フォルクスワーゲン・ゴルフ 4代目 ゴルフIV 1J型 (1997年-2006年)

フォルクスワーゲン・ゴルフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 19:28 UTC 版)

4代目 ゴルフIV 1J型 (1997年-2006年)

フォルクスワーゲン・ゴルフ(4代目)
1J型
5ドアハッチバック フロント
5ドアハッチバック リア
概要
販売期間 1997年 - 2003年
ボディ
乗車定員 5 人
ボディタイプ 3 / 5ドア ハッチバック
5ドア ステーションワゴン
3ドア カブリオレ
駆動方式 前輪駆動 / 四輪駆動
パワートレイン
エンジン 直4 2.0 / 1.8 / 1.6L
最高出力 150 ps/5,700 rpm
最大トルク 21.4 kgfm/1,750-4,600 rpm
変速機 4速/5速AT
5速/6速MT
前:ストラット / 後:トーションビーム
前:ストラット / 後:トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,515 mm
全長 4,155 mm
全幅 1,735 mm
全高 1,455 mm
車両重量 1,330 kg
その他
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
データモデル GTI 5ドア 5速AT
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1997年にフルモデルチェンジされ、欧州では同年から日本では翌1998年8月より販売される。

フォルクスワーゲン会長フェルディナント・ピエヒ主導による高級化路線の影響を受けたモデル。塗装やボディパネルの継ぎ目、各パーツの組み付け精度など内外装ともに品質が格段に向上した。全幅は1,700mm超となった。プラットフォームはアウディ・A3アウディ・TTシュコダ・オクタビアセアト・レオンなどと共通。

全体に純亜鉛メッキを施され、高張力鋼板を多用、それをレーザー溶接で接合する事から飛躍的にボデイ強度や安全性が高まった。一部のグレードは旧東ドイツのモーゼル工場製がある。ドイツ統一後の東側地域産業復興の象徴として製造もされた。ニュービートルに次ぐRラインとして設定されたR32は本モデルより登場し、日本へは2ドア(左ハンドル仕様)が500台、4ドア(右ハンドル仕様)が400台の限定にて輸入された。

初期型のアウディ製1.8L DOHCエンジンを搭載したグレードは好評であったものの、高コストな5バルブエンジンであったこと、日本の道路事情を考慮してATとのマッチングを重視したこと等から、初回のマイナーチェンジで、旧世代の低回転域トルク型2.0L SOHCエンジンに変更されたが、一部の自動車評論家に酷評された(ゴルフIIIではカウンターフローだったものを、クロスフローに改良した後方排気エンジン)。

この代より全車が総輪ディスクブレーキになった。

派生車種としてボーラとニュービートルがある。

エンジン

  • 直4 1.6L SOHC(E / L)
  • 直4 1.8L DOHC 20バルブ(CLi / GLi初期)日本仕様は98年モデルのみ。
  • 直4 1.8L DOHC 20バルブターボ(GTI / GTX)
  • 直4 2.0L SOHC(CLi / GLi / L Plus)
  • 狭角V5 2.3L (日本未導入)
  • 狭角V6 3.2L SOHC(R32)

後期型NAエンジンには可変長インテークマニーホールドが採用され、燃費の向上およびエンジン出力の向上がなされた。

安全装備

足回りはEDB(電子制動力制御装置)付きABSとなった。制動時の前後ブレーキ力配分を制御し、荷重移動でノーズが下がったり、コーナリング制動時の急激なオーバーステアを防ぐ装置が付加された。またEPS(横滑り防止装置)も装備される。これらの装備は当時の大衆車としては極めて先進的である。エアバッグは全車にデュアル&サイドエアバッグ(のちにカーテンエアバッグ)フォースリミッター&テンショナー付きシートベルトが標準で装着。


