事国―国連安保理改選”. 時事通信社 (2022年6月10日). 2022年6月10日閲覧。
  9. ^ a b 日本が国連安保理の非常任理事国に当選 加盟国中最多の12回目”. 日本放送協会 (2022年6月10日). 2022年6月10日閲覧。
  10. ^ “サウジ、安保理非常任理事国を辞退”. 日本経済新聞. (2013年10月18日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1804O_Y3A011C1FF1000/ 2013年10月20日閲覧。 
  11. ^ “サウジアラビア:国連安保理「非常任」辞退 「二重基準」を批判”. 毎日新聞. (2013年10月19日). オリジナルの2013年10月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131020093246/http://mainichi.jp/select/news/20131019ddm007030031000c.html 2022年6月10日閲覧。 
  12. ^ “サウジアラビア、安保理の非常任理事国ポストを辞退”. 朝日新聞. (2013年10月19日). オリジナルの2013年10月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131019145855/http://www.asahi.com/international/update/1019/TKY201310180542.html 2022年6月10日閲覧。 
  13. ^ “非常任理事国にヨルダン サウジ辞退を受け選出”. 朝日新聞. (2013年12月7日). オリジナルの2013年12月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131207112544/http://www.asahi.com/articles/TKY201312070072.html 2022年6月10日閲覧。 






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