冷媒 冷媒の概要

冷媒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 04:57 UTC 版)

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概要

冷媒は熱交換を必要とする機器(例: 冷蔵庫エア・コンディショナー)で循環する物質である。フルオロカーボンなどのいわゆるフロン類を指すことが多い。

冷媒に求められる性質

冷媒に求められる性質で、代表的なものは以下。

  • 冷凍サイクルの温度で安定であること
  • 冷凍サイクルの効率が良いこと
  • (蒸気圧縮冷凍サイクルの場合)冷凍機油となじみがよいこと
  • 人体に有害でないこと
  • 爆発性の無いこと
  • 地球温暖化係数の小さいこと
  • オゾン破壊係数の小さいこと
  • コストが経済性にかなう範囲であること

性質には一般的に相反するものも存在しており、すべてを充足する冷媒は今のところ存在しない。フロンオゾン層破壊の原因となるとして、国際協定の「モントリオール議定書」により規制が広まり、代替フロンが急速に広まった。

冷媒番号

冷媒番号は、アメリカ冷凍空調学会(ASHRAE)のStandard 34で定められた、冷媒の種類を表す番号(ISO817も同様の基準を採用)。

番号標記の原則

番号は「接頭辞+千の位の数+百の位の数+十の位の数+一の位の数+付加記号」であらわされる(各位の位の数がゼロの場合は省略される)。右(一の位の数)から読むのが正しい読み方である。

大まかな読み方は以下の通り。

  • 先頭 : 環状化合物なら、英大文字「C」をつける。
  • 千の位の数 : 炭素間の二重結合の数。ただし0(飽和)の場合は表示しない。
  • 百の位の数 : 炭素原子-1。ただし0(炭素1個)の場合は表示しない。
  • 十の位の数 : 水素の原子数+1
  • 一の位の数 : フッ素の原子数
  • 付加記号 : 臭素を含むなら、英大文字「B」+個数をつける。
  • 付加記号 : 異性体の区別があれば、2種類目以降は英小文字「a」「b」等をつける。

ただし、400~700番台はこの限りではない。100の位で大分類がなされる。10の位と1の位は2桁の数で、通し番号(400~600番台)もしくは分子量(700番台)である。さらに、混合物(400~500番台)の場合、英大文字の付加記号で異なる成分比率を表す。

接頭辞は正式にはR(refrigerantの略)だが、元素の種類に応じ、HFC(ハイドロフルオロカーボン)等を使うこともある。元素を表すアルファベットとその順序は、H(水素)・B(臭素)・C(塩素)・F(フッ素)・C(炭素)である。

接頭辞と番号の間にはハイフン「-」を入れることがある。

冷媒番号による冷媒の分類

(括弧内は例)

  • 000番台: メタン系化合物(R50(メタン))
  • 100番台: エタン系化合物(R170(エタン))
  • 200番台: プロパン系化合物(R290(プロパン))
  • 300番台: 環式化合物(C318)
  • 400番台: 非共沸混合物(R441AR443A
  • 500番台: 共沸混合物(R500、R501)
  • 600番台: 有機化合物(R600(ブタン)、R601(ペンタン
  • 700番台: 非有機化合物(R702(水素)、R704(ヘリウム)、R717(アンモニア)、R718()、R744(二酸化炭素))
  • 1000番台: 不飽和有機化合物

脚注

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