フォルクスワーゲン・ゴルフ
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6代目 ゴルフVI 5K型 (2008年-2012年)
フォルクスワーゲン・ゴルフ(6代目) 5K型 | |
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5ドアハッチバック フロント | |
5ドアハッチバック リア | |
概要 | |
販売期間 | 2008年10月 - 2012年11月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5 人 |
ボディタイプ | 3 / 5ドア ハッチバック |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
プラットフォーム | VW・Aプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.2 / 1.4 L ターボ 直4 1.4L ターボ+スーパーチャージャー |
変速機 |
6速 / 7速DCT(DSG) 5速 / 6速MT |
前 |
前:マクファーソンストラットコイル 後:4リンクコイル |
後 |
前:マクファーソンストラットコイル 後:4リンクコイル |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,575 mm |
全長 | 4,210 mm |
全幅 | 1,790 mm |
全高 | 1,485 mm |
車両重量 | 1,270 - 1,530kg |
ドイツでは2008年に発売される。
米国仕様は今回のモデルチェンジを機に車名がドイツと同じ「ゴルフ」となった。
プラットフォームは先代と同じで、ボディパネル、内装が一新された。ただしヴァリアントは大幅なフェイスリフトは見送られ、フロント部分と内装の変更にとどまる。
当モデルをベースにハイブリッド仕様の「Twin Drive」、電気自動車仕様の「Blue e-motion」の試作車が開発された。
細かな点では、本モデルからタコメーターの目盛が1/100から1/1000に変更されている。
7代目 ゴルフVII 5G型 (2012-2020年)
フォルクスワーゲン・ゴルフ(7代目) 5G型 | |
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TSIコンフォートライン 欧州仕様 | |
GTI 欧州仕様 | |
Rヴァリアント 欧州仕様 | |
概要 | |
別名 |
セアト・レオン(スペイン) シュコダ・オクタビア(チェコ) |
販売期間 | 2012-年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ |
3/5ドアハッチバック 5ドアステーションワゴン |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
プラットフォーム | VW・MQBプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.2 / 1.4 L / 2.0 L 直4 1.6 / 2.0 L ディーゼル |
変速機 |
6速 / 7速DCT(DSG) 5速 / 6速MT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,637 mm |
全長 | 4,255 mm |
全幅 | 1,799 mm |
全高 | 1,452 mm |
車両重量 | 1,205 - 1,375kg |
車体骨格は、新開発のモジュールプラットフォーム「MQB」に一新。先代モデルと比較しておよそ100kgの軽量化を果たしたほか、全長、全幅、ホイールベースは若干大きくなったが、全高は低くなり、よりスポーティなデザインとなった。フォルムは先代を基本的に踏襲しているが、サイドミラー付近には視界確保のため小窓が設けられた。
エンジンやサスペンションなどの主要機構も一新された。 エンジンはガソリンエンジンの1.2L TSI、1.4L TSI、気筒休止システム仕様の1.4L TSI ACT、GTIに搭載される2.0TSI。
ディーゼルエンジンが1.6L TDI、2.0L TDI。
日本国内発売のディーゼルエンジン排気量は2.0Lのみとなる(TDIは2019年10月発売開始)。
すべてブルーモーション・テクノロジー仕様である。
ダッシュボードパネルは非対称の形状となり、全車の駐車ブレーキが電気式となる。
8代目 ゴルフVIII CD1型 (2019年 -)
フォルクスワーゲン・ゴルフ(8代目) CD1型 | |
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概要 | |
