ナイトストライカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/26 03:08 UTC 版)
ナイトストライカー専用筐体 | |
ジャンル | 3Dシューティングゲーム |
---|---|
対応機種 |
アーケード (AC) 対応機種一覧
|
開発元 | タイトー中央研究所 |
運営元 | タイトー |
プロデューサー | 菅原徹 |
ディレクター | 海道賢仁 |
プログラマー |
菅原徹 橋本英樹 つかのとしあき 津森康男 きたばやしたかし |
音楽 | 高木正彦 |
美術 |
関口忍 のむらあきお |
人数 | 1人 |
メディア |
業務用基板 (8.01メガバイト) |
稼働時期 |
1989年10月 |
デバイス |
アナログスティック 2ボタン |
筐体 | コックピット型専用筐体 |
システム基板 | Zシステム |
CPU | MC68000 (@ 12 MHz)×2 |
サウンド |
Z80 YM2610 (@ 8 MHz) |
ディスプレイ |
ラスタースキャン 横モニター 320×240ピクセル 60.00Hz パレット4096色 |
略称は『ナイスト』。キャッチコピーは「夜の街を駆け抜けろ!」。
ゲーム誌『ゲーメスト』誌上で行われた「第3回ゲーメスト大賞」にて大賞8位を獲得、ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』の人気投票では4位を獲得した。
概要
プレイヤーはコックピット型筐体に乗り込み、アナログレバーで自機「インターグレイ Xsi」を操縦、出現する敵機をレーザー弾で撃墜していく。
各ラウンドの最後に待ち受けるボスキャラクターを破壊(攻撃目標が複数存在する場合は全滅)もしくは制限時間一杯逃げ切って自爆あるいは逃走させればラウンドクリア。次に攻略するステージを2つのうちから1つ選択して次ラウンドへ進んでいき、全6ラウンドをクリアするとエンディングとなる。
開発
企画者の海道によると、当初は「チューブ状のコースでレースを行う大型可動筐体の3D宇宙レース」として企画されたもののコスト面から頓挫。可動筐体でなくても臨場感を感じさせる為の工夫として、モニターの左右で走馬灯が回転し、光が流れている様に見えるギミックが提示され、これを活かすアイデアとして「近未来的な夜の街でエアカーを駆って空中レースをする」企画に変貌した。その企画は海道の上司による「これってさー、ミサイルとか撃てないの??」との発言を受けて更に手が加えられ、『破壊』と『疾走感』による爽快感を軸にした3Dシューティングゲームとなっていったという[1]。
筐体
一人乗りのコクピットタイプで、入力デバイスはアナログレバー+1トリガー・2ボタン、スタートボタンからなる。プレイヤーの座席は、座面脇の握手を引き上げる事で前後にスライドさせる事が出来、着座位置を調整できるようになっている。
演出装備として、モニター画面の上と左右を取り囲む様に、「ライトストリームシステム」と呼ばれる走馬灯に似た構造の回転体が実装されている。これはシーンによって光を透過しながら回転し、夜の街を駆け抜ける雰囲気を演出するためのものである。サウンド出力は当初前後4チャンネル (ch) を予定していたが、開発予算の都合で前スピーカー+シート内蔵の後ろスピーカーの前後2ch出力としている[2]。また、シート内部に大口径ウーファーと共鳴ボックスが内蔵されている。一方で特殊な筐体故に製造コストが高い上に故障しやすい構造となってしまい[独自研究?]、日本国内の出荷台数は僅か303台に留まった[要出典]。
設定ストーリー
西暦2049年、行方不明となっていたレーザー光学の世界的権威、 リンドヴェリ=マスカ博士が東洋を拠点とする謎の組織に愛娘シンディと共に捕らわれていることがわかった。 しかも、それは近年アジアで多発するテロ事件と何らかの関わりがあるらしいのだ。国連特務機関情報部は事件の詳細を探るために諜報員を派遣、だが、帰って来た者は1人としていなかった。 わずかに、[その組織が]秘密工場で特殊な武器を開発しているらしいという漠然とした情報だけは手に入ったが――。事態の重さを知った特務機関長官ディック=ダグラスは、マスカ博士を救出し、組織を壊滅すべく、特別行動隊に出動を命じた。 歴戦の勇士を集めた選りすぐりの精鋭達、特殊な装甲車を操り、 不可能と呼ばれる作戦を次々と成功させる最強のコマンド......... それが国連特務機関特別行動隊、通称・ナイトストライカー.........
