ブルースター・エアロノーティカル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:24 UTC 版)
遺構
ニューヨーク州クイーンズの本社社屋及びクイーンズ工場は、同社の解散後しばらく放置された後、服飾製品製造会社の所有となり、1996年にはアメリカ最大の生命保険会社であるメトロポリタンライフ生命(メットライフ)が購入、大規模に修築・改装の上で社屋として使用した。2010年にはアメリカの格安航空会社大手のジェットブルー航空が本社所在地として入居している。建物はブルースター社の所有であった時代に比べて大きく改装されており、シンボルであった時計塔も1950年に取り壊されて現存しておらず、2012年からは屋上に“JetBlue”のロゴマークを象った看板が掲げられているが、往時の外観デザインは残されており、2017年現在も“Brewster Building”の名で現役の建造物である。
ペンシルベニア州ウォーミンスターのジョンズヴィル工場は1943年5月にアメリカ海軍に譲渡されて海軍航空隊の施設となり、1952年に「ウォーミンスター海軍航空開発センター(Naval Air Warfare Center Warminster)」と改名された。1990年代に入り航空開発センターの各施設は順次移転し、最後の施設が移転したのは1996年9月のことである。以後、基地跡は払い下げられて民間地となり、工業団地や住宅地、商業施設や学校、博物館の敷地となっており、滑走路区画は公園(Warminster Community Park)となっている[18]。
工場棟とオフィス棟の建物は海軍施設としてより払い下げられた後に複数回改築が行われているものの、2017年現在でも大型ショッピングセンターとして現存しており、オフィス棟の正面玄関上には、過去には“BREWSTER”のロゴマークが残されていた[19]。また、住宅地となった一角には“Brewster Drive”と名付けられた街路がある[20]。
- ^ coachbuilt.com>Brewster & Co. ※2018年3月15日閲覧
- ^ 1928年にコンソリデーテッド社の創業幹部がカナダに設立した航空機設計/製造会社。
- ^ このため、モデル14はブルースターでは製造されず、フリート社によりフリート・エアクラフト モデル1として生産された。
- ^ Henry M. Holden:著 『Images of Aviation Newark Airport』 2009年
- ^ ブラウンはワークの海軍航空機工廠の同僚であり、ロッキード時代の部下でもあった。ブルースターの解散後はグラマン社で開発担当技術者として勤務した後、1950年代には鋼板および金属加工部品の製造会社である"DaytonT. Brown,inc."を興し、1978年6月に80歳で死去した。
(死去を報じたニューヨークタイムスの記事(webアーカイブ版)「THE NEW YORK TIMES.JUNE 22,1978|DAYTON T. BROWN」 ※2018年3月15日閲覧)
DaytonT.Brown(DTB)社は2017年現在も金属・防衛関連企業として健在である[1]。 - ^ なお、自動車ボディメーカーとしてのブルースター社は経営状態が改善せず、1935年には破産手続きが開始され、1937年には手続が終了して解散した。
- ^ この他、航空機工場は通常、完成後の実飛行検査のため、また自力飛行による空輸のために、滑走路を併設するか飛行場に隣接した場所に建設することが望ましいが、クイーンズにそのような土地の余裕はなく、隣接地に飛行場がなかったため、完成して出荷された機体は東に25キロほど離れたミネオラにあるルーズベルト飛行場まで陸送する必要があった。
- ^ 『POPULAR SCIENCE』1943年10月号 「"Ghost Plane"Fights on」p.120 1943年
- ^ DAVIS-MONTHAN AIRFIELD REGISTER>GEORGE FREDERICK CHAPLINE ※2018年3月15日閲覧
- ^ ワークはその後1945年に母校である国立農学校(National Farm School)の無給の事務員(会計係)として再就職し、翌1946年には学長に選出されて国立農学校の国立農業大学(National Agricultural College)への拡大改編に尽力し、1974年に学長を退いて総長に就任した後、1977年に死去した。
(DELAWARE VALLEY UNIVERSITY>Delaware Valley University Archives>Dr. James Work, President)※2021年1月20日閲覧 - ^ a b c Birkett, Gordon. "Brewster Bermuda: Almost in Australian Service" (PDF). www.adf-serials.com. ※2018年3月13日閲覧。
- ^ a b The Demise of Brewster ※2018年3月22日閲覧
- ^ A History of Total Health>Henry J. Kaiser sticks up for union labor at Brewster Aeronautical ※2018年3月13日閲覧
- ^ ロレンゾは税務申告書を含む複数の公文書の偽造に関する罪で1944年3月に連邦大陪審に起訴され、同年8月罰金500ドルと収監30日の判決を受けた。
(NAWC/NADC Warminster Historical Information>HISTORY OF NADC, 1941-1980)※2018年3月13日閲覧 - ^ a b c NAWC/NADC Warminster Historical Information>HISTORY OF NADC, 1941-1980 ※2018年3月16日閲覧
- ^ a b "The Overvalwagen Forum|August 4 2008|The MIranda Bros in Time Mag. 1943"
※URLがスパムフィルターにブロックされるため、ページタイトルで検索して下さい(該当ページの最終閲覧日:2018年3月15日) - ^ この3人はブルースターに対する経営/運営体質改善の過程で排除され、他の株主に訴追されたが、最終的には和解となり、刑事罰に問われることもなかった。
- ^ ExplorePAhistory.com>Johnsville Naval Air Development Center Historical Marker ※2018年4月25日閲覧
- ^ THE WARBIRD'S FORUM>ANNALS OF THE BREWSTER BUFFALO>The Brewster name lives again! ※2018年4月25日閲覧
- ^ GoogleMap - Brewster Dr, Warminster, PA 18974, USA
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