販売期間 |
2019年 - (日本:2021年 -) |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアハッチバック/ステーションワゴン |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
DLA型 999cc 直3 DOHC IC付ターボ DFY型 1,497cc 直4 DOHC IC付ターボ DTS型 1,968cc 直4 DOHC IC付ディーゼルターボ(TDIモデル) DNP型 1,984cc 直4 DOHC IC付ターボ(GTI) |
モーター | 4450型(eTSIモデルのみ) |
変速機 |
6速MT 7速DCT 8速AT |
前 |
前:マクファーソンストラット式(スタビライザー付) 後:トレーリングアーム(1.0L車) 後:4リンク(スタビライザー付/1.5L車) |
後 |
前:マクファーソンストラット式(スタビライザー付) 後:トレーリングアーム(1.0L車) 後:4リンク(スタビライザー付/1.5L車) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,620mm |
全長 | 4,295mm |
全幅 | 1,790mm |
全高 | 1,475mm |
車両重量 | 1,310 - 1,360kg |
2019年10月、8代目モデルがドイツにて発表された。48Vのマイルドハイブリッドシステムである「eTSI」を採用しており、始動時に電気的ブーストをかけ、駆動トルクを増加させる小型軽量な発電機として機能する。[10]
2021年6月15日、日本仕様のゴルフが8代目へフルモデルチェンジされ、同日より発売された。日本仕様では発売当初、トランスミッションは7速DSGのみ、エンジンは1.0直列3気筒 TSIエンジンと1.5直列4気筒 TSIエンジンの2種類が設定され、1.0eTSIモデルは「eTSI Active Basic」と「eTSI Active」、1.5eTSIモデルは「e-TSI Style」と「e-TSI R-Line」の4グレード展開となる[11]。
同年7月28日には、ステーションワゴンモデルであるゴルフヴァリアントの日本仕様も8代目へフルモデルチェンジされ、同日より発売された。パワートレインやグレード体系は日本仕様の8代目ゴルフに準じる。ホイールベースは先代まで通常モデルと同一であったが、今回モデルから50mm延長された2670mmになり、後部座席のレッグスペースの拡大と乗り心地の向上にもつながっている[12]。
同年12月10日には、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。2013-2014に日本カー・オブ・ザ・イヤーとして受賞した7代目に続き、2代連続での受賞となった。
同年12月21日には、2019年8月より日本にも導入されているクリーンディーゼル搭載のTDIモデル[13]、その翌日にはスポーツモデル「GTI」[14]の各日本仕様も8代目へフルモデルチェンジされた(TDIモデル、GTIともに2022年1月7日発売)。TDIモデルは2.0Lエンジンに7速DSGを組み合わせられているが、SCR触媒コンバーターを直列に2つ配列し、そこから尿素水(AdBlue)を注入することでNOx排出量の削減と最大トルク強化の両立を図った「ツインドージング(デュアルAdBlue噴射)システム」を採用した最新世代のDTS型へ換装されている。グレード体系はeTSIモデルにほぼ準じており、「TDI Active Basic」、「TDI Active Advance」、「TDI Style」、「TDI R-Line」の4グレードが用意されている。また、「TDI R-Line」にメーカーオプションされている18インチアルミホイールについては、eTSIモデルの「e-TSI R-Line」にも同時に設定された。一方、「GTI」はTDIと同じ2.0Lの排気量を持ちながら、最高出力245PS・最大トルク370Nmの高出力・高トルクを発揮するTSIエンジンであるDNP型が搭載されている。
2022年8月9日にゴルフ・ゴルフヴァリアント共に仕様変更を発表(同月中旬以降順次出荷)。USB type Cポートの給電機能をUSB PD規格に対応し、インテリアトリム(ドアトリム・ドアアームレスト・センターアームレスト)の素材を変更。ゴルフの「e-TSI/TDI Active Basic」・「eTSI Active」・「TDI Active Advance」・「e-TSI/TDI Style」及びゴルフヴァリアントの「e-TSI Active Basic」・「eTSI Active」・「e-TSI Style」にはセンターエアバッグが追加され、ゴルフの「e-TSI/TDI Style」及びゴルフヴァリアントの「e-TSI Style」に設定のグレー内装時のトリムを一部グレーからブラックに変更された。また、仕様変更に加えて原材料費の急激な価格上昇に伴う工場出荷価格の上昇を受け、車両本体価格(メーカー希望小売価格)が改定され、グレードによりゴルフは14.2~20.2万円(10%相当の消費税込)、ゴルフヴァリアントは14.7万円~17.9万円(10%相当の消費税込)それぞれ値上げされた。