※店頭用フライヤーより一部抜粋※
注釈
- ^ 連射速度は基板に搭載されたディップスイッチで切り替え可能。
- ^ 路肩に設置されている円筒形のポットには衝突判定はあるが、ぶつかってもシールドが減少しない。
- ^ 初期値は3 - 6ポイント。ディップスイッチ設定で変更可能。
- ^ 回復数はディップスイッチにより、0 - 3の範囲で設定可能。
- ^ 簡単に説明すると単純な上・下・左・右のデジタル操作ではなく、それぞれの方向が数百段階の数値で管理され微細かつ俊敏な操作が可能となる(厳密な意味でのアナログとは異なるが、本項では当時の記載に順じる)。当時この操作を実現するには高価な操作デバイスが必要だったので、アナログ操作に対応した周辺機器が出ていることはリッチなゲーム機(パソコン)の証であった。
- ^ 当時はアーケードゲームの開発セクションと家庭用ゲーム機の担当セクションは綿密な連携を取る事が少なく、(本ソフトの話ではないが)アーケード版スタッフが家庭用ゲーム機への移植を販売後に知る事すらあったという。なので海道はソースの非提供については関与していない。
- ^ ミッションスティックの後にリリースされたセガマルチコントローラー(パッド)「マルコン」を接続することでも相応のアナログ操作が出来るが、ソフトが想定していない機器のため、ミッションスティックでは移動できない画面の外にも移動できてしまうなど、致命的な不具合では無いがゲームの面白さを損なう状況が発生してしまう。
出典
- ^ “ナイトストライカー開発秘話”. Togetter. 2020年7月23日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/kenji_kaido/status/330758684571496448”. Twitter. 2020年7月23日閲覧。
- ^ グラフィックは白い円型の弾が飛ぶ
- ^ 改造された筐体では左右のボタンでもソフトウェア連射が可能だった
- ^ a b c d ザ・ベストゲーム. 新声社. (1991年7月1日). p. 139
- ^ “ZUNTATA OFFICIAL SITE "Z-Field" - ZTTL-9010 ナイトストライカー アーケードサウンドトラック”. zuntata.jp. 2020年7月23日閲覧。
- ^ a b 週刊ファミコン通信 no.339. 株式会社アスキー. (1995年6月16日). p. 43
- ^ “https://twitter.com/kenji_kaido/status/330728394356576257”. Twitter. 2020年7月23日閲覧。
- ^ 翼とロケットエンジンのついたバックパックを背負った姿をしている
- ^ ラスボスを倒した後、背景にある敵本拠地にバイク型モジュールを突っ込ませて爆発させる
- ^ “ぱぱら快刀氏によるアーケード版&メガCD版ナイトストライカーについて”. Togetter. 2020年7月24日閲覧。
- ^ “メガドライブミニ2インタビュー。奥成氏が叶えた“サイバースティック”の夢とは?”. KADOKAWA GAME Linkage. 2022年7月21日閲覧。
- ^ “Night Striker”. Computer and Video Games (Future Publishing): 90. (July 1989). ISSN 0261-3697 2016年8月21日閲覧。.
- ^ a b “ナイトストライカー まとめ [メガドライブ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年3月12日閲覧。
- ^ a b “ナイトストライカー まとめ [PS]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年3月12日閲覧。
- ^ “Night Striker”. Your Sinclair (Future plc Dennis Publishing): 71. (September 1989). ISSN 0269-6983 2016年8月21日閲覧。.
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、867頁、雑誌26556-4/15。
- ^ “Mega-CD Review: Night Striker”. Mean Machines Sega (Emap International Limited) (11): 56,57. ISSN 0967-9014 2016年8月21日閲覧。.
- ^ “Night Striker”. Sega Power (Future plc) (46): 52,53. (September 1993). ISSN 0961-2718 2016年8月21日閲覧。.
- ^ Neil West (August 1993). “Night Striker”. Mega (Bath: Future plc) (11): 52. ISSN 0966-6206.
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、1023頁、雑誌26556-4/15。
- ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、770頁、雑誌26556-4/15。
- ^ “ナイトストライカーS” (日本語). セガサターンマガジン (ソフトバンク): 228 2016年8月21日閲覧。.
- ^ a b 「Chapter 02 1989年」『メガドライブ大全(企画・編集:CONTINUE)』太田出版、2004年9月29日、168頁。ISBN 9784872338805。
- ^ a b c d e f 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、20 - 21頁、ISBN 9784881994290。
- ^ a b 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、8 - 9頁、雑誌03660-7。
- ^ 「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、118頁、ISBN 9784881994290。
- 1 ナイトストライカーとは
- 2 ナイトストライカーの概要
- 3 ゲームシステム
- 4 移植版
- 5 音楽
- 6 参考文献
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