世界国尽 その他

世界国尽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/28 22:33 UTC 版)

その他

『世界国尽』の復刻版

1968年昭和43年)に、日本近代文学館から「名著複刻全集近代文学館 明治前期 1-1~6」として、6冊からなる『世界国尽』の復刻版が発行されている。[4]

『世界国尽』の歌

『世界国尽』の本文を歌詞に編集し、曲をつけて、歌にしたものである。慶應義塾の創立90周年の1958年昭和33年)、塾員の上田寿四郎が本文を編集し、橋本国彦が作曲して成立した。その歌詞を1972年昭和47年)に桑原三郎が上田の許可を得て、小学生向きに改編して完成した。第26番まで歌詞があり、全曲を歌うと世界一周できるようになっている。[5]

『世界国尽』の模倣作品

仮名垣魯文は『世界国尽』を模倣した『首書絵入世界都路』という作品を発表している。七五調の7冊からなる本である。[6]

脚注

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書誌情報

  • 福澤諭吉 訳述『頭書大全(かしらがきたいぜん/とうしょたいぜん) 世界國盡』慶應義塾、1869年8月、初版。NDLJP:761278 - 初版木版半紙判6冊本。
    • 福澤諭吉 訳述『頭書大全(かしらがきたいぜん/とうしょたいぜん) 世界國盡』慶應義塾、1871年12月、2版。NDLJP:993092 - 再版木版半紙判合綴3冊本。
    • 福澤諭吉 著『素本(そほん) 世界國盡』内田晋斎 書、慶應義塾、1872年。 - 小型3冊本。
    • 福澤諭吉 著『真字素本(まなそほん) 世界國盡』福澤諭吉、1875年3月、新刻福澤氏版。NDLJP:993277 - 木版半紙判1冊本。
  • 福澤諭吉「世界國盡」『福澤全集』第2巻、時事新報社、1898年2月5日。NDLJP:898728/303
  • 福澤諭吉「世界國盡」『福澤全集』第2巻、石河幹明 編、國民圖書、1926年5月31日、679-792頁。NDLJP:979052/372
  • 福澤諭吉「世界國盡」『福澤諭吉全集』第2巻、富田正文・土橋俊一 編、岩波書店、1969年11月13日(原著1959年2月1日)、再版、579-668頁。
  • 福沢諭吉 訳述『世界国尽』日本近代文学館〈近代文学館 名著複刻全集 明治前期 1-1~6〉、1968年12月。 - 和装6冊。初版(福澤 1869)の復刻。
  • 福沢諭吉「世界国尽」『福沢諭吉選集』第2巻、芳賀徹 解説、岩波書店、1981年2月25日、103-186頁。ISBN 4-00-100672-3 - 新字旧仮名版。
  • 福沢諭吉『福沢諭吉教育論集』山住正己 編、岩波書店〈岩波文庫〉、1991年3月18日。ISBN 4-00-331024-1 - 235 - 269頁に、付録として、『世界国尽』の抄文が収録されている。抄文のため、序文と亜細亜洲、北亜米利加洲の部分のみが収められている。
  • 福澤諭吉「世界国尽」『福澤諭吉著作集』第2巻 世界国尽 窮理図解、中川眞弥 編・解説、慶應義塾大学出版会、2002年3月15日、63-160頁。ISBN 978-4-7664-0878-2 - 新字新仮名版。
  • 齋藤秀彦・白井敦子・坂戸宏太 編著『福澤諭吉の『世界国尽』で世界を学ぶ 七五調でうたっておぼえる世界の地理と歴史』ミネルヴァ書房、2017年4月20日。ISBN 978-4-623-07828-8 - 福沢 (1968)福澤 (2002)を底本とし、本文は原文のままで、その他の部分は現代語訳を収録。

参考文献




注釈

  1. ^ 福澤は『福澤全集緒言』において『世界国尽』について以下のように説明をしている。
    世界国尽
    幾千百年来蟄居ちつきよの人民がにわかに国をひらい世界せかいまじわらんとするには、ずその世界せかい何物なにものにしていずれの方角ほうがくに位するやを知り、その地名ちめいを知りその遠近えんきんを知るは最も大切たいせつなることにして、前年は唐天竺からてんじくとて世界の末端はてと心得たりしに、今は唐天竺からてんじくほか欧羅巴ヨーロツパ亜米利加アメリカ等も出現しゆつげんし来り、したがつて人の眼界がんかいは旧時に幾倍いくばいして広からざるを得ず。眼界がんかいの広きはりもなおさず世界をせまく思うことなれば、かく全国民ぜんこくみんをして世界せかいること日本国内をると同様どうようならしめんと欲し、これついては江戸の各処かくしよに在る寺小屋てらこや手本てほんに、江戸方角ほうがく又は都路みやこじとて、府下東西南北の方角ほうがく地名ちめい等を記し、東海道五十三つぎ順序じゆんじよを五字七字の口調くちようもて面白おもしろ書綴かきつづり、児童じどうをしてその手本てほんの文字を手習てならいすると共にその文句もんく暗誦あんしようして自然しぜん地理ちりを覚えしむるの慣行かんこうにして、江戸方角ほうがく都路みやこじと云えば江戸中の貴賤貧富きせんひんぷかかわらず毎戸毎人まいこまいひとこれを知らざる者なき程の次第なれば、余は之を見てひと首肯うなずき、よし〱日本国中の老若男女ろうにやくなんによをして世界の地理風俗ちりふうぞくを知ること江戸の方角地名ほうがくちめい、東海道の五十三つぎ暗誦あんしようするがごとくならしめんとの一案を起し、にわか書林しよりんに就て江戸方角、都路の版本はんぽんを求め、幾度いくども之を熟読暗誦じゆくどくあんしようして、すなわちその口調くちようならうてつづりたるものは世界国尽せかいくにづくしなり。本文ほんもんのみにては尽さゞるが故に頭書かしらがきを加えて、およそ各地の風俗歴史ふうぞくれきし等の荒増あらましを記したれども、文章ぶんしようきわめて通俗つうぞくを主としていやしく難字なんじを用いず、まぎれもなき寺小屋流てらこやりゆう体裁ていさいなりと信ず。 — 福澤諭吉、『福澤全集緒言』、79-80頁[3]

出典

  1. ^ a b c デジタルで読む福澤諭吉 世界国盡. 一”. 慶應義塾大学メディアセンター. 2017年8月25日閲覧。
  2. ^ 福沢 1981, pp. 103-186。
  3. ^ 『福澤全集緒言』、79-80頁
  4. ^ 桑原 1979, pp. 89-90を参照。
  5. ^ 桑原 1979, pp. 89-117を参照。特に、94 - 95頁に楽譜が掲載されている。96 - 100頁に第1番から第26番までの歌詞が収録されている。
  6. ^ 桑原 1979, pp. 114-115を参照。特に、115頁には『首書絵入世界都路』の序文の一部が掲載されている。


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