同年10月4日には7代目に設定されていたゴルフRとゴルフRヴァリアントの日本仕様も8代目ベースへフルモデルチェンジされ、同日より発売[15]。7代目モデルよりも出力・トルク共にパワーアップさせ、最高出力320PS・最大トルク420Nmを発生させる2.0TSIエンジンのDNF型が搭載されている。また、ブレーキは1インチ拡大して18インチにしたことでストッピングパワーが強化され、高速域からのブレーキング性能を向上。ティグアンRにも採用されている「Rパフォーマンストルクベクタリング」と「ビークル ダイナミクス マネージャー」を採用した。外観はバンパーを専用デザインに変え、サイドシルは専用のボディカラー同色となり、リアはグロスブラックのディフューザーと4本出しのエクゾーストパイプを装備する。内装ではブルーの「R」ロゴをあしらった専用ヘッドレスト一体型トップスポーツシートが採用され、デジタルメータークラスター「Digital Cockpit Pro」はスポーツモードもしくはレースモードを選択したときに専用の表示が可能となる。ボディカラーはラピスブルーメタリック(オプション)、ピュアホワイト、ディープブラックパールエフェクトの3色展開となる。
同年10月25日にはゴルフ同様に日本にも導入されているゴルフヴァリアントのTDIモデルの日本仕様も8代目ベースへフルモデルチェンジされ、同日より発売された[16]。エンジンやグレード体系は先にフルモデルチェンジ・発売されているゴルフのTDIモデルに準じる。
2023年4月4日にゴルフ・ゴルフヴァリアントに特別仕様車「Platinum Edition」の導入が発表された[17]。1953年にタイプ1(通称ビートル)とタイプ2(通称トランスポーター)が日本に正規輸入されてから70周年を記念した仕様で、「e-TSI Active Platinum Edition」、「e-TSI/TDI Style Platinum Edition」、「e-TSI/TDI R-Line Platinum Edition」はベースモデルではオプション設定となっている装備を駐車支援システム「Park Assist」を除いて標準装備。これまではホットハッチモデルであるGTIやRでしか設定できなかったアクティブシャシーコントロール「DCC」を「e-TSI ACTIVE Platinum Edition」を除くすべてのグレードに18インチアルミホイールとセットにした「DCCパッケージ」としてオプション設定された。また、TDIモデルについてはベースモデルよりも割安な価格設定となり、「TDI Active Advance Platinum Edition」は駐車支援システム「Park Assist」の非装備化によりゴルフはベースモデル比32.3万円(10%相当の消費税込)、ゴルフヴァリアントはベースグレード比36.3万円(10%の消費税込)の大幅な割安となったほか、「TDI Style Platinum Edition」や「TDI R-Line Platinum Edition」は同じグレードのe-TSIモデルと同じ価格に設定された。
同年7月19日にはゴルフRの日本導入20周年を記念した「20 Years(トゥエンティーイヤーズ)」の導入が発表された[18]。元々本モデルは2022年にゴルフRの誕生20周年を記念したモデルとしてドイツをはじめとするヨーロッパで発表され、日本でも初代モデルが導入された年(2003年)に合わせて20周年記念の特別仕様車として設定されたものである。エンジンは最高トルクをベースモデル比10kW(13PS)向上させた専用チューニングが施され、ベースモデルではオプションとなるアクティブシャシーコントロール「DCC」は特別装備するとともに、通常搭載されている4つ(コンフォート・スポーツ・レース・カスタム)に加え、ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(北コース)にてテストが行われ、特に要求の厳しいレーストラック走行のために設計された「スペシャル」と、サーキットなどのクローズド施設用となる「ドリフト」の2モードを追加。外観はフロントフェンダーとリアハッチの「R」ロゴのエンブレムがブルーとなり、タイヤとアルミホイールは19インチにインチアップの上で、アルミホイールがブラックフィニッシュ化され、リアエンドにはデュアルツインエキゾーストパイプである「"Akrapovič(アクラボビッチ)"チタンエキゾーストシステム」を装備。内装はカーボン調テクスチャーが施された専用デザインのナパレザーシートやリアルカーボンデコラティブパネルなどが採用された。
