マーケティングミックス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/18 01:28 UTC 版)
マーケティング・ミックスの起源
「マーケティングミックス」という用語を最初に使用したのはニール・ボーデン(Neil Borden)である[1][2]。彼は製品計画、パッケージング、価格、ブランディング、流通経路、物的流通、人的販売の量と質、サービス、販売促進の他の手段の量と質、市場調査情報の種類と質、陳列を含めた広告の量と質をマーケティング・ミックスの要素として挙げた。コトラーによれば、1950年代にリチャード・クルウェットがProduct(製品)、Price(価格)、Promotion(販売促進)、Distribution(流通)の3P1Dを使っており、マッカーシーの4Pの基となったとのこと。[3]
4P: マッカーシーの4P
エドモンド・ジェローム・マッカーシーが1960年に提唱し、友人であったフィリップ・コトラー等が使っている有名な分類、「4P」を用いてマーケティングミックスが語られることが多い[4][5]。これ自体は顧客志向のマーケティングであり、その教育的効果が高く評価されている。4Pが売り手側の視点に基づいたツールであると言われるようになったのは、1970年代の終りにコンシューマリズムが台頭し、その視点と比較されたためであり、もともとの4Pは双方の視点である。しかしコトラーはこれを「マーケティング1.0」と言っている。 4つのPとは
- Product(製品):製品、サービス、品質、デザイン、ブランド 等
- Price(価格):価格、割引、支払条件、信用取引 等
- Promotion(プロモーション、販売促進):広告宣伝、ダイレクトマーケティング 等
- Place(流通):チャネル、輸送、流通範囲、立地、品揃え、在庫 等
である。これら4つに分類されるツールを組み合わせていく。
4C: ロータボーンの4C
ロバート・F・ロータボーンによって、1993年、買い手側の視点による「4C」という分類がなされた。 これは、4Pが売り手側の視点で捉えられているとし、消費者の視点で捉え直そうというものである。これをコトラーは「マーケティング2.0」と言っている。4Cは消費者から始まるIMCが置かれるフレームワークとして作られた。 4つのCとは、Consumer(消費者のニーズやウォンツ)、もしくはCustomer SolutionまたはCustomer Value(顧客ソリューションまたは顧客価値)、Customer cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)である。4Cは以下のようになっている[6]。
- Consumer(消費者のニーズやウォンツが商品)、コトラー教授はCustomer solution(顧客ソリューション)としている。
- Customer cost(顧客コスト)
- Communication(コミュニケーション)
- Convenience(流通は利便性)
- ^ Neil H. Borden and Martin V. Marshall,(1959), "Advertising Management--Text and Cases," revised edition, Richard D. Irwin, Inc., pp.23-24.
- ^ Neil Borden, (2013), "The Concept of the Marketing Mix". Neil Borden. Retrieved 24 April.
- ^ P.コトラー(2013)「私の履歴書」日本経済新聞。
- ^ E.Jerome McCarthy(1960)"Basic Marketing,"Richard D.Irwin,Inc.
- ^ Philip Kotler(2013)"Marketing Management,"Prentice Hall.
- ^ Don E. Schullz, Stanley I. Tannenbaum, Robert F. Lauterborn(1993)“Integrated Marketing Communications,”NTC Business Books, a division of NTC Publishing Group.
- ^ 清水公一(2022)サステナブル時代のコ・マーケティング 7Cコンパスモデル |date=2022年6月13日 |year=2022 |publisher=五絃舎。
- ^ 清水公一 (2016). 共生マーケティング戦略論」第5版. 創成社。
- ^ Brian Solis (2011) "Engage!: The Complete Guide for Brands and Businesses to Build, Cultivate, and Measure Success in the New Web," John Wiley & Sons, Inc. pp. 201–202.
- 1 マーケティングミックスとは
- 2 マーケティングミックスの概要
- 3 マーケティング・ミックスの起源
- 4 4C: 共創4C(共生マーケティングの4C)
- 5 脚注
- マーケティングミックスのページへのリンク