フォルクスワーゲン・ゴルフ フォルクスワーゲン・ゴルフの概要

フォルクスワーゲン・ゴルフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/16 08:15 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

概要

Cセグメント」に分類されるハッチバック車であり、世界の車種別歴代総生産台数ではトヨタ・カローラに次ぐ第2位[1]であり、2013年7月には累計の生産台数が3,000万台に達した。日本市場へも、初代モデル登場時から継続して輸入・販売されており、高い知名度を持つ代表的な輸入車となっている。

1974年に発売されたジョルジェット・ジウジアーロデザインの傑作である初代ゴルフは、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)という構成を横置きのエンジンで駆動するという小型乗用車用としては完成形の一つとされている形態、それの効率的なパッケージングによるコンパクトな外寸、余裕のある室内空間を持ち、世界中でヒットとなり、約680万台が生産された。当初はVWの実質的なローエンドに位置する[2]大衆車であったが、「GTI」と呼ばれるホットモデル(スポーツモデル)が初代から歴代発売されている。

車名

車名の由来はドイツ語で「メキシコ湾流」を示す「Der Golfstrom」(デア・ゴルフシュトローム)から。

同時期に発売された、他のフォルクスワーゲンのモデル(シロッコジェッタ等)にの名前が付けられているのに対し、「ゴルフ」の名は海流の名称に因んでいる。しかし、メキシコ湾流の成因の一つは貿易風とされているため、風と全く無関係の言葉ではない。なお、貿易風はドイツ語で「Passat」(パサート)となり、これはフォルクスワーゲン・パサートのモデル名として採用されている。

また、後に発売されたVWの一部モデルにスポーツ関連の名称(キャディ、ダービィ)が付いており、前述のポロもスポーツのポロの意味に取れることから、「ゴルフ」もスポーツのゴルフを兼ねたものとする説もある。実際、ゴルフGTI16Vにはゴルフボール型のシフトノブを持つものも存在する[3]

なお、北米市場においては初代が「ラビット」、2-4代目が他国と同じ「ゴルフ」、5代目で再び「ラビット」を名乗っていたが、6代目で「ゴルフ」に戻されている。

開発の経緯

ビートルを代替する車種として開発されていた水冷エンジンミッドシップに搭載したEA266。

ナチス・ドイツ時代にフェルディナント・ポルシェ設計のビートルを生産する国策企業として設立されたフォルクスワーゲンは、第二次世界大戦後、民生用のビートルを生産して大躍進したが、1960年代に入るとそのビートルの設計も陳腐化が著しく、後継車の開発が求められるようになっていた。

1965年、当時のVW社長であったハインリヒ・ノルトホフはこの車の設計をポルシェ社に委託し、ポルシェはこれに応えてEA266を開発した。この車は水平シリンダーの横倒しエンジンを後席のシートの下にアンダーフロア・ミッドシップというレイアウトで配置する方式を採用し、パッケージングとしては極めて優秀なものであったという評価をする向きもある[4]が、当時アウディNSUアウトウニオンでアウディ・80の開発を行なっていた開発責任者のルートヴィッヒ・クラウスは後部座席の下に臭気と騒音を発するエンジンを搭載し、そのレイアウトのお陰で車高が高くなるこの車には否定的な意見を持っており、ルドルフ・ライディングから、それまで掛かった開発費用とこれから掛かる予定の額を聞いて開発を中止するように勧めた[5]。EA266は初代ビートルと同じく、1台当たりいくらという形でのギャランティをポルシェに支払う契約となっていたため、相対的に見てコスト面で割高な商品であった。また操縦安定性の点でも、高エネルギー時の制御しづらい特性は当時の技術レベルでは解決が難しかった。このため、ノルトホフが急死した後にフォルクスワーゲン社長となったクルト・ロッツ(Kurt Lotz)はこの車の開発を進めていたが、その後任となったルドルフ・ライディングはEA266の生産計画を白紙に戻した。

初代ゴルフの開発責任者であったヴェルナー・ホルステ博士は衝突安全性の面から横置きエンジンを好み、1970年にロッツからこのレイアウトを量産車に採用する許可をもらっていた[6]ジョルジェット・ジウジアーロにスタイリングを依頼し、エンジンをアウディNSUアウトウニオン、その他をフォルクスワーゲン技術部門で開発された[7]ビートルの後継車が初代ゴルフである。




  1. ^ 「ゴルフ」生産数世界2位 カローラに迫る量産車に 47NEWS 2002年6月26日
  2. ^ 当時はビートルも併売されていたが、他社の新型車と比べると、すでに太刀打ちできない部分が多かった。
  3. ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 9. ISBN 9784779617232. 
  4. ^ 福野礼一郎はジウジアーロ設計による初代ゴルフを極めて高く評価しているが、EA266にはそれ以上の高い評価を与えている。
  5. ^ J・スロニガー 『ワーゲン・ストーリー』 高斎正訳 グランプリ出版 昭和59年5月20日発刊 ISBN 4-906189-24-5 p.217
  6. ^ 『ワーゲン・ストーリー』 p.251
  7. ^ 『ワーゲン・ストーリー』 p.218
  8. ^ カブリオを除き:1974年-1984年
  9. ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 9. ISBN 9784779617232. 
  10. ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 8. ISBN 9784779617232. 
  11. ^ フォルクスワーゲン・ゴルフ オールトラックTSI 4MOTIION アップグレードパッケージ(4WD/6AT)【短評】”. WebCG (2015年8月13日). 2015年8月13日閲覧。


「フォルクスワーゲン・ゴルフ」の続きの解説一覧



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フォルクスワーゲン・ゴルフ」の関連用語

フォルクスワーゲン・ゴルフのお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



フォルクスワーゲン・ゴルフのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフォルクスワーゲン・ゴルフ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2019 Weblio RSS