久松真一 久松真一の概要

久松真一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/24 09:00 UTC 版)

久松 真一
人物情報
国籍 日本
出身校 京都帝国大学
学問
学派 京都学派
研究分野 哲学
影響を
受けた人物
西田幾多郎
鈴木大拙
影響を
与えた人物
倉澤行洋
テンプレートを表示

生涯

岐阜県稲葉郡長良村(現・岐阜市)に生まれる。生家は浄土真宗門徒の農家で、幼年時代より真宗の僧侶になることを目指していたが、青年期に科学的知識に接し、従前の「中世的」信仰を棄て、理性の自律に基づく哲学を志した。第三高等学校を経て、1912年京都帝国大学文科大学哲学科に入学。西田幾多郎の哲学、鈴木大拙の禅学に影響を受け、東洋哲学、仏教、日本思想を研究。学問的対象として客観化できない「私といふもの自体の存在」の問題に悩み、1915年、西田の薦めによって妙心寺の池上湘山老師に参禅。直後の臘八大接心(旧暦12月1日から8日の朝まで、昼夜寝ずに座禅すること)において「無相の自己」に目覚める。

1919年臨済宗大学(現・花園大学)教授。1929年龍谷大学教授を兼ねる。1939年に主著『東洋的無』を刊行。1941年京都大学心茶会設立。1946年京都帝国大学教授、のち京都大学教授を務め、1953年に大学定年後、京都市立美術大学教授を務めた。1974年に故郷・岐阜市長良福光に移居。「私は死にません」という言葉を残し、1980年2月27日逝去。FAS協会代表を務める。

著書

  • 『東洋的無』弘文堂、1939、講談社学術文庫 1987。藤吉慈海校訂・解説
  • 『起信の課題』弘文堂書房、1947
  • 『茶の精神』弘文堂(アテネ文庫)1948
  • 『絶対主体道』弘文堂書房、1948
  • 『人間の真実存』法藏館(新書判)、1951
  • 『本當の自己にめざめる』花園大學出版部、1951
  • 『禅と美術』墨美社、1958
  • 『久松真一著作集』全8巻 理想社、1969-1980、新版(法蔵館)1994ほか
    • 増補『著作集 第9巻』 法藏館、1996
  • 『総不可道 FAS禅 久松抱石先生提唱』後近代体究所、1980
  • 『無神論』法藏館、1981、法藏館文庫 2022.9
  • 『墨海 久松真一の書』燈影舎(一燈園)、1982
  • 『わびの茶道』燈影舎(一燈園)、1987
  • 『茶道の哲学』講談社学術文庫 1987。藤吉慈海編
  • 『久松真一仏教講義』全4巻 法藏館、1990-1991

共編著

論文

その他

  • 2002年に「長良川画廊」において茶人八白庵椿翁と久松真一父子展が開かれた。
  • 岐阜市にある生家は抱石庵(久松真一記念館)として公開されている。



「久松真一」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「久松真一」の関連用語

久松真一のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



久松真一のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの久松真一 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS