ファモチジン ファモチジンの概要

ファモチジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/20 02:11 UTC 版)

ファモチジン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 ガスター
ライセンス US FDA:リンク
胎児危険度分類
法的規制
  • S3/S4 (Au), POM/OTC (UK),
    OTC/℞-only (U.S.)
投与方法 経口、IV
薬物動態データ
生物学的利用能20–66%
血漿タンパク結合10–28%
代謝肝臓(30%以下)
半減期2.5–4 時間 (臨床半減期 8–12 時間)
排泄尿
識別
CAS番号
76824-35-6
ATCコード A02BA03 (WHO)
PubChem CID: 3325
DrugBank APRD00296
ChemSpider 3208 
UNII 5QZO15J2Z8 
KEGG D00318
化学的データ
化学式C8H15N7O2S3
分子量337.449 g/mol
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壁細胞ヒスタミンH2受容体を遮断することにより胃酸分泌を抑制するため、胃酸抑制薬として使用される。ファモチジンはラニチジンより9倍強力であり、シメチジンより32倍強力であることが示されている[2]

1979年に山之内製薬(現・アステラス製薬)が開発し特許を取得した[3]。現在はジェネリック医薬品が存在する[4]。2019年において米国で104番目によく処方された薬であり、600万を超える処方があった[5][6]

効果・効能

他のH2ブロッカーであるシメチジン同様に異所性石灰化に有効だという報告がなされており、シメチジンより副作用も少ないため、整形外科分野での治療効果が期待されている。

副作用

ヒスタミンH2受容体は人間の場合、胃壁の他、心筋などにも存在する。ヒスタミンH2受容体拮抗薬は心筋の受容体にも影響を与えるため、不整脈等の心臓の異常を起こすことがある。特に心臓病の患者が摂取することは禁忌とされる。ファモチジンを含む市販薬では死亡例も確認されている。

その他、低血圧、下痢、めまい、頭痛、発赤がみられることがある。シメチジンは抗アンドロゲン作用(性機能障害勃起不全女性化乳房)がみられることがあるが、中止すると回復する。


  1. ^ a b c Famotidine Monograph for Professionals” (英語). Drugs.com. American Society of Health-System Pharmacists. 2019年3月3日閲覧。
  2. ^ “Famotidine, a new, potent, long-acting histamine H2-receptor antagonist: comparison with cimetidine and ranitidine in the treatment of Zollinger-Ellison syndrome”. Gastroenterology 88 (4): 1026–33. (April 1985). doi:10.1016/s0016-5085(85)80024-x. PMID 2857672. 
  3. ^ (英語) Analogue-based Drug Discovery. John Wiley & Sons. (2006). p. 444. ISBN 9783527607495. https://books.google.com/books?id=FjKfqkaKkAAC&pg=PA444 
  4. ^ British national formulary : BNF 76 (76 ed.). Pharmaceutical Press. (2018). pp. 74–75. ISBN 9780857113382 
  5. ^ The Top 300 of 2019”. ClinCalc. 2021年10月16日閲覧。
  6. ^ Famotidine - Drug Usage Statistics”. ClinCalc. 2021年10月16日閲覧。
  7. ^ “Prophylaxis and treatment of NSAID-induced gastroduodenal disorders”. Drug Safety 20 (6): 527–43. (June 1999). doi:10.2165/00002018-199920060-00006. PMID 10392669. 
  8. ^ “Double-blind randomized trials of single-tablet ibuprofen/high-dose famotidine vs. ibuprofen alone for reduction of gastric and duodenal ulcers”. The American Journal of Gastroenterology 107 (3): 379–86. (March 2012). doi:10.1038/ajg.2011.443. PMC 3321505. PMID 22186979. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3321505/. 


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