兼高かおる世界の旅 当番組の原盤フィルム

兼高かおる世界の旅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/22 13:26 UTC 版)

当番組の原盤フィルム

ファミリー劇場』で2010年 - 2011年初頭に放送された特別番組『月光仮面 〜幻の第一話を求めて〜』において、TBS緑山スタジオのフィルム倉庫の様子が映されていた。ここに至るには経緯があり、捨てられてしまった月光仮面第一話の原盤フィルムの代わりに、プリントが保存されているかもしれないということでTBS本社に赴き、データベース登録された作品に同作品が存在するかを検索してもらった。ところが「データベース上では見当たらないが、フィルム倉庫にはあるかもしれない」ということで、先のように緑山スタジオのフィルム倉庫の映像が映し出されるにいたった。倉庫の管理者は、数年前から原盤フィルムの整理をしてほしいと仕事を任されていると語り、その中で「ザ・ガードマン」とともに「兼高かおる」の名前を挙げて、テレビ創成期の貴重なネガが存在していることを紹介した。番組では、「兼高かおる」というラベルのある棚が映され、「60-1」や「61-10」などと仕切ったうえで、それぞれの中に、さらにネガやポジの違いなどを明記したラベルが付されたフィルム缶が保管されていた。ほとんどのフィルム缶には「200*年*月VTR変換済」との黄色く目立つラベルが新たに付されていた。

番組の受賞・推薦歴

1970年の放送では、当時の番組の受賞歴が、毎回オープニングで紹介されていた。しかし、翌1971年最初の放送(第33次ハイライト(アメリカ編))においては、以下のうち1962年から66年の4項目しか紹介されなかったが、翌週には元の6項目に戻った。余談だが、#0360 の「中東の王国 -サウジアラビア-」の放送回は1967年のため、当然のことながら同様に4項目しか受賞歴が掲載されなかった。

  • 1962年 - 日本放送作家協会企画賞
  • 1963年 - 広告電通教養報道番組部門
  • 1963年 - 米国観光省観光局長賞
  • 1966年 - 中央児童福祉審議会特別推薦
  • 1969年 - 在日外国政府観光協会功労賞
  • 1969年 - 第7回ギャラクシー賞
  • 1969年 - オーストラリア政府観光局 TVフイルム部門功労賞

以下は受賞年不明

  • インド政府観光局功労賞
  • フィリピン政府観光局賞
  • 英国政府観光庁賞
  • ベニス/ゴールデンライオン賞
  • ドイツ観光局報道賞

番組スポンサーの変遷

  • 『世界飛び歩き』時のスポンサーは石川島重工業(石川島播磨重工業→IHI)だったという[4]
  • 数年後には三井物産をはじめとする三井グループが務め、そのときは「三井ワールドアワー(MITSUI WORLD HOUR)」とついていた(1977年4月に『クイズ世界をあなたに』に引き継がれる)。
    • 三井グループ提供時の放映当時はスポンサーのCMが字幕の形で放送されていたが、番組自体は原則的にフィルム制作のため基本的に素材には字幕CMは印字されていない(1967年3月まで)。ただし、兼高と芥川のトークに顔出しパートがある場合(特に1967年4月以降のカラー放送)は一部の回では顔出しパートをビデオ収録していた(顔出しパートをフィルム収録した回もある)関係で番組全体をキネコで記録したものもあり、その該当回では放映当時の字幕CMが素材に残っているが修正されずに放送されている。こうした事情から本放送時にはカラーだったのが、TBSチャンネルでの再放送では白黒という回もある。
    • この当時、オープニング・エンディングにはインフォマーシャル的なコメントがあった。[注釈 8]
    (オープニング)「三井ワールド・アワー 兼高かおる世界の旅。この番組は躍進する日本経済の原動力、三井グループの代表11社の提供でお送りいたします。300年の伝統と信用。最も新しい経営と技術を誇る三井各社は、産業経済の発展に貢献するとともに、貿易を通じて広く世界に活躍しております。番組の制作に当たっては世界で最も経験ある航空会社・パンアメリカンの協力を得ました」
    (エンディング)「この番組は躍進する日本経済の担い手、三井グループの代表…(協賛11社読み上げ 中略)以上11社がお送りいたしました。パンアメリカン航空は、世界で最初に大西洋横断空路・中南米空路・太平洋横断空路・また世界一周空路を開設した航空会社です」
  • 1977年4月から1987年9月まで三洋電機(および同社グループ)による1社提供番組。
    • 三洋電機グループ提供時代にはヒッチハイク枠で同社の石油ファンヒーターの回収CMをおこなったことがあった。また1986年12月1日に「SANYO」のロゴが一新されたことを受けて、同年12月7日放送分からが歌うオープニングキャッチがリニューアルされCMソングも一新された。1978年以降1986年11月30日放送分までは「♪20歳(はたち)になろうが〜 50になろうが〜」の歌い出しで始まる当時のCMソング「青春1・2・3」がオープニングキャッチとして流された。12月以降は小坂明子が歌う「♪Somebody〜 今ハートがシンクロ〜」の歌い出しで始まる曲に変更された。
  • 1987年10月から関西ペイントの1社提供番組だったが、1989年10月から1990年9月までファーストグループなどの複数社提供となった。

