ファモチジン訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 07:08 UTC 版)
山之内製薬のガスターは、ファモチジン結晶多形から製造していたが、1990年代にハンガリーのリヒターゲテオンが、ファモチジン結晶多形にA型とB型が存在している事を突き止め、結晶多形B型での製造特許を取得した(ガスターおよび日本薬局方の成分では、結晶多形A型とB型を混合していることになった)。そのためリヒターゲテオンは、山之内製薬が結晶多形B型に係る部分の特許侵害をしているとしたが、山之内は2000年に日本における発売製品について、2007年まで同社と独占的な製造特許のライセンスを締結した。 しかし、ファモチジンの特許切れに伴い、後発医薬品メーカー各社が同製剤を製造するにあたり、リヒターゲテオンは山之内製薬と同じく『特許侵害』として、2001年に該当する後発医薬品メーカー14社に対して、不法行為に基づく損害賠償及び不当利得の返還を請求する訴訟を提起した。この時点でリヒターゲテオンの日本におけるパートナーは山之内のみであった事から、山之内 対 ジェネリック医薬品メーカーの代理戦争を呈していた。 2003年に東京地裁および大阪地裁での判決は「純粋に結晶多形B型のみを使用して製造したものではない」と、特許侵害が認められないとして原告敗訴となり、控訴審でも棄却される結果となった。
※この「ファモチジン訴訟」の解説は、「ファモチジン」の解説の一部です。
「ファモチジン訴訟」を含む「ファモチジン」の記事については、「ファモチジン」の概要を参照ください。
- ファモチジン訴訟のページへのリンク