台所 台所の設備

台所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/02 10:47 UTC 版)

台所の設備

  • 流し台
    大きな鍋など、使用する調理器具に応じた深さ、大きさが必要。シンクの面積が大きい場合、作業スペースを圧迫する場合もある。
  • 換気設備
    給排気設備を利用し、台所を負圧にすることで臭気の拡散や不完全燃焼によるCO中毒を防止できる。給排気計算・必要換気量や排気フードの設定が適切でない場合、正常に換気されない。
  • 加熱調理機器
    ガスコンロオーブン、シーズヒーター、ハロゲンヒーターIHクッキングヒーターがなどがある。ガス機器使用の場合は必ず換気設備などにより換気が必須となる。熱源が電気の場合は必ずしも換気設備は必要ではないが、発生蒸気やにおいを拡散させないために換気設備の使用が望ましい。
  • 給水設備
    シングルレバー式は開閉が簡易で便利だが、急に閉めると水道管に負担がかかり、故障の原因になる。
  • 排水設備
    シンク排水部や配水管には、下水の臭気が上がってこないように水を利用した防臭トラップと呼ばれる機構が設けられている。台所に下水の臭気が頻繁にする場合、トラップの不具合や排水管の接合部が破損していることなどが考えられる。

台所の分類

レイアウトによる分類

アイランド型キッチン
  • I型
    台所機能を直線的に配置したレイアウト。冷蔵庫も同一線上に配置されることが多い。台所空間を小さくすることができる。長さが伸びると作業動線が長くなる。
  • 2列型
    台所機能を2つに分け、2列に直線配置したレイアウト。作業動線を小さくすることができる。独立性が高くなる。
  • L型
    台所機能をL字に配置したレイアウト。開放的な台所空間が作れる。比較的広いスペースが必要で、長さが伸びると作業動線が長くなる。
  • U型
    台所機能をU字に配置したレイアウト。開放性と独立性を持たせることができる。独立した台所空間が必要。
  • アイランド型
    シンクや加熱調理器を壁から離れた場所(島)に配置したレイアウト。多人数での作業に適している。広い空間と衛生上の注意(排煙など)が必要。
  • ペニンシュラ型
    作業台の一部をダイニングテーブルと半島状に接続したレイアウト。広く、開放的な台所空間を作ることができる。

構成による分類

  • セクショナル(セパレート)キッチン
    流し台、調理台、コンロ台、収納庫などの部材を並列配置して構成された台所。一般的には製造費が安く、取替えも比較的簡単であるが、テーブルトップに繋ぎ目ができ、また、規格によって製造されるため、意匠や構成の制限が大きい。奥行き寸法は550mmと600mmがある。間口寸法は組み合わせにより調整が可能で、通常150mmの倍数で構成される。材質はテーブルトップがステンレス、キャビネットはプリント合板(合板に柄を印刷したもの)やほうろう仕上げ鋼板等が一般的である。
  • システムキッチン
    別名ユニットキッチンともいわれ、流し台、調理台、コンロ台、収納庫、自動食器洗い機などの部材をパーツとして組み合わせ、一枚板で製造されたテーブルトップを乗せた一体構成の台所。構成選択の幅が広く、意匠的な統一感が図られるが、部材の取替えは困難である。日本におけるシステムキッチンの部材は各メーカーで規格が違うため、メーカーを超えての構成、取替えは通常不可能である。奥行き寸法は間口の小さいミニキッチンで600mm、一般的なものでは650mmであるが、それ以上の大きさを持たせるメーカーもある。幅は小さいもので900mm、一般家庭用では1800mm,2400mm,2550mm,2700mmなどが使われる。材質はテーブルトップがステンレスや合成樹脂、キャビネットは化粧合板合成樹脂鋼板等が一般的である。

台所の配置

世界的に見た場合、気温によって火と水の使い方に大きな違いがあり、それにより食空間の形態や調理法にも違いが生じている[8]。気温が低く、日照時間の短い地域ほど、台所の火は暖房や住まいの照明として非常に重要となり、台所はリビング寝室など、生活と密接した位置に設けられる。一方、年間を通じて気温の高い地域では、火から離れたほうが快適であるために、台所は生活から離れた場所に設けられる[9]

方位との関係

台所はかつて、北側に配置される傾向が強かった。これには、冷蔵庫などの保存技術が発達していなかったため、日光による食物の腐敗を防ぐ目的があった。従来の傾向は保存技術が発達した時代になっても伝統的に受け継がれることが多かったが、近年は生活様式の変化により、居間、食事室と一体化した台所が南側に配置されることもしばしば見受けられるようになった。

食堂との関係

作る場である台所は、食べる場である食堂(ダイニングルーム)との関係が非常に重要になってくる。より独立性を持たせ、臭気の拡散を防ぐ独立型キッチン、作業台や流しが食事室方向に向き、家族と会話しながら作業できる対面式キッチン(喫茶店や食堂のカウンター席がこの形式である)、ダイニングテーブルと台所流し天板が一体になった開放型(オープン)キッチンまで様々である。

台所とバリアフリー

台所には、ある程度の広さが確保されていないと、身体に障害のある者にとっては使いにくい場合がある。例えば、車椅子を使用している者が調理を行う場合、通常の車椅子には真横に移動する機能が存在しないために、移動の際には車椅子の方向転換がしばしば必要となる。この方向転換には、ある程度の空間が必要であるため、台所が狭いと支障が出る。




  1. ^ a b c d e f キッチンの歴史 キッチン・バス工業会、2017年5月15日閲覧。
  2. ^ 2011年12月8日(木曜)放送、NHK『クローズアップ現代』番組内の解説を一部参考。
  3. ^ a b 宮崎 2009, pp. 128-159.
  4. ^ ドイツ製キッチンの魅力とは?~世界のハウズから~ リフォーム産業新聞、2017年5月15日閲覧。
  5. ^ a b キッチンの歴史 大正デモクラシーの時代 キッチン・バス工業会、2017年5月15日閲覧。
  6. ^ キッチンの歴史 ステンレス流し台の普及 キッチン・バス工業会、2017年5月15日閲覧。
  7. ^ キッチンの歴史 システムキッチンの登場 キッチン・バス工業会、2017年5月15日閲覧。
  8. ^ 宮崎 2009, pp. 22-26.
  9. ^ 宮崎 2009, p. 108.
  10. ^ 国内事業の構造改革の実施関するお知らせ:ノーリツ
  11. ^ ノーリツが希望退職で600名を削減 住宅システムから撤退 不景気ニュース
  12. ^ ノーリツ、住宅システム分野の生産開発から撤退 日本経済新聞2019年11月27日付け


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