世界国尽
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その他
『世界国尽』の復刻版
1968年(昭和43年)に、日本近代文学館から「名著複刻全集近代文学館 明治前期 1-1~6」として、6冊からなる『世界国尽』の復刻版が発行されている。[4]
『世界国尽』の歌
『世界国尽』の本文を歌詞に編集し、曲をつけて、歌にしたものである。慶應義塾の創立90周年の1958年(昭和33年)、塾員の上田寿四郎が本文を編集し、橋本国彦が作曲して成立した。その歌詞を1972年(昭和47年)に桑原三郎が上田の許可を得て、小学生向きに改編して完成した。第26番まで歌詞があり、全曲を歌うと世界一周できるようになっている。[5]
『世界国尽』の模倣作品
仮名垣魯文は『世界国尽』を模倣した『首書絵入世界都路』という作品を発表している。七五調の7冊からなる本である。[6]
脚注
書誌情報
- 福澤諭吉 訳述『頭書大全(かしらがきたいぜん/とうしょたいぜん) 世界國盡』慶應義塾、1869年8月、初版。NDLJP:761278。 - 初版木版半紙判6冊本。
- 福澤諭吉「世界國盡」『福澤全集』第2巻、時事新報社、1898年2月5日。NDLJP:898728/303。
- 福澤諭吉「世界國盡」『福澤全集』第2巻、石河幹明 編、國民圖書、1926年5月31日、679-792頁。NDLJP:979052/372。
- 福澤諭吉「世界國盡」『福澤諭吉全集』第2巻、富田正文・土橋俊一 編、岩波書店、1969年11月13日(原著1959年2月1日)、再版、579-668頁。
- 福沢諭吉 訳述『世界国尽』日本近代文学館〈近代文学館 名著複刻全集 明治前期 1-1~6〉、1968年12月。 - 和装6冊。初版(福澤 1869)の復刻。
- 福沢諭吉「世界国尽」『福沢諭吉選集』第2巻、芳賀徹 解説、岩波書店、1981年2月25日、103-186頁。ISBN 4-00-100672-3。 - 新字旧仮名版。
- 福沢諭吉『福沢諭吉教育論集』山住正己 編、岩波書店〈岩波文庫〉、1991年3月18日。ISBN 4-00-331024-1。 - 235 - 269頁に、付録として、『世界国尽』の抄文が収録されている。抄文のため、序文と亜細亜洲、北亜米利加洲の部分のみが収められている。
- 福澤諭吉「世界国尽」『福澤諭吉著作集』第2巻 世界国尽 窮理図解、中川眞弥 編・解説、慶應義塾大学出版会、2002年3月15日、63-160頁。ISBN 978-4-7664-0878-2。 - 新字新仮名版。
- 齋藤秀彦・白井敦子・坂戸宏太 編著『福澤諭吉の『世界国尽』で世界を学ぶ 七五調でうたっておぼえる世界の地理と歴史』ミネルヴァ書房、2017年4月20日。ISBN 978-4-623-07828-8。 - 福沢 (1968)と福澤 (2002)を底本とし、本文は原文のままで、その他の部分は現代語訳を収録。
参考文献
- 桑原三郎『諭吉 小波 未明 明治の児童文学』、1979年7月、慶應通信。ISBN 978-4-7664-0004-5。
- 芳賀徹 解説『福沢諭吉選集』第2巻、岩波書店、1981年2月25日、239-265頁。ISBN 4-00-100672-3。
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注釈
- ^ 福澤は『福澤全集緒言』において『世界国尽』について以下のように説明をしている。
世界国尽
- 幾千百年来
蟄居 ()の人民が俄 ()に国を開 ()て世界 ()に交 ()らんとするには、先 ()ずその世界 ()の何物 ()にして何 ()れの方角 ()に位するやを知り、その地名 ()を知りその遠近 ()を知るは最も大切 ()なることにして、前年は唐天竺 ()とて世界の末端 ()と心得たりしに、今は唐天竺 ()の外 ()に欧羅巴 ()、亜米利加 ()等も出現 ()し来り、随 ()て人の眼界 ()は旧時に幾倍 ()して広からざるを得ず。眼界 ()の広きは取 ()りも直 ()さず世界を狭 ()く思うことなれば、兎 ()に角 ()に全国民 ()をして世界 ()を観 ()ること日本国内を観 ()ると同様 ()ならしめんと欲し、之 ()に就 ()ては江戸の各処 ()に在る寺小屋 ()の手本 ()に、江戸方角 ()又は都路 ()とて、府下東西南北の方角 ()、地名 ()等を記し、東海道五十三駅 ()の順序 ()を五字七字の口調 ()もて面白 ()く書綴 ()り、児童 ()をしてその手本 ()の文字を手習 ()すると共にその文句 ()を暗誦 ()して自然 ()に地理 ()を覚えしむるの慣行 ()にして、江戸方角 ()、都路 ()と云えば江戸中の貴賤貧富 ()に拘 ()らず毎戸毎人 ()これを知らざる者なき程の次第なれば、余は之を見て独 ()り首肯 ()き、よし〱日本国中の老若男女 ()をして世界の地理風俗 ()を知ること江戸の方角地名 ()、東海道の五十三駅 ()を暗誦 ()するが如 ()くならしめんとの一案を起し、俄 ()に書林 ()に就て江戸方角、都路の版本 ()を求め、幾度 ()も之を熟読暗誦 ()して、乃 ()ちその口調 ()に傚 ()うて綴 ()りたるものは世界国尽 ()なり。本文 ()のみにては尽さゞるが故に頭書 ()を加えて、凡 ()そ各地の風俗歴史 ()等の荒増 ()しを記したれども、文章 ()は極 ()めて通俗 ()を主として苟 ()も難字 ()を用いず、紛 ()れもなき寺小屋流 ()の体裁 ()なりと信ず。 — 福澤諭吉、『福澤全集緒言』、79-80頁[3]
- 幾千百年来
出典
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