マルハン駐車場での火災
2023年8月20日、パチンコ店の「マルハン厚木北店」の立体駐車場で153台の車が燃える火災が発生した。フォルクスワーゲングループジャパンは「ゴルフTDI」が製造時の不備で出火した可能性を排除できないとしている[19]。
注釈
出典
- ^ The 5 most popular cars of all time (and they're all still in production) 2017年6月2日
- ^ J・スロニガー 『ワーゲン・ストーリー』 高斎正訳 グランプリ出版 昭和59年5月20日発刊 ISBN 4-906189-24-5 p.217
- ^ 『ワーゲン・ストーリー』 p.251
- ^ 『ワーゲン・ストーリー』 p.218
- ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 9. ISBN 9784779617232
- ^ 【ゴルフのアプローチ 03】初代ゴルフのGTIは元祖「ホットハッチ」として人気を博した
- ^ フォルクスワーゲン・ゴルフTSIハイライン(FF/7AT)いまでも「お手本」
- ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 8. ISBN 9784779617232
- ^ “フォルクスワーゲン・ゴルフ オールトラックTSI 4MOTIION アップグレードパッケージ(4WD/6AT)【短評】”. WebCG (2015年8月13日). 2015年8月13日閲覧。
- ^ VW ゴルフ 新型、8世代目を発表…48Vマイルドハイブリッド採用 (レスポンス/2019年10月25日掲載/2020年1月1日閲覧)
- ^ “【VW ゴルフ 新型】電動、デジタル化を推進した8代目…価格は291万6000円から”. レスポンス(Response.jp) (2021年6月15日). 2021年6月17日閲覧。
- ^ “【ゴルフ ヴァリアント 新型】広々とした室内と電動化による走りの進化、価格は305万6000円より”. レスポンス(Response.jp) (2021年7月28日). 2021年7月29日閲覧。
- ^ “VW ゴルフ 新型、最新世代ディーゼル車を日本導入 価格は344万4000円より”. レスポンス(Response.jp) (2021年12月21日). 2021年12月23日閲覧。
- ^ “【VW ゴルフGTI 新型】日本市場投入…最高出力245ps、価格は466万円”. レスポンス(Response.jp) (2021年12月22日). 2021年12月23日閲覧。
- ^ “最高出力320ps、ゴルフR/ゴルフRヴァリアント新型発売…価格は639万8000円より”. レスポンス(Response.jp) (2022年10月4日). 2022年10月6日閲覧。
- ^ “フォルクスワーゲン、「ゴルフ ヴァリアント」にディーゼル仕様追加 価格は374万9000円から”. Car Watch (2022年10月25日). 2022年10月27日閲覧。
- ^ "「Golf」「Golf Variant」に特別仕様車「Platinum Edition」を導入" (Press release). フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社(PR TIMES). 4 April 2023. 2023年7月28日閲覧。
- ^ “フォルクスワーゲン、20周年記念特別仕様車「ゴルフ R 20 Years」 専用チューニングエンジンやロゴを採用し792万8000円”. Car Watch (2023年7月19日). 2023年7月27日閲覧。
- ^ 153台燃えた立体駐車場火災、火元はVW「ゴルフTDI」…遮熱マット取りつけ不備で出火か
- ^ “Secret opened: Golf namesake” (2014年11月10日). 2021年8月14日閲覧。
- ^ “Der neue Volkssport: Golf.”. 2021年8月14日閲覧。
- ^ “Autobiography of BS©: How I Lied About The Golf”. 2021年8月14日閲覧。
- ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 9. ISBN 9784779617232
- ^ “Der lange Weg zum Golf”. 2021年8月14日閲覧。
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