注釈

  1. ^ 福野礼一郎はジウジアーロ設計による初代ゴルフを極めて高く評価しているが、EA266にはそれ以上の高い評価を与えている。
  2. ^ カブリオを除き:1974年-1984年
  3. ^ 当時はビートルも併売されていたが、他社の新型車と比べると、すでに太刀打ちできない部分が多かった。
  4. ^ 徳大寺有恒によれば、輸入開始当時はRRのビートルから大転換したこと、そして価格がトヨタ・マークIIの上級グレードとほぼ同じだったため、全く売れなかったという[7]

出典

  1. ^ The 5 most popular cars of all time (and they're all still in production) 2017年6月2日
  2. ^ J・スロニガー 『ワーゲン・ストーリー』 高斎正訳 グランプリ出版 昭和59年5月20日発刊 ISBN 4-906189-24-5 p.217
  3. ^ 『ワーゲン・ストーリー』 p.251
  4. ^ 『ワーゲン・ストーリー』 p.218
  5. ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 9. ISBN 9784779617232 
  6. ^ 【ゴルフのアプローチ 03】初代ゴルフのGTIは元祖「ホットハッチ」として人気を博した
  7. ^ フォルクスワーゲン・ゴルフTSIハイライン(FF/7AT)いまでも「お手本」
  8. ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 8. ISBN 9784779617232 
  9. ^ フォルクスワーゲン・ゴルフ オールトラックTSI 4MOTIION アップグレードパッケージ(4WD/6AT)【短評】”. WebCG (2015年8月13日). 2015年8月13日閲覧。
  10. ^ VW ゴルフ 新型、8世代目を発表…48Vマイルドハイブリッド採用 (レスポンス/2019年10月25日掲載/2020年1月1日閲覧)
  11. ^ 【VW ゴルフ 新型】電動、デジタル化を推進した8代目…価格は291万6000円から”. レスポンス(Response.jp) (2021年6月15日). 2021年6月17日閲覧。
  12. ^ 【ゴルフ ヴァリアント 新型】広々とした室内と電動化による走りの進化、価格は305万6000円より”. レスポンス(Response.jp) (2021年7月28日). 2021年7月29日閲覧。
  13. ^ VW ゴルフ 新型、最新世代ディーゼル車を日本導入 価格は344万4000円より”. レスポンス(Response.jp) (2021年12月21日). 2021年12月23日閲覧。
  14. ^ 【VW ゴルフGTI 新型】日本市場投入…最高出力245ps、価格は466万円”. レスポンス(Response.jp) (2021年12月22日). 2021年12月23日閲覧。
  15. ^ 最高出力320ps、ゴルフR/ゴルフRヴァリアント新型発売…価格は639万8000円より”. レスポンス(Response.jp) (2022年10月4日). 2022年10月6日閲覧。
  16. ^ フォルクスワーゲン、「ゴルフ ヴァリアント」にディーゼル仕様追加 価格は374万9000円から”. Car Watch (2022年10月25日). 2022年10月27日閲覧。
  17. ^ "「Golf」「Golf Variant」に特別仕様車「Platinum Edition」を導入" (Press release). フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社(PR TIMES). 4 April 2023. 2023年7月28日閲覧
  18. ^ フォルクスワーゲン、20周年記念特別仕様車「ゴルフ R 20 Years」 専用チューニングエンジンやロゴを採用し792万8000円”. Car Watch (2023年7月19日). 2023年7月27日閲覧。
  19. ^ 153台燃えた立体駐車場火災、火元はVW「ゴルフTDI」…遮熱マット取りつけ不備で出火か
  20. ^ Secret opened: Golf namesake” (2014年11月10日). 2021年8月14日閲覧。
  21. ^ Der neue Volkssport: Golf.”. 2021年8月14日閲覧。
  22. ^ Autobiography of BS©: How I Lied About The Golf”. 2021年8月14日閲覧。
  23. ^ 80年代輸入車のすべて- 魅惑の先鋭 輸入車の大攻勢時代. 三栄書房. (2013). pp. 9. ISBN 9784779617232 
  24. ^ Der lange Weg zum Golf”. 2021年8月14日閲覧。






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