注釈

  1. ^ 大阪ABC、岡山RSKは6月26日に「トルコ」の回を放送している
  2. ^ 1966年7月10日放送の第311回「南へのいざない」および1967年7月16日放送の第357回「ナッソーの魅力」の時点でのクレジット
  3. ^ 『TBS50年史』では芥川の後輩・落合博一とされている。
  4. ^ スカンジナビア航空は兼高が世界一周取材旅行をするきっかけを作った1958年の「世界一周早回り」の協賛社でもあった。
  5. ^ 当時の新聞には当該回にカラーマークは付いておらず、実際にカラーで放送されたかは不明。1975年3月30日の再放送ではカラーで放送されている。
  6. ^ 岡山RSK、大阪ABCはカラーマーク付き、広島RCCはマークなし
  7. ^ 「ナッソーの魅力」(#357 1967年7月16日放送)、「スコットランドの想い出」(#362 1967年8月20日放送)、「第18次取材ハイライト U.S.A.」(1967年9月10日放送)はモノクロ
  8. ^ 1967年3月放送の第16次取材旅行ハイライトではコメントが別途挿入されていたため、TBSチャンネルの再放送ではBGMのみが流れる。
  9. ^ なお、日本人の海外旅行が自由化されたのは1964年からである。
  10. ^ 芥川は最終回まで番組に参加していたが、この頃には既に肺癌が大きく進行しており、ナレーションも本調子とは言えない状態だったという。
  11. ^ 番組開始当初の製作クレジットは、TBS東京放送だった。
  12. ^ 2022年3月限りで特任教授を退任。2023年3月時点では「放送大学名誉教授」の肩書きを有している[16][17]
  13. ^ 現在は放送大学が所蔵している[16]

出典

  1. ^ 講談社 編『TVグラフィティ : 1953年〜1970年ブラウン管のスター・ヒーロー・名場面1700』講談社、1978年4月3日、203頁。NDLJP:12275878/105 
  2. ^ 志賀信夫『テレビヒット番組のひみつ : 「ジェスチャー」から「おしん」まで』日本放送出版協会、1984年8月1日、65 - 67頁。NDLJP:12275392/36 
  3. ^ デンマークノルウェースウェーデン
  4. ^ 『20世紀放送史・上』(日本放送協会編・発行、2001年刊)より
  5. ^ NHK出版「放送文化」(発行時期不明)
  6. ^ 兼高かおるさん「旅の資料館」閉館 来館者から惜しむ声 淡路島」『産経新聞』、2020年2月28日。2023年4月2日閲覧。
  7. ^ 北國新聞 1977年10月2日付朝刊テレビ欄および、北日本新聞 1990年3月25日付朝刊テレビ欄より。
  8. ^ 北國新聞 1977年10月2日付朝刊テレビ欄より。
  9. ^ 産経新聞・岡山版、1964年2月9日・5月3日、各テレビ欄。
  10. ^ 産経新聞・岡山版、1964年5月10日、各テレビ欄。
  11. ^ 徳島新聞 1966年4月4日付 朝刊7面「午前のTVラインナップ」によると金曜10:30から遅れネット
  12. ^ 週刊TVガイド岡山・四国版1986年1月18日 - 24日号
  13. ^ 下記に記述の秋田放送分と合わせ、出典は1988年(昭和63年)9月付け東奥日報テレビ欄より。
  14. ^ 『北日本新聞』1990年9月30日付朝刊、テレビ欄。
  15. ^ a b c 稲村哲也(放送大学特任教授) (30 November 2021). 放送大学キャンパスガイド 2021年10月号②【キャンパスチェック】番組紹介 BSキャンパスex特集【キャンパスプロファイル】 石崎 克也 教授 (テレビ番組). 放送大学. YouTubeより2023年4月2日閲覧「キャンパスチェック」コーナー
  16. ^ a b c d e 稲村哲也(放送大学名誉教授) (9 March 2023). 放送大学キャンパスガイド 2022年3月号③【キャンパスチェック】番組紹介 BSキャンパスex特集「考古・歴史・文化の今昔」【コラムOUJ】島内 裕子 教授 (テレビ番組). 放送大学. YouTubeより2023年4月2日閲覧「キャンパスチェック」コーナー
  17. ^ 稲村哲也、小川正人、田中統治、森岡淸志、迫田章義 (3 March 2022). 放送大学キャンパスガイド 2022年3月号②【キャンパスチェック】退任教員からのメッセージ【キャンパスプロファイル】迫田章義 教授 (テレビ番組). 放送大学. YouTubeより2023年4月6日閲覧番組前半「キャンパスチェック"退任教員からのメッセージ"」より
  18. ^ 「兼高かおる世界の旅」貴重な映像を観光文化論で公開しました』(プレスリリース)横浜商科大学、2022年8月4日https://www.shodai.ac.jp/news-topics/269/2023年4月2日閲覧 
  19. ^ NAOKO ANDO「兼高かおる 未来へのバトンパス」『The New York Times Style Magazine:JAPAN』、2021年6月18日。2023年4月2日閲覧。






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「兼高かおる世界の旅」の関連用語

兼高かおる世界の旅のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



兼高かおる世界の旅のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの兼高かおる世界の旅 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS