原罪
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東方教会
正教会
正教会において原罪(ロシア語: Первородный грех, 英語: original sin)に対する認識は西方と幾分異なっている。[33]
正教会においては、西方教会における原罪の概念を否定的に捉えることから原罪という術語を用いる事にさえ慎重な見解をもつ者もいれば[4][5]、他方、原罪という術語を用いる事自体は忌避していない者もいる[34][35]。いずれにしても、西方教会における原罪についての理解・論争からは距離をとっている事は共通している。
西方教会では人間全てが完全に堕落し、十字架にかけられ罰を受けるべきだったがキリストが代わりに十字架にかかった、と強調し、東方教会では人間は完全に堕落したわけではないので罰を受ける必要はなかったが、完全な神の像のときアダムが罪を犯したため、完全な神の像であるハリストス(キリスト)が十字架にかかり罪を贖った、と強調する[4]。
正教会は、カトリック教会における教義(1854年決定)である、聖母マリアの無原罪の御宿りを認めない[35]。原罪の結果に対するアウグスティヌスの考え方に同意しない正教会において、無原罪懐胎の教理は、「誤り」であるというよりも、むしろ「不要」なものであると評される[36]。
参考文献
- 一般
- カトリック教会
- 教皇ベネディクト十六世の161回目の一般謁見演説
- 新要理書編纂特別委員会/編、日本カトリック司教協議会/監修『カトリック教会の教え』(2003年)カトリック中央協議会、ISBN 9784877501068
- 『カトリック大辞典 II』上智大学編纂、冨山房、昭和42年(1967年)第七刷
- CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: Original Sin
- Laudate | カテキズムを読もう
- フェデリコ・バルバロ (翻訳)『聖書』(1980年11月25日) ISBN 9784061426061
- プロテスタント
- 『キリスト教大事典 改訂新版』教文館、昭和52年(1977年) 改訂新版第四版
- フスト・ゴンサレス 著、鈴木浩 訳『キリスト教神学基本用語集』教文館 (2010年11月)、ISBN 9784764240353
- Lutheran Church - Missouri Synod - Christian Cyclopedia "Sin, Original"
- The Five Points of Calvinism (R. L. Dabney)
- WHAT DO UNITED METHODISTS BELIEVE? (Dr. William Bouknight)
- Methodism (By Dr. Richard P. Bucher)
- Southern Baptist Theologians and Original Sin (Dr. Mark A. Gstohl)
- 『旧約聖書略解』日本基督教団出版部、1986年第40版
- 『新聖書注解 (旧約 1)』いのちのことば社 (1976年9月) ISBN 9784264000082
- 正教会
- 罪と救い - 日本正教会公式サイト
- 府主教カリストス・ウェア著、司祭ダヴィド水口優明・司祭ゲオルギイ松島雄一訳『カリストス・ウェア主教論集1 私たちはどのように救われるのか』日本ハリストス正教会 西日本主教区 2003年9月1日
- "Orthodox Study Bible"
- Иустин (Попович), преп. - О первородном грехе
- 府主教イラリオン・アルフェエフ著、ニコライ高松光一訳『信仰の機密』2004年 東京復活大聖堂教会
- 長司祭 イオアン高橋保行『ギリシャ正教』講談社学術文庫 1980年7月10日(初版)、2004年12月20日(第23刷) ISBN 9784061585003
- ユダヤ教
関連項目
- ^ a b J・ゴンサレス著/鈴木浩訳『キリスト教神学基本用語集』p87,88 (2010年)
- ^ カトリック大辞典 II, p172 昭和42年
- ^ SIN - JewishEncyclopedia.com (英語)
- ^ a b c 罪と救い - 日本正教会公式サイト
- ^ a b 生神女マリヤへの理解 - 名古屋ハリストス正教会ホームページ
- ^ a b ウェア、松島, p8 (2003)
- ^ a b Иустин (Попович), преп. - О первородном грехе
- ^ "Orthodox Study Bible" p6
- ^ a b c d バルバロ, p10 (1980)
- ^ 『旧約聖書略解』p14
- ^ 『新聖書注解 (旧約 1)』 p91
- ^ a b c 『旧約聖書略解』p16
- ^ "Orthodox Study Bible" p8
- ^ 『新聖書注解 (旧約 1)』 p95
- ^ a b Laudate | カテキズムを読もう
- ^ 『旧約聖書略解』p17
- ^ a b c J・ゴンサレス著/鈴木浩訳『キリスト教神学基本用語集』p87,88 (2010年)
- ^ a b c 『キリスト教大事典 改訂新版』p390 (昭和52年)
- ^ CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: Councils of Orange
- ^ a b Historic Church Documents at Reformed.org About the Council of Orange
- ^ a b CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: Council of Trent
- ^ a b CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: Teaching of St. Augustine of Hippo
- ^ ウェア、松島, p10, p11, p14 (2003)
- ^ a b c 『カトリック教会の教え』p53 (2003)
- ^ a b 『カトリック教会の教え』p52 (2003)
- ^ a b 教皇ベネディクト十六世の161回目の一般謁見演説
- ^ カトリック大辞典 II, p174 昭和42年
- ^ a b 『カトリック教会の教え』p55 (2003)
- ^ 『カトリック教会の教え』p54 (2003)
- ^ カトリック大辞典 II, p175 昭和42年
- ^ Lutheran Church - Missouri Synod - Christian Cyclopedia "Sin, Original"
- ^ a b Methodism (By Dr. Richard P. Bucher)
- ^ "Orthodox Study Bible" p1784
- ^ アルフェエフ、高松 p56 - p58, 2004
- ^ a b 「正教会とローマ・カトリック教会の相異」 - 東方正教会内ページ、長司祭 イオアン長屋房夫による翻訳
- ^ 府主教カリストス・ウェア著、司祭ダヴィド水口優明・司祭ゲオルギイ松島雄一訳『カリストス・ウェア主教論集1 私たちはどのように救われるのか』17頁 - 18頁、日本ハリストス正教会 西日本主教区
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