ラツィオ州 名称

ラツィオ州

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/09 02:14 UTC 版)

名称

「ラツィオ」の名は「ラテン」の語源ともなった古い地名「ラティウムLatium)」に由来する。

地理

位置・広がり

ラツィオ州の地勢図
コムーネの高度区分 (it:Zone altimetriche d'Italiaによる面積比率。州のおおまかな地形傾向が見て取れる。

イタリア半島中部に位置し、西海岸(ティレニア海)に面する。州都ローマは、ペルージャから南へ約135km、ペスカーラから西南西へ約158km、ナポリから北西へ約190km、フィレンツェから南南東へ約230kmの距離にある。

隣接する州

隣接する州は以下の通り。

主要な都市

人口6万人以上のコムーネは以下の通り。人口は2011年1月1日現在[2]

このほかに主要な都市としては、 チヴィタヴェッキアティヴォリフロジノーネカッシーノリエーティなどがある。

歴史

紀元前5世紀のラティウムの諸民族(ラテン語表記)

ラツィオ州の歴史は、都市ローマの歴史と深く結びついている。

古代

現在のラツィオ州域には、紀元前2千年紀以来、さまざまなインド・ヨーロッパ語族の人々が定住した。州域の中部および南部には、この地域の地名(ラティウム)のもととなったラテン人や、サビニ人ヴォルスキ人ヘルニキ人アエクイ人Aurunci といった諸集団が、時間差はありながら定着した。州域北部にはエトルリア人が勢力を持っており、少なくとも紀元前5世紀までは他の集団に対して優勢であった。

紀元前5世紀から紀元前1世紀までのラティウムの歴史は、ラテン人の共和政ローマが他の集団に対して支配を確立するための闘争として描かれる(ラティウム戦争など)。その結果として、他の集団はラテン人の要素に同化されていった。かれらが自立を守るための最後の抵抗は、同盟市戦争であった。

ローマ帝国の長い時代において、現代のラツィオ州域はおおむね(臨時の戦争によって中断されるほかは)平和な状態を謳歌した。しかし、やがて帝国の中心としての役割は失われ、その役割は帝国の他の地域に移っていく。476年西ローマ帝国最後の皇帝ロムルス・アウグストゥルスは、オドアケルによって退位に追い込まれるに至る。

中世・近世

1860年のイタリア王国。ローマ周辺は教皇領。

ラツィオ州域における権力の真空状態を充填したのは、ローマ帝国後期のさまざまな出来事の結果として力を得たカトリック教会であった。以後、ローマを拠点とするカトリック教会の教皇庁は、イタリアに教皇領(教皇国家)を保ち、ローマとラツィオの歴史を左右した。この状況は、1870年イタリア王国がローマを占領するまで続く。

近代・現代

1870年10月6日、イタリア王国はローマに遷都した。以後のラツィオ地域の歴史は、王国の首都ローマの歴史と一体であると言える。

イタリア王国は旧教皇領をローマ県(現在のローマ県よりも広く、ラツィオ州の範囲に近い)とした。

州域南部では、10年の歳月をかけてポンティーネ湿原の干拓と新しい都市の建設が行われ、リットリア県(現在のラティーナ県)が創設された。

ラツィオ州域では、第二次世界大戦中に軍民双方で多数の犠牲が出ることとなった。この戦争中における、州域での特に大きな出来事として、モンテ・カッシーノの戦いや、アンツィオへの連合軍の上陸(アンツィオの戦い)が挙げられる。




  1. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “Tavola: Superficie territoriale (Kmq) - Lazio (dettaglio provinciale) - Censimento 2001.” (イタリア語). 2013年2月17日閲覧。
  2. ^ a b c 国立統計研究所(ISTAT). “Total Resident Population on 1st January 2011 by sex and marital status” (英語). 2012年12月2日閲覧。
  3. ^ 国立統計研究所(ISTAT). “La lingua italiana, i dialetti e le lingue stranieri” (pdf) (イタリア語). p. 5. 2012年12月10日閲覧。
  4. ^ Carnacina, Luigi; Buonassisi, Vincenzo (1975) (イタリア語). Roma in Cucina. Milan: Giunti Martello. p. 91. OCLC 14086124 
  5. ^ Silvia, Spagni (イタリア語). L'arte di cucinare alla romana: ricette tradizionali e curiosi aneddoti per piatti da imperatore. Roma: Newton Compton. ISBN 9788854122574. OCLC 955